技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計

高分子複合材料のレオロジーとメカニズムに基づく材料設計

~レオロジー特性の把握・制御と高分子複合化への応用~
オンライン 開催

アーカイブ配信で受講をご希望の場合、視聴期間は2025年6月9日〜20日を予定しております。
アーカイブ配信のお申し込みは2025年6月9日まで承ります。

概要

本セミナーでは、レオロジーの基礎から解説し、レオロジーデータを反応硬化の評価と制御に応用する技術について詳解いたします。

開催日

  • 2025年5月23日(金) 13時00分 16時30分

修得知識

  • レオロジー (動的粘弾性) の基礎
  • 高分子の粘弾性的現象論と分子論的メカニズムとの関係
  • 複合化による粘弾性的性質の改善に基づき材料設計に反映するための知識
  • レオロジーを技術として活用するためのコツ

プログラム

 レオロジーが主に対象とするのは粘弾性という力学挙動であり、典型的な材料は高分子です。高分子は、単純化するとひものように長い分子であり、この鎖状分子の運動と粘弾性との関係解明を基盤としてレオロジーは発展してきました。
 本セミナーのテーマは高分子複合材料ですが、まずは基本となる無定形 (ランダムな鎖状形態) 単分散 (分子量がそろっている) 高分子の粘弾性につき理解いただくことからスタートします。工業材料として多くの高分子が様々な分野で使用されていますが、無定形単分散高分子に対して付加的な分子間相互作用の導入あるいは他の材料との混合などにより性能向上が図られております。これらの効果を本セミナーでは複合という言葉に含め、後半では技術的応用という観点から複合化に関わるメカニズムとレオロジー物性との関係について説明します。さらに、加工プロセスにおいて高分子の特有なレオロジー物性が果たす重要な役割についても触れます。

  1. レオロジーの基礎
    1. 連続体力学の基礎
      1. ひずみ
      2. ひずみ速度
      3. 応力
    2. 粘度と非ニュートン流動
      1. 剪断粘度の定義
      2. 擬塑性流動
      3. ダイラタント流動
    3. 粘弾性モデル
      1. 粘性と弾性の熱力学的意味
      2. マックスウェルモデルと応力緩和
      3. フォークトモデルと遅延弾性
    4. 動的粘弾性
      1. 振動ひずみと振動応力
      2. 貯蔵弾性率と損失弾性率
      3. 動的粘弾性関数の周波数依存性
      4. 動的粘弾性曲線からの流体と固体の判別
  2. 無定形単分散高分子の粘弾性
    1. 高分子溶液の粘度挙動
      1. 高分子鎖の統計的性質
      2. 低濃度高分子溶液のニュートン流動
      3. 粘度と高分子コイルの体積効果
      4. 濃厚高分子溶液の擬塑性流動
      5. 粘度曲線の普遍性
      6. 高分子の分子量と粘度挙動との関係
    2. 高分子固体および溶融体の粘弾性挙動
      1. 高分子のガラス状態とガラス転移
      2. 高分子のガラス状態における粘弾性挙動
      3. 高分子鎖のミクロブラウン運動
      4. 時間-温度換算則
      5. シフトファクターの温度依存性
      6. からみあいと緩和時間
      7. 高分子の分子量とマスターカーブとの関係
      8. Cox-Merzの経験則
  3. 高分子複合材料における高次構造および不均一構造と粘弾性
    1. 会合性高分子溶液の粘度挙動
      1. 会合による過渡的分子間結合
      2. 会合性高分子水溶液のダイラタント流動
      3. 微粒子分散系の粘度コントロールへの応用
    2. 結晶性高分子の粘弾性挙動
      1. 高分子鎖の結晶形態
      2. 結晶性高分子の粘弾性挙動
      3. 液晶高分子の構造と流動配向
    3. ゴムの粘弾性挙動
      1. ゴムの架橋構造と粘弾性
      2. 重合硬化反応とゲル化
      3. パーコレーションと臨界挙動
    4. 高分子ブレンドの粘弾性挙動
      1. 非相溶性高分子ブレンドの粘弾性挙動
      2. 高分子の相分離構造と粘弾性挙動
      3. ブロック共重合体の相分離構造と力学物性
    5. 微粒子-高分子複合系固体材料の粘弾性挙動
      1. 粘弾性挙動に及ぼす微粒子の充填効果
      2. 高分子複合材料の破壊挙動
      3. ナノ粒子分散高分子の粘弾性挙動
    6. 高分子レオロジーの三次元的特性と加工プロセス
      1. 伸長流動の幾何学と伸長粘度
      2. 高分子の紡糸性と分子量分布
      3. ジェットインクの糸引き性
      4. 高分子の紡糸性と分岐構造
      5. 弾性効果の三次元性
      6. 法線応力と精密成形
    7. 生物由来高分子の興味深い粘弾性挙動
      1. 絹の紡糸と結晶化
      2. ゼラチンの非線形粘弾性
  4. 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 34,400円 (税別) / 37,840円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信対応セミナー / アーカイブ配信対応セミナー

