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医療機器ソフトウェアの設計開発とリスク管理

改正薬事法対応

医療機器ソフトウェアの設計開発とリスク管理

~FDA, IEC62304, ISO14971, 改正薬事法への適切な対応方法~
東京都 開催 会場 開催

概要

 本セミナーでは、医療機器に搭載するソフトウェアの開発手順、バリデーション手順、リスク管理手順について、手順書のサンプルを配布し、基礎からわかりやすく解説します。
 またリスク分析について、具体的な例題をもとに実習を行います。
 さらに改正薬事法施行に伴う、日本の医療機器ソフトウェア行政の動向についても最新情報をご提供いたします。

開催日

  • 2014年4月18日(金) 10時30分16時30分

受講対象者

  • 医療機器に関連する担当者、管理者

修得知識

  • IEC62304、FDAガイダンスの対応
  • 米国内で販売される医療機器に義務付けられる要件
  • FDA が求める全てのソフトウェアの妥当性確認・検証作業
  • ISO 14971に適合するリスク管理プロセス
  • FDAが定める医療機器に搭載するソフトウェア開発時の特定ベストプラクティス

適用ソフトウェア

  • 医療機器のコンポーネント、部品、付属品として使用されるソフトウェア
  • それ自体が医療機器であるソフトウェア
    • 血液事業者向けソフトウェアなど
  • 機器の製造に使用されるソフトウェア
    • 製造装置のプログラム可能なロジック コントローラなど
  • 機器製造業者用品質システムの履行に用いられるソフトウェア
    • 例:機器の履歴を記録、メンテナンスするソフトウェア

プログラム

 海外では、医療機器に搭載するソフトウェアの開発には、非常に厳格な規制要件の遵守が義務付けられています。
 IEC62304「Medical device software —Software life cycle processes」やFDAガイダンス「General Principles of Software Validation」等に対応しなければ海外展開できません。
 ソフトウェアを搭載した医療機器の海外展開に際しては、IEC62304に準拠してソフトウェアを設計開発することが必須です。
 つまり、医療機器企業は、IEC62304に準拠したソフトウェアの開発プロセスを構築しなければなりません。
 IEC62304には、ライフサイクルプロセスの規格が概説され、ソフトウェア品質を確保するための製造者のアクティビティについて規定されています。
 しかしながら、これまで国内向け医療機器製品は、IEC62304などの海外規格を意識せずに開発をしていることが多いと思われます。
 なぜならば、日本においては、現状では医療機器ソフトウェア開発に関する規制がないからです。
 米国では、1985年から1987年にかけて、放射線治療装置のソフトウェアのバグにより、6名の犠牲者が出るといった事故が発生しました。
 この事故を受けて、FDAは1987年に『General Principles of Software Validation』 (GPSV) を発行しました。
 米国に輸出するためには、GPSVにも準拠しなければなりません。
 IEC62304の適合認証を受けていたにもかかわらず、FDAから厳しい指摘を受けることもあります。
 General Principles of Software Validationでは「医療機器ソフトウェアの妥当性確認または医療機器の設計、開発、製造に使用されるソフトウェアの妥当性確認に適用可能であると食品医薬品局 (FDA) が考える、バリデーションに関する一般原則」の概要を示しています。
 これらの原則は以下のソフトウェアに適用されます。

  • 医療機器のコンポーネント、パーツ、又はアクセサリーとして用いられるソフトウェア
  • 医療機器であるソフトウェア (例:血液組織ソフトウェア)
  • 装置の製造に用いられるソフトウェア (例:製造機器内のPLC)
  • 機器製造業者用品質システムの履行に用いられるソフトウェア (例:機器の履歴を記録、メンテナンスするソフトウェア)

 ただし、FDAは特定の開発・バリデーションに関する手法には言及していません。

 FDAによる主なガイダンスとして、

  • Guidance for the Submission Of Pre-market Notifications for Medical Image Management Devices (医療画像処理機器の市販前通知申請に関するガイダンス)
  • Guidance for the Content of Pre-market Submissions for Software Contained in Medical Devices (医療機器に含まれるソフトウェアの市販前申請に関するガイダンス)
  • General Principles of Software Validation; Final Guidance for Industry and FDA Staff (ソフトウェアバリデーションの一般原則)
  • Off-The-Shelf Software Use in Medical Devices (医療機器における市販ソフトを利用)

などがあり、また規制要件や業界標準は常に更新されるため、必要な規則を全て遵守することは容易ではありません。

 今後IEC62304は、IEC 82304、IEC 80001の発行と相まって、改訂が予定されています。
 いったい、規制要件や業界標準対して、どのような手順を構築したら良いのでしょうか。
 また、製造者はISO 14971に適合するリスク管理プロセスを適用しなければなりません。
 リスク管理プロセスは複雑で難解です。
 一般にソフトウェアのリスク分析では、FMEAを使用します。
 しかしながら、具体的な実施方法がわからない場合がほとんどです。
 本セミナーでは、医療機器に搭載するソフトウェアの開発手順、バリデーション手順、リスク管理手順について、手順書のサンプルを配布し、基礎からわかりやすく解説します。
 またリスク分析について、具体的な例題をもとに実習を行います。
 さらに改正薬事法施行に伴う、日本の医療機器ソフトウェア行政の動向についても最新情報をご提供いたします。

  1. 医療機器業界における品質規則
    1. FDAが査察を行う理由
    2. 品質が良いとは?
    3. 21 CFR Part 820 「Quality System Regulation」概要
    4. ソフトウェア開発に関する規制要件
    5. ソフトウェアバリデーションの原則
    6. ソフトウェアの品質保証の方法とは
    7. ソフトウェアのリスク評価方法とは
    8. 薬事法の改正について (単体ソフトウェアの規制強化)
  2. IEC62304概要
    1. IEC62304規格適合とは
    2. 一般的な開発モデル
    3. 開発モデルに関わらず大切なこと
    4. ソフトウェア開発プロセス
    5. IEC 82304、IEC 80001について
  3. General Principles of Software Validation (GPSV) 概要
    1. ソフトウェアに起因した事故
    2. なぜGPSVが作成されたか
    3. 各ソフトウェアライフサイクルにおけるアクティビティ
    4. GPSV逐条解説
  4. IEC62304、GPSV対応手順書の作成方法
    1. 手順書サンプルの解説
    2. 手順書作成の留意点
  5. ソフトウェアのリスク管理入門
    1. リスクとは
    2. 重大性と確率は単純な概念か?
    3. リスクマネジメントとは
    4. ISO-14971とは
    5. 製品とプロセスの理解
    6. リスクのとらえ方
    7. 用語解説
    8. リスクアセスメント
    9. リスク分析手法
    10. FMEA (欠陥モード影響解析) とは
    11. リスク評価 (リスクスコア)
    12. リスク低減 (対策の立案と実施)
    13. リスクマネジメント規程サンプル解説
    14. リスクマネジメント手順サンプル解説
    15. リスク分析実習

講師

  • 村山 浩一
    株式会社 イーコンプライアンス
    代表取締役

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

6F 小会議室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 48,600円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

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