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セラミックス材料を扱うための実践的な総合知識

セラミックス材料を扱うための実践的な総合知識

~積層セラミック電子部品の開発のために~
オンライン 開催

視聴期間は2025年5月9日〜22日を予定しております。
お申し込みは2025年5月9日まで承ります。

概要

本セミナーでは、セラミックス材料を扱うに際して、特に積層セラミック電子部品の開発に必要なセラミックスの基礎