ライブ配信またはアーカイブ配信セミナーのいずれかをご選択いただけます。

ライブ配信セミナーをご希望の場合

  • 「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

アーカイブ配信セミナーをご希望の場合

  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
  • 視聴期間は2025年6月9日〜20日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/5/13 高分子の構造解析手法と構造制御技術 オンライン
2025/5/13 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2025/5/14 プラスチック、フィルムにおける応力/ひずみ発生のメカニズムとその評価、応用 オンライン
2025/5/14 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2025/5/14 ポリマーアロイの基本、構造・物性および新規ポリマーアロイの材料設計の必須 & 実践知識 オンライン
2025/5/14 プラスチックリサイクル技術の現状・課題・最新動向 オンライン
2025/5/15 ゴム材料における摩擦・摩耗現象の理解と制御・対処に必要な基礎知識 オンライン
2025/5/15 ポリウレタンの物性制御と分析、応用 オンライン
2025/5/15 樹脂の硬化反応におけるレオロジー解析 オンライン
2025/5/16 樹脂中へのフィラーの分散・配向制御とその応用 オンライン
2025/5/16 ゴム加硫系配合剤の基礎知識と調整のポイント オンライン
2025/5/16 DXとGXを支える次世代半導体実装用樹脂・基板材料の開発と技術動向 オンライン
2025/5/16 固体の熱膨張の基礎から負熱膨張材料/複合化による熱膨張制御技術 オンライン
2025/5/19 ブリードアウトの発生メカニズムと制御、測定法 オンライン
2025/5/20 次世代バイオプラスチックの開発最前線 オンライン
2025/5/20 高分子材料における難燃化技術と難燃性評価、難燃剤の配合設計・規制動向と実際技術 オンライン
2025/5/20 二軸押出機による混練技術とプロセス最適化 オンライン
2025/5/20 ビトリマー (結合交換性架橋樹脂) の基礎、分子設計と応用展開 オンライン
2025/5/20 プラスチックリサイクル技術の現状・課題・最新動向 オンライン
2025/5/21 射出成形金型・樹脂製品設計の基礎および不良対策 オンライン

関連する出版物

発行年月
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用
2017/2/27 プラスチックの破損・破壊メカニズムと耐衝撃性向上技術
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2013/9/2 機能性エラストマー市場の徹底分析
2013/7/25 正しい分散剤の選定・使用方法と、分散体の塗布性を上げる添加剤技術
2013/6/26 UV・EB硬化型コート材の基礎、各種機能向上技術
2013/6/24 車載用主機モータの絶縁技術
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書
2013/4/5 高分子の延伸による構造と配向の発現およびそれらの制御法を利用した材料開発
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/20 導電・絶縁材料の電気および熱伝導特性制御