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リチウムイオン電池電解液の難燃化・高機能化技術動向

リチウムイオン電池電解液の難燃化・高機能化技術動向

~燃えない高容量・高出力のリチウムイオン電池を目指して~
東京都 開催 会場 開催

以下、「リチウムイオン電池における電極バインダーの開発動向と応用・選定、使用による電池特性との関係性」との同時申し込みで特別割引にて受講いただけます。

概要

本セミナーでは、リチウムイオン電池の性能向上のカギを握る電解液、特に電解液に求められる難燃化技術動向を中心に現在の開発トレンドと今後の展開を解説いたします。

開催日

  • 2014年7月17日(木) 10時30分 16時30分

プログラム

第1部 Liイオン二次電池の電解液の市場動向と将来

(2014年7月17日 10:30〜11:45)

森田化学工業 (株) 取締役 堀尾 英博 氏

 Liイオン二次電池関係の電池そのもの、さらに電池材料は、既に大幅な供給過多状況にあり、電解液も例外ではない。とくに中国で、その状況が顕著となっている。
 本セミナーでは、そんな供給過多の状況を生み出した原因と現状、そして今後の動向について述べる。

  1. Liイオン二次電池 供給過多の現状
  2. アジアでの電解液の市場
    1. 電解液の市場
    2. 電解液に求められる品質レベル
  3. Liイオン二次動力電池における電解液
    1. 電気自動車用電解液
    2. 電気自動車用Liイオン二次電池の需要予測
  4. 中国におけるLiイオン二次電池用電解液の動向
    1. 中国におけるLiイオン二次電池の動向
    2. 中国と海外メーカーとの相違点
    3. 中国における電解液の評価
    4. 中国における電解液の今後の動向
  5. 外資系電解液企業の中国での動き
  6. 北米及びヨーロッパにおける電解液の動向
  7. Liイオン二次電池用電解液の将来性
  8. まとめ

  • 質疑応答

第2部 難燃性向上に向けた電解液材料の設計

(2014年7月17日 12:25〜13:40)

静岡大学 大学院 工学研究科 電子物質科学専攻 准教授
田中 康隆 氏

 電解質の難燃化は本当に必要なのであろうか? 言いかえると、燃えない電解質だけで電池は安全だろうか?
 高いエネルギー密度を持つ電池のエネルギーが一番高い状態であれば、つまり満充電状態であれば、燃えない電解質を用いても爆発や燃焼が起こってしまうのではないか?
 この様な自分自身への疑問を持ちながら、液体電解質の難燃性向上を含めた、液体電解質材料分子の分子設計方法を中心に述べる。
 われわれの液体電解質材料分子の分子設計と評価の手順は、 (1) 目的の物理的、化学的、電気化学的性質が期待される分子の分子式を経験を元に紙の上に描いてみる、 (2) その分子の分子軌道計算等の量子化学計算を行い、目的の性質を有するかどうかを評価する、 (3) 目的の性質が期待できる場合は合成法を検討する、 (4) 実際に合成・精製を行なう、 (5) 種々の分光器を用いて化学構造の確認を行なう、 (6) 合成した分子で電解質を調整し電気化学セル中で目的の性質を発揮するかどうかを評価する、 (7) 調整した電解質を電池で評価する、 (8) 電解質の難燃性を特に議論するのであれば燃焼試験を行なう、である.この順番に沿った講義を行なう。

  1. 燃えにくい二次電池のために
    1. 電解質の究極的な難燃化
    2. 固体電解質と全固体電池
  2. 液体電解質材料分子の分子設計方法
    1. 難燃性元素
    2. 分子構造の選定
    3. 量子化学計等の理論計算による物理的,化学的,電気化学的性質の評価
    4. 合成方法の探索:レトロシンセシス
  3. 電子材料設計で用いられる理論計算
    1. 単分子に対する物性評価
      1. 分子力場計算
      2. 分子軌道計算と密度汎関数法
      3. HOMO-LUMOによる評価
    2. 分子集団に対する物性評価
      1. 古典力学を基本とする分子動力学計算
      2. 量子力学を基本とする分子動力学計算
      3. バンド構造による評価
  4. 液体電解質材料分子の合成と精製
  5. 液体電解質材料分子の構造解析と自己拡散係数の評価
  6. 電解質調整後の電気化学的特性評価
    1. イオン伝導率
    2. 酸化電位
    3. 正極活物質との接触下での電気化学
  7. 燃焼試験

