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海外・国内における陸上養殖技術動向と今後の展望

海外・国内における陸上養殖技術動向と今後の展望

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2012年11月27日(火) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 我が国における陸上養殖技術動向とその経済性

(2012年11月27日 10:00~11:10)

 最近注目されている、陸上養殖、特に閉鎖循環式養殖を中心に述べる。これまで陸上養殖については種々の取り組みが行われているが、事業として十分に成り立っているとは言えない。そこで、本講演では、まず現状と課題について、閉鎖循環式陸上養殖システムの原理・概要や運用に際してのメリット・デメリット、システムの構成、陸上養殖への参入における課題について説明し、どのような問題点があるのかを明らかにする。その後、これからの陸上養殖と今後の展望について、特にグリーンエネルギーの利用、アクアポニックス、陸上養殖における経済性・事業性、さらに今後の展望について講義し、本事業の発展に寄与することを目的とする。

  1. 陸上養殖の現状と課題
    1. はじめに
    2. 閉鎖循環式養殖システムとは
      1. 各装置の役割
      2. 飼育環境による制御
    3. 陸上養殖への参入
  2. これからの陸上養殖と今後の展望
    1. グリーンエネルギーの利用
    2. アクアポニックス
    3. 経済性・事業性
    4. 今後の展望
  • 質疑応答

第2部 陸上養殖システムに必要な構成技術動向と経済性への影響

(2012年11月27日 11:20~12:30)

 陸上養殖システムに必要な構成技術を整理し、それぞれの構成技術についてその技術動向を報告する。
 陸上養殖が経済性を持つためには、それぞれの構成技術が優れており、かつ安価であることと共に、必要な構成技術を適正に組み合わせることが重要である。本講座では国内外の技術動向と、それに基づく経済性について講演を行う。

  1. なぜ陸上養殖が注目されているのか
  2. 陸上養殖を構成するシステム
    1. 生産されている魚種
    2. 水質管理
    3. 水槽の設計
    4. 生物濾過
    5. 酸素供給
    6. 脱窒
    7. 脱気
    8. 固形物の除去
    9. 殺菌
  3. 経済性への影響 (リスク管理)
  • 質疑応答

第3部 閉鎖循環式陸上養殖の実例:チョウザメ養殖技術の実現とスケールアップ (仮) (2012年11月27日 13:10~14:20)

 6次産業化政策、耕作放棄農地問題などが話題になり始めてから注目されているチョウザメ養殖。簡単に養殖することはできないが、陸上養殖を実施するにはメリットもある事業である。「ながれの事ならすべてお任せ」のフジキンが採用した閉鎖循環養殖設備の説明と、チョウザメだから陸上養殖できるわけ、市場のない商材をどのように広げていこうとしているかなどについて話す。

  1. チョウザメという魚の説明
    1. チョウザメはサメの仲間?
    2. チョウザメの生活史
  2. チョウザメの養殖工程
    1. 養殖工程
    2. 雌雄判別方法
    3. 飼育水質について
    4. チョウザメ養殖のメリット・デメリット
  3. 陸上養殖設備について~チョウザメはどのタイプに適しているか?~
  4. フジキンの養殖設備
    1. 設備の仕組み
    2. 養殖設備概要
  5. 「ながれの事ならすべてお任せ」だからできたノウハウ
    1. 弊社概要
    2. チョウザメ養殖を始めたきっかけ
  6. チョウザメという食文化を創る戦略
    1. チョウザメ商品体系
    2. もう始まっている町おこし事例
    3. 品質が第一!
  • 質疑応答

第4部 欧州における陸上閉鎖循環式養殖技術の現状と今後の展開

(2012年11月27日 14:30~15:40)

