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放熱ギャップフィラーの特性、選定方法と効果的な使い方

放熱ギャップフィラーの特性、選定方法と効果的な使い方

~各種TIMの特徴や機能、最適な選び方、実際の製品での使われ方~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、電子・電気機器の熱設計について基礎から解説し、基板実装技術の進化に伴う放熱デバイスの使い方について、実際の商品の実例を示しながら詳しく解説いたします。
特にTIM材について、コストや熱伝導率だけではなく、熱の移動原理を把握することにより体系的な選択、適切な選定ができるように説明いたします。

開催日

  • 2025年6月17日(火) 10時30分16時15分

受講対象者

  • 機構設計の担当者、管理者
  • 熱設計に携わる方
  • これから熱設計に携わる方

修得知識

  • TIMを価格や単純な熱伝導率だけでなく、特性から最適な製品を選定することができるようになる
  • 現在市販されている幅広いTIMの違い
  • 実際の使用例からTIMの使い方
  • 熱伝導性材料の機能と役割
  • 熱伝導性材料の種類 (シート、1液、2液) とそれぞれの特徴
  • 二液性液状ギャップフィラーの特徴と利点
  • 熱伝導性接着剤の特徴と利点
  • 次世代エネルギー車用部品の熱マネジメント材料に求められる特性
  • ウレタン配合技術の基礎
  • ウレタン材料の評価

プログラム

第1部 ギャップフィラーを含むTIMの特性と選定方法

(2025年6月17日 10:30〜12:00)

 電気・電子機器の消費電力上昇に伴い、幅広い製品にTIM (Thermal Interface Material) が使われるようになってきた。各種用途に応じた多種多様なTIMが市販されているが、その特性を十分理解し、最適な製品を選定するためには、熱設計に関する基礎的な知識を必要とする。一方でTIMはその構成要素であるバインダーとフィラーの材料特性をきちんと把握することで、その性能をより深く理解することができるようになる。
 本セミナーはTIMの熱的特性と機械的特性の二つの面からTIMの特性を把握し、さらに実際の製品での使われ方を参照することで使用方法のコツを短時間に習得することを目的とする。

  1. TIMをより理解するための電熱の基礎
    1. 放熱の基本となる熱移動の3要素
    2. 熱伝導とは
    3. 熱抵抗とは
    4. 熱抵抗の直列と並列
  2. TIMの特性と選定方法
    1. TIMの構成要素
    2. TIMの熱的特性
    3. TIMの機械的特性
    4. 最終的に何に注目してTIMを選ぶのか
    5. TIMの高性能化
  3. 実際のTIMの使用例
    1. スマートフォン
    2. グラフィックボード
    3. 車載用バッテリー
    • 質疑応答

第2部 放熱ギャップフィラーおよび熱伝導性接着剤の特性と自動車熱マネジメントへの応用

(2025年6月17日 13:00〜14:30)

 自動車産業は今、世界的に100年に一度の変革期を迎えていると言われており、この自動車産業の変革をリードする技術として最も注目を浴びているのが「次世代エネルギー車」である。次世代エネルギー車、いわゆるEVに使用される材料の1つである熱マネジメント材料は、駆動用バッテリーやパワーコンバージョン部品に無くてはならない機能性材料で、ここ数年かつてないほどの活況を呈している。
 そこで本講演では代表的な熱マネジメント材料である放熱ギャップフィラーおよび熱伝導性接着剤の特性と、次世代エネルギー車における適用事例を紹介する。

  1. 次世代エネルギー車用部品の熱対策
    1. 自動車産業におけるトレンド
    2. 次世代エネルギー車用部品の熱マネジメント課題
  2. 放熱ギャップフィラーの紹介
    1. TIM (Thermal Interface Material) の機能と役割
    2. TIMの種類と各機能
    3. 放熱ギャップフィラーの性能
      1. 放熱ギャップフィラーの特徴および利点
      2. シート材料との比較
      3. 一液材料との比較
  3. 放熱ギャップフィラーの採用実績
    1. EVバッテリーでの採用実績
    2. パワーエレクトロニクス部品での採用実績
  4. 熱伝導性接着剤の採用実績
    1. パワーエレクトロニクス部品での採用実績
    2. CTP (Cell to Pack) への応用
  5. まとめ
    • 質疑応答

第3部 ウレタン系放熱ギャップフィラーの開発とその特性

(2025年6月17日 14:45〜16:15)

 近年、電子機器の高性能化、小型化による高密度実装化が進み、多くの部品やユニットにおいて熱対策が重要な課題となっている。熱対策には、熱伝導、対流、熱放射の手段がある。TIM (Thermal Interface Material) には、電子部品から発生する熱の排熱のために、高熱伝導化が求められている。熱伝導材料は、信頼性や界面熱抵抗の観点から、シリコーン系が主流となっている。しかし、シリコーン系にもいくつかの課題があるため、ウレタン系TIMの選択肢を示すとともに、配合技術の基礎について解説する。

  1. 放熱材料の種類と市場及び用途
    1. 伝熱メカニズムと種類
    2. 市場と用途
  2. ウレタン系TIMの材料構成と構造
    1. ポリオール
    2. 鎖延長剤
    3. イソシアネート
    4. 触媒
    5. 添加剤
    6. 熱伝導フィラー
    7. 構造
  3. ウレタン系TIMの特長と評価
    1. 特長
    2. 熱抵抗と熱伝導率
    3. 振動吸収性
  4. ウレタン系TIMの課題
    1. 耐久性/信頼性
    2. 量産設備への適合性
  5. ウレタン系TIMの性能
    1. プロトタイプ品の性質
    2. 耐久性
    3. ブリードアウト
  6. 更なる高熱伝導化
    1. フィラーの最密充填
    2. 特性
  7. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 柴田 博一
    株式会社ザズーデザイン
    代表取締役
  • 奥原 昂
    ヘンケルジャパン株式会社 オートモーティブコンポーネンツ事業部
    アプリケーションエンジニア
  • 佐々木 雄一
    ペルノックス株式会社 開発統括部 開発管理グループ
    グループリーダー

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 200,000円(税別) / 220,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 230,000円(税別) / 253,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
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  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
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    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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