技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

分析法バリデーションに基づく全数受入確認試験と原材料のサンプリング基準に対する当局の考え方

PIC/S GMP・GMP事例集対応

分析法バリデーションに基づく全数受入確認試験と原材料のサンプリング基準に対する当局の考え方

~一部サンプリングによる省力化の手法~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、PIC/S GMPやリスク低減などの受入試験に対応するために分析法バリデーションに基づいて受入確認試験を実施した結果を解説いたします。

開催日

  • 2015年8月24日(月) 13時00分 16時30分
  • 2015年8月25日(火) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 製剤開発に関わる担当者、研究者、管理者

修得知識

  • 迅速および簡便に全数受入確認試験できる振動分光法 (近赤外分光法、ラマン分光法) の特徴と装置の理解
  • 分析法バリデーションの受入試験の実践方法と結果
  • 非接触で非破壊 (作業者の被曝無し) による多種類原料粉体の全数受入確認試験の情報
  • PIC/S GMP Annex8の留意点の理解
  • 日本のサンプリング基準
  • 全容器からのサンプリング方法に対する対応案
  • 今後のサンプリング基準に対する方向性の理解
  • 適切な原材料確保のためPIC/S GMPに示されるグローバルな原材料の受け入れ試験及びサンプリング法
  • PIC/S GMPに対応したサンプリング法 (全数試験、一部サンプリング) と統計的な知識

プログラム

第1部 ≪PIC/S GMPを視点とした≫原材料受入試験 (全数) の基準と課題・運用および当局の考え方

(一日目 13:00~16:30)

原材料受入試験 (全数) の基準と課題・運用および当局の考え方

  • 2012年3月9日にPMDA等がPIC/Sに加盟申請し、審査を受けた結果、2014年5月15・16日に開催されたPIC/S委員会 (ローマ) において7月1日付で日本が承認される旨が発表され、今日に至っている。PIC/S GMPと日本のGMPとの相違点はいくつか挙げられるが、その中でもAnnex 8 (原料及び包材のサンプリング) に大きな違いが見られる本講座ではPIC/S GMPの受入れ試験の基準を日本の従来からの考え方と比較しながら、課題と運用及び当局の考え方について留意すべき点を解説する。
    1. 強調したい点
    2. 日欧米の規制要件とガイドライン
    3. PIC/S GMPガイドラインについて
    4. Annex8 (原料及び包材のサンプリング) の要旨
      • 全容器検査の同一性試験とは
      • 免除規定とは
    5. 日本企業の一般的なサンプリング基準
    6. Annex8に基づいた日本企業の事例
    7. 全容器サンプリングを避ける一方法について
    8. 非破壊検査方法について
      • NIR分析法とラマン分析法の活用
    9. Annex8への対応
    10. サンプリングに対する製造所のQCの責任範囲
      • サンプリング室の維持管理
      • 保存品の管理
      • サンプリング方法の検討
    11. サンプリング基準に対する当局 (PMDA、PIC/S) の考え方
    12. まとめ
    13. 質疑応答・名刺交換

第2部 PIC/S GMPをふまえた受入試験実施・サンプリング手法と全数試験・省力化

(二日目 10:30~12:15)

 製造販売業者や製造業者が、医薬品を製造するために購入する原材料の安定した品質確保を図るため、重要な原料、中間体、中間製品、資材、製造設備・機器を納入する製造業者 (サプライヤー) の適確適格性を、常時に評価・管理することが重要である。その中で、サプライヤーから供給される原材料の受け入れ試験が、医薬品の品質確保にとって極めて重要事項である。原材料が原因で製品回収や健康被害に至ったケースが世界各地で多く発生している。PIC/S GMP Annex8に示されるように全数試験 (全梱包の品質同一性確認) の重要性と、一部サンプリングによる省力化の手法を説明する。

  1. サプライヤー管理における受け入れ試験
    1. サプライヤー管理における原材料の管理
    2. 原薬等の供給業者管理について (3013年度版GMP事例集)
    3. 医薬品を製造するための購入原料の品質確保
    4. PIC/S GMPガイドラインにおける出発物質
    5. サンプリングと試験管理、及び海外GMP指摘事例
  2. 受入試験実施・サンプリング手法の原則
    1. PIC/S GMP Annex 8の要件:出発物質及び包装材料のサンプリング
    2. 全容器からのサンプリング試験、及び一部の容器からのサンプリング
    3. 一部の試験が可能とうなるバリデーション計画
    4. PIC/S GMPガイドライン 第6章6.11~6.14におけるサンプリング
    5. 全数確認試験について
  3. 出発原料のサンプリング
    1. PIC/S GMPガイドライン 第5章5.25~5.27出発原料
    2. 原料検体のサンプリング
    3. 適用範囲
    4. 通常の検体採取法
    5. 簡略した検体採取法
  4. 一部サンプリングによる省力化
    1. サンプリング数の決定
    2. √N+1の抜取り数
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 ≪PIC/S GMP・GMP事例集対応≫分析法バリデーションに基づく医薬品原料粉体の全数受入確認試験と迅速・簡便実施法

(二日目 13:00~16:30)