  • 質疑応答

第3部 電解液添加剤の設計開発トレンドと効果的な利用法

(2014年7月17日 13:50〜15:05)

群馬大学 理工学部 環境創生理工学科 教授
鳶島 真一 氏

 リチウム電池用電解液は性能劣化や安全性とも密接な関係を持つ重要な電池構成材料である。
 現状のリチウム電池用電解液の特性は改善の余地がある。電解液を工業製品化するためには基礎電解液に不足している機能を補填する必要がある。
 このために有用なのが電解液添加剤である。
 本報告では電解液添加剤の機能と種類について概説する。

  1. リチウム電池用電解液の基本特性と改善すべき課題
  2. 電解液の安定性
    1. 電解液の還元安定性
    2. 電解液の酸化安定性
  3. 電解液添加剤の種類と機能
    1. 電解液添加剤による導電率向上
    2. 負極表面処理添加剤 (反応型)
    3. 負極表面処理添加剤 (非反応型)
    4. 正極表面修飾添加剤
    5. 過充電防止剤
    6. 電解液の安全性向上策と難燃性添加剤
    7. 全固体電池
  4. まとめと今後の展望

  • 質疑応答

第4部 イオン液体のリチウムイオン電池電解液への適用とその可能性

(2014年7月17日 15:15〜16:30)

関西大学 化学生命工学部 教授/先端科学技術推進機構 機構長
石川 正司 氏

 イオン液体はキャリア密度が高く、無溶媒でも液体であるため、引火の心配がない安定で高性能な蓄電地が期待される。
 しかし高粘度による抵抗の懸念、酸化や還元に安定なのか、といった疑問も少なくない。
 本講演では、FSIアニオンを用いたイオン液体電解液が添加物を一切必要とせず、リチウムイオン電池の充放電を可能する例を示す。この系は高粘度にもかかわらず、通常電解液を凌駕する速度特性を発揮する。
 このような高性能は、FSIが関わる特異な界面に起因することを説明し、さらにこの特異な挙動を適用した含溶媒FSI電解液系についても紹介する。

  1. イオン液体電解液とは
  2. これまでのイオン液体の例
  3. FSI系イオン液体の適用
    1. 基本物性
    2. 黒鉛負極反応の可逆化効果
    3. 純イオン液体による初めてのLIB
  4. FSI系が高性能である因子の解明
    1. 負極挙動の洞察
      1. 黒鉛負極系
      2. シリコン負極系
    2. 正極挙動の洞察・層状系正極
    3. 電極電気二重層の解析
    4. 電気二重層構造モデルと反応性
  5. イオン液体電解系のさらなる高性能化へ
    1. 黒鉛負極への添加剤効果
    2. 黒鉛負極へのアニオン統一効果
    3. フルセルへの効果
    4. シリコン負極への界面効果
  6. FSI界面効果の溶媒系への適用
  7. まとめと展望

  • 質疑応答

講師

  • 堀尾 英博
    森田化学工業(株)
    取締役
  • 田中 康隆
    静岡大学 大学院 工学研究科 電子物質科学専攻
    准教授
  • 鳶島 真一
    群馬大学
    名誉教授
  • 石川 正司
    関西大学 化学生命工学部
    教授 / イノベーション創生センター長

会場

芝エクセレントビル KCDホール

B1F

東京都 港区 浜松町二丁目1番13号 芝エクセレントビル
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主催

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