技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

次世代二次電池の最新技術と今後の課題

次世代二次電池の最新技術と今後の課題

東京都 開催 会場 開催 個別相談付き

開催日

  • 2015年4月28日(火) 10時30分 16時00分

受講対象者

  • 次世代電池の素材に関心のあるマーティング・新事業推進担当者、経営者

修得知識

  • 次世代電池の基礎

プログラム

第1部 ポストリチウムに向けたプロトン二次電池・電気化学キャパシタの開発

(2015年4月28日 10:30〜12:00)

  1. はじめに
  2. ナノシートによる電極形成
  3. 酸化マンガンなのシート再積層体、積層薄膜の電極特性 (中性電解液中)
  4. 層状H (Mn,Fe) O2、H (NI,Co,Mn) O2の電極特性 (塩基性電解液中)
  5. まとめ
  • 質疑応答・個別質問・名刺交換

第2部 ポストリチウムに向けた有機二次電池の研究開発動向と今後の課題

(2015年4月28日 12:45〜14:15)

 産業技術の発展に伴い、人類の社会活動と生活に便利な移動型あるいは携帯型の電気製品が続々登場し、世界中に普及しています。
 特に電気自動車や第4世代 (4G) 移動通信システムに対応するためには、従来の蓄電池ではエネルギー密度不足が問題となっています。より高いエネルギー密度を有する蓄電池へのニーズが著しく高まっています。
 現在あるクリーンな蓄電池の中で、エネルギー密度が最も高いのはリチウム (Li) イオン二次電池です。1991年にLiイオン二次電池が上市されると同時に、電池性能の向上およびコストダウンに向けて大きな努力が払われてきました。
 その結果、エネルギー密度は初期のものに比べて約3倍に増大し、一方コストは1/10以下に下がりました。安全性も正極活物質としてオリビン型のLiFePO4を使用することにより確保されました。
 しかしながら、そのLiイオン電池でも、現状の実効エネルギー密度は約120~160mWh/gであり、電気自動車の長距離ドライブあるいは4G携帯電話の長時間使用にはまだまだ不十分です。Liイオン二次電池のエネルギー密度は、主に正極の容量により制約されています。
 現在開発中の正極の活物質から考えますと、Liイオン二次電池の実効エネルギー密度はせいぜい約250mWh/gに止まると予想されます。容量が著しく大きな活物質は現在のところまだ開発されていないために、大幅なエネルギー密度の向上は見込めません。
 そこで、高エネルギー密度を示す、ポストLiイオン二次電池の開発が求められており、現在精力的な開発研究が行われています。
 そのような主なるポストLiイオン二次電池として、1000mAh/g以上の大きな容量を示すイオウ化合物を正極とし、さらに電解質が固体系の“全固体Li/硫黄二次電池”、酸素あるいは空気/触媒系を正極とし、Li、Na、Ca、Mg、Al、Zn等の金属を負極とする“金属/空気二次電池”、そして電解液を通して正極と負極の間を出入りするこれまでのLiイオンの代わりにマグネシウムイオンのような多価カチオンを用いる、“多価カチオン二次電池”に大きな期待が寄せられています。
 これらに加えて、Liイオン二次電池の正極活物質に用いられている遷移金属酸化物のLi塩の代わりに、安価で供給が容易な有機化合物を使用する“有機二次電池”もポストLiイオン二次電池の候補の1つとして大いに期待されています。本講演では、この“有機二次電池”の研究開発動向と今後の課題について、分かりやすく、かつ詳細に解説します。

  1. Liイオン二次電池の現状と期待される高エネルギー密度を示すポスト二次電池
    1. 現行のLiイオン二次電池
    2. Liイオン二次電池の課題
    3. より高エネルギー密度 (高出力電圧×大容量) 化
    4. 高エネルギー密度を示す、ポスト二次電池
    5. Li/硫黄二次電池
    6. 金属/空気二次電池
    7. 多価カチオン二次電池
    8. 有機二次電池
  2. 有機二次電池の研究開発の現状と今後の課題
    1. 従来の有機二次電池
    2. 最新の有機二次電池
    3. 有機二次電池の課題
    4. 高エネルギー密度を示す、有機正極活物質の探索
    5. 充放電サイクルの高寿命化
    6. 固体電解質の使用と改善
    7. 正極中の有機活物質の充填率アップ
    8. 高速充放電の達成