 本セミナーでは、PIC/S-GMPおよびGMP事例集 (2013年版) での受入確認試験の重要性を再確認するために、まずAnnex8 (出発原料と包装材料のサンプリング) 、Annex20 (品質リスクマネジメント) ならびに製品品質照査の内容を概説する。次に受入確認試験において採用および検討されているラマン分光法と近赤外分光法の特徴を述べる。さらに分析法バリデーションを具体的に説明し、医薬品原料粉体の受入確認試験を携帯型ラマン分光装置により実施した結果について詳細に解説する。具体的には内包装材料の種類とその厚みを変化させた結果に加えて、主薬・賦形剤・結合剤、無機の添加剤、結晶形の異なる原料粉体についての受入確認試験結果である。一方、近赤外分光法では、ラマン分光法において困難な原料粉体の受入確認試験結果を主に説明する。もちろん両分光法による受入確認試は非破壊・非接触で迅速・簡便に実施されることを確認しているが、取り扱い上の注意点についても簡単に述べる。さらに製薬会社に注目し、携帯型ラマン分光装置を採用した経緯、ならびに受入確認試験を実施している結果を紹介する。最後に全数受入確認試験を免除する規定につてもごく簡単に触れたい。

  1. PIC/S GMP、GMP施行通知およびGMP事例集 (2013年版) と振動分光法
    • PIC/S-GMPの一般規定およびAnnex8「出発原料と包装材料のサンプリング」の内容確認
    • 品質保証として重要なAnnex20「品質リスクマネジメント」
    • GMP施行通知 (製品品質照査) ならびに事例集内容 (検体採取)
    • PIC/S-GDP (医薬品の適正流通基準) について
    • Q8 (製剤開発) を支援するPAT (プロセス解析工学) とラマン分光法・近赤外分光法
    • 迅速/簡便な受入確認試験用のラマン分光装置・近赤外分光装置の紹介
  2. 分析法バリデーションによる原料受入確認試験
    • 分析法バリデーションの概要
    • 分析能パラメータ (併行精度、室内再現精度、空間再現精度) の説明
    • ラマンシフト値、バンドの化学的帰属
    • 分析能パラメータに基づく具体的な受入確認試験方法とその結果
    • 受入確認試験のためのスペクトル解析 (スペクトルのt-検定など)
    • 特異性に基づく受入確認試験結果 (携帯型ラマン分光法装置)
  3. ラマン分光法・近赤外分光法による受入確認試験の詳細な結果
    • 包装材料の種類および内包装材料の厚み
    • 主薬、賦形剤、結合剤、無機の添加剤、健康食品粉体 (天然由来原料)
    • 製造会社および産地の違いによる受入試験は可能?
    • 主成分分析による原料粉体の識別
    • 携帯型分光装置による受入試験の注意点
  4. 製薬会社の取り組み
    • 携帯型ラマン分光装置を採用した経緯
    • 製薬会社の原料受入試験例 (ラマン分光法、近赤外分光法)
    • 受入試験装置の最近の傾向 (励起波長1030nm、1064nm)
  5. 受入確認試験の免除規定
    • PIC/S-GMP Annex8の内容再確認 (確認試験の回避)
    • オーストラリア当局 (TGA) のPIC/S-GMPのQ&A
    • 原材料等の供給者管理の重要性
    • 質疑応答・名刺交換

講師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

4F 研修室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 57,000円 (税別) / 61,560円 (税込)
複数名
: 30,000円 (税別) / 32,400円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 30,000円(税別) / 32,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 57,000円(税別) / 61,560円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 60,000円(税別) /64,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 90,000円(税別) / 97,200円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/7/3 変更管理・逸脱管理コース (2日間) オンライン
2024/7/3 適正なCAPA実現につながる逸脱・OOS処理フロー及び原因・試験室調査の進め方と処置事例 オンライン
2024/7/3 免疫性血栓性血小板減少性紫斑病の歴史、病態、治療の新たな展開と残された課題 オンライン
2024/7/3 オンコロジー領域における医薬品売上予測手法とデータ収集及び注意点 オンライン
2024/7/3 仮想医薬品例示で基本レギュレーションを理解し、効率的にCMC申請資料を作成するポイント オンライン
2024/7/4 抗体医薬品の品質管理 オンライン
2024/7/4 リスクマネジメント/ワーストケースアプローチに基づく洗浄バリデーション実施 (残留限度値・DHT/CHT設定など) と残留物の評価法 オンライン
2024/7/4 バイオ医薬品製造におけるGMP対応をふまえたプロセス開発からの設備設計・スケールアップ オンライン
2024/7/5 改正GMPに対応する技術移転/移管での同等性評価とバリデーション/作業者教育 オンライン
2024/7/5 医薬品製造現場における少人数体制のQC/QA業務効率化/コスト削減 オンライン
2024/7/5 製造サイトにおけるデータインテグリティの実務対応のポイント オンライン
2024/7/5 経皮吸収の基礎と評価方法 オンライン
2024/7/8 新規モダリティ医薬の市場規模/薬価/売上予測と事業性評価 オンライン
2024/7/8 mRNA-LNP医薬品における製剤化・製造・品質管理と品質審査の論点 オンライン
2024/7/9 医薬品市場予測・マーケティング 基礎と応用 オンライン
2024/7/9 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保 / 分析法バリデーションに必要となる統計解析 / 基準値設定・分析法変更/技術移転時の同等性評価 (3コース) オンライン
2024/7/9 GMPにおける逸脱・不備・不整合からのCAPA運用・手順・管理と逸脱防止対策 オンライン
2024/7/9 品質管理試験室にむけたQC点検と信頼性確保の対応 オンライン
2024/7/9 粉体・粒子を密充填するための粒子径分布、粒子形状、表面状態の制御 オンライン
2024/7/9 再生医療等製品における承認審査・申請資料作成/条件及び期限付承認の場合の留意点 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/30 造粒プロセスの最適化と設計・操作事例集
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/8/31 分散剤の選定法と効果的な使用法
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