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化学プロセスにおけるラボからのスケールアップ (反応・攪拌・晶析・濾過・乾燥・粉砕・工程別) の基礎と事例集

化学プロセスにおけるラボからのスケールアップ (反応・攪拌・晶析・濾過・乾燥・粉砕・工程別) の基礎と事例集

~各工程 (単位操作) のトラブル・改善事例、リスク管理 / 操作簡略化の考え方~
オンライン 開催

視聴期間は2025年8月18日〜29日を予定しております。

概要

本セミナーでは、化学プロセスにおける各工程の注意点、ポイントを説明した後、実際の医薬品原薬、中間体、化学品のスケールアップ製造で経験した反応、攪拌、洗浄・分液、抽出、濃縮、晶析、濾過、乾燥など各工程での失敗事例を参考に化学プロセスのスケールアップの基礎とトラブルの対処法、防止法をわかりやすく説明いたします。

開催日

  • 2025年8月18日(月) 13時00分 2025年8月29日(金) 16時30分

修得知識

  • スケールアップの考え方とトラブルの原因と対策
  • 単位操作のポイント、注意点、リスク管理
    • 反応
    • 攪拌
    • 洗浄
    • 分液
    • 抽出
    • 濃縮
    • 晶析
    • 濾過
    • 乾燥
  • 小スケール実験とスケールアップの違い
  • 操作簡略化の考え方

プログラム

 医薬原薬・中間体など化学品の生産プロセスはバッチプロセスが中心で、反応、攪拌、洗浄・分液、抽出、濃縮、晶析、濾過、乾燥などの単位操作 (工程) の組み合わせからなる。各単位操作 (工程) にはそれぞれ特有の注意点があり、目的だけでなく、どのようなリスクがあるかも理解してラボ実験を行い、その結果を基にスケールアップ製造を行う必要がある。
 本セミナーでは、各工程の注意点、ポイントを説明した後、実際の医薬品原薬、中間体、化学品のスケールアップ製造で経験した反応、攪拌、洗浄・分液、抽出、濃縮、晶析、濾過、乾燥など各工程での失敗事例を参考に化学プロセスのスケールアップの基礎とトラブルの対処法、防止法をわかりやすく説明する。更に化学品を製品化する際に最も注意が必要な精製工程について、まとめとして実際の工場生産で製造時間、製造工程を短縮できた (7日→3日) 応用事例についても説明する。

  1. バッチプロセスと単位操作
    • 反応、攪拌、洗浄・分液、抽出、濃縮、晶析、濾過、乾燥について
    • 単位操作の要否の考え方
  2. 小スケール (ラボ実験) とスケールアップ製造の違い、考え方、ラボ、パイロット実験の進め方、考え方
  3. スケールアップ製造の考え方 (事例を参考に)
    1. アミド化のプロセス:ラボ実験の結果を基にスケールアップしてみると
      • ラボ実験と実際の製造 (パイロット) の結果
      • そこから考えられる問題点、課題
      • 対応策、操作簡略化の考え方
    2. 予め危険性が予測されるプロセスのスケールアップ (パラメータ設定の考え方)
      • 過酸化水素水を使用する酸化反応のプロセスのスケールアップ事例
  4. 各工程 (単位操作) のトラブル・改善事例、リスク管理 (具体的な事例を参考に)
    1. 反応
      • 反応条件の確認:特殊な条件 (例えば低温、高温、高圧、無水など) が無いか?
      • 転移反応が原因でスケールアップできない。対応策とスケールアップ製造。
      • 反応生成物の安定性が悪くスケールアップ製造できない (例えば硫酸エステル)
      • 溶媒回収しないと採算が合わない。→溶媒回収できる反応条件に変更。
      • その他
    2. 攪拌
      • 不均一反応 (炭酸カリウムを使用するアルキル化反応) をスケールアップ。ラボ実験と対応策。
      • その他
    3. 抽出、洗浄、分液
      • 分液工程でエマルジョンが発生し工場生産が中断された。原因究明と対応策を講じることでエマルジョン発生が0となった。
      • その他
    4. 濃縮
      • 中間体の熱安定性が悪く、濃縮操作を行うことができないプロセスのスケールアップ。
      • 濃縮終点の考え方、濃縮残渣の安全性評価
      • その他
    5. 晶析
      • 結晶多形の管理:1型 (安定形) +2型 (準安定形) の混晶となり、作り分けることができないまま米国FDAへIND申請した。その後の対応策。
      • 強熱残分の管理が必要なプロセスをスケールアップしたら規格外の結果となった。実験法とその対応策。
      • スケールアップに伴う粒子形の管理 (攪拌羽根を変更したが)
      • その他
    6. 濾過
      • スケールアップしたらクリーム状の結晶が析出し、遠心分離に2日間要した。対応法と改善策。
      • どうしても結晶化せず、結晶性 (濾過性) 良好なアセトニトリル和物に変換。
      • その他
    7. 乾燥
      • 商用生産を開始したら水和物が副生し、乾燥時間が2倍 (10時間→20時間) になった。
      • 溶媒和物の乾燥法 (例えばアセトニル和物:150°Cに加熱してもアセトニトリルが除けない) と対応策。
      • 水和物の乾燥法
      • 乾燥中に結晶形が変化 (準安定形→安定形) 。原因究明と対応策。
      • 乾燥中に精製溶媒とは別の新たな残留溶媒が副生。原因究明と対応策。
      • その他
    8. 精製 (再結晶) 工程
      • 医薬品中間体を再結晶したら異性体が副生。確認実験と対応策。
      • 難溶性 (再結晶できない) 化合物の精製法
      • 原薬の再結晶中に空気中の酸素と反応して微量の過酸化物が副生。原因究明と対応策。
      • その他
  5. まとめ (改善事例を参考に)
    • アミド化、加水分解、晶析、濾取、精製 (再結晶)、乾燥工程の簡略化:工場生産で7日かかるプロセスを3日に短縮
    • 質疑応答

講師

  • 丸橋 和夫
    株式会社 三和ケミファ 医薬品事業部
    統括本部長

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 34,400円 (税別) / 37,840円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

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