  • 質疑応答・個別質問・名刺交換

第3部 鉄-空気二次電池の開発と実用化への課題

(2015年4月28日 14:30〜16:00)

  1. 空気二次電池の特徴
  2. 鉄-空気二次電池の構成部材
  3. 固体電解質を用いた鉄-空気二次電池の開発
  4. 今後の課題
  • 質疑応答・個別質問・名刺交換

講師

  • 第1部
    • 宮山 勝 氏
  • 第2部
    • 杉本 豊成 氏
  • 第3部
    • 松田 厚範 氏
  • 宮山 勝
    東京大学 先端科学技術研究センター
    教授
  • 杉本 豊成
    大阪府立大学大学院 工学研究科
    客員・名誉教授
  • 松田 厚範
    豊橋技術科学大学 大学院 工学研究科 電気・電子情報工学系
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/27 液中の粒子分散制御及び評価の要点 オンライン
2025/2/28 リチウムイオン電池電極製造プロセスにおける間欠塗工技術と乾燥、スラリー分散技術 オンライン
2025/2/28 二酸化炭素を原料とした液体合成燃料の製造技術と最新動向 オンライン
2025/3/6 ペロブスカイト太陽電池の製造技術と軽量モジュールの社会実装に向けた課題 オンライン
2025/3/7 リチウムイオンバッテリとバッテリマネジメントシステムの基礎と将来展望 東京都 会場・オンライン
2025/3/14 蓄熱蓄冷および熱エネルギー搬送技術の基礎と最新の研究開発動向 オンライン
2025/3/26 有機系材料を用いたナトリウムイオン電池の特性と最新研究動向 オンライン
2025/3/28 バイオマスを取り巻く最新動向と日本企業の事業戦略 オンライン
2025/3/31 ゼロから学ぶ再エネビジネス基礎講座 (全2回) オンライン
2025/3/31 再エネ電力・環境価値取引で抑えたい知識と実務 オンライン
2025/3/31 FIP、コーポレートPPA等、2023年4月施行を踏まえて抑えたい知識と実務 オンライン
2025/4/14 xEV用バッテリパックの設計と安全性試験・品質管理方法 オンライン
2025/4/22 水素吸蔵材料の基礎と様々な水素貯蔵材料とその応用 オンライン
2025/4/28 水素吸蔵材料の基礎と様々な水素貯蔵材料とその応用 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/10/17 リチウムイオン電池の拡大と正極材のコスト & サプライ (書籍 + PDF版)
2022/10/17 リチウムイオン電池の拡大と正極材のコスト & サプライ
2022/9/30 水素の製造とその輸送、貯蔵、利用技術
2022/9/16 2022年版 蓄電池・蓄電部品市場の実態と将来展望
2022/9/14 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (進歩編)
2022/9/8 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (基礎編 + 進歩編)
2022/9/8 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (基礎編)
2022/8/19 2022年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2022/7/15 2022年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2022/6/30 二次電池の材料に関する最新技術開発
2022/6/13 LiBメーカー主要7社 (CD-ROM版)
2022/6/13 LiBメーカー主要7社
2022/4/11 世界の車載用LIBのリユース・リサイクル 最新業界レポート
2022/3/9 EV用リチウムイオン電池と原材料・部材のサプライチェーン (書籍版)
2022/3/9 EV用リチウムイオン電池と原材料・部材のサプライチェーン (書籍 + PDF版)
2022/2/18 2022年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2022/2/4 世界のxEV、車載用LIB・LIB材料 最新業界レポート
2022/1/21 2022年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2022/1/20 脱炭素へ、EVの役割と電池・原材料の安定供給 2030/35年モデルと諸問題の検証
2021/12/16 カーボンニュートラルに向けた中低温産業排熱の最新利用技術と実践例