 漁獲漁業の生産量の世界的な低迷の中、近年の世界的な水産物需要の高まりを補填するために養殖産業の更なる振興が必要となっている。しかし、養殖業からの排出物による環境負荷が周辺海域に悪影響を及ぼす問題が顕在化し、環境保全の観点から陸上での閉鎖循環式養殖が注目されている。
 閉鎖循環式養殖の長所は、環境保全のみならず疾病防除,高生産性,省エネルギーなどが挙げられ,有望な養殖方法である。しかし、我が国での閉鎖循環式養殖は近年、様々な研究が行われているが、産業規模での普及には至っていないのが現状である。
 独立行政法人 水産総合研究センター 瀬戸内海区水産研究所 増養殖部 閉鎖循環システムグループでは、閉鎖循環飼育の産業的普及のための第1段階として、2000年より種苗生産に特化した閉鎖循環型の飼育研究に取り組み、これまでに泡沫分離装置や間歇ろ過装置などの水浄化システム開発や上記の閉鎖循環飼育の長所を活用した実証的研究を実施している。
 本報告は、閉鎖循環式養殖の先進地である欧州における最新研究成果や産業規模で展開されている閉鎖循環飼育の事例情報を報告すると同時に、今後の我が国の閉鎖循環飼育の方向性について議論する。

  1. 閉鎖循環飼育の重要性
    1. 養殖産業の現状
    2. 閉鎖循環飼育の効果
  2. (独) 水産総合研究センターの閉鎖循環飼育研究
    1. 独自の閉鎖循環飼育システムの開発
    2. 連携機関での実証試験
  3. 欧州の陸上閉鎖循環式養殖の現状
    1. オランダの事例
      1. 淡水魚養殖での高生産性
      2. カンパチの閉鎖循環式養殖
    2. ノルウェーの事例
      1. 太平洋タラの養殖事例
      2. 省力化の取り組み
    3. デンマークの事例
      1. ニジマスの半閉鎖循環式養殖
      2. ウナギの高密度閉鎖循環式養殖
    4. フランスの事例
      1. 独自のシステム開発事例
    5. 欧州のシステムコンサルタント企業の展開
    6. 欧州の閉鎖循環式養殖の対象種及びシステムの概要
  4. 欧州と我が国との比較
  5. 今後の展開及び方向性
    • 質疑応答

第5部 オーストラリア発、アジア地域で普及している陸上養殖技術

(2012年11月27日 15:50~17:00)

 オーストラリアのFish Protech社が開発した陸上養殖技術は、第1号機完成から30年以上が経過した現在、オーストラリアはもとより、マレーシア、ブルネイなどアジア地域でも普及が進んでいる。今後日本での普及を目指す本陸上養殖技術の紹介を行い、今後の日本での普及方法とその課題などについて概説する。
 なお、講演の際、Fish Protech社のDon社長もタイミングが合えば同席してもらう予定。

  1. Fish Protech社の技術開発理念 ~ 世界中の人たちにヘルシーな魚を供給し健康になってもらいたい ~
  2. Fish Protech社の陸上養殖技術の紹介
    1. パイプなどを一切使わない、コンパクトな一体型設計
    2. 省エネルギーで、毎月収穫ができる通年型ビジネス技術
    3. 淡水、海水どちらの魚も育成可能な技術
    4. 他、技術的な各種特徴
  3. Fish Protech社技術のオーストラリア、アジア地域での普及状況
  4. 概略の経済性
  5. 日本での展開に向けての方策と課題

  • 質疑応答

講師

  • 竹内 俊郎
    東京海洋大学 大学院 海洋科学技術研究科
    教授
  • 野原 節雄
    (株)アイ・エム・ティー
    専務取締役
  • 平岡 潔
    (株)フジキン 新製品開発部 開発8グループ
    グループリーダー
  • 山本 義久
    (独)水産総合研究センター 増養殖部 閉鎖循環システムグループ
    グループ長
  • 三上 恒生
    (株)アイ・エム・ティー
    代表取締役社長

会場

大田区産業プラザ PiO

6F C会議室

東京都 大田区 南蒲田1-20-20
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主催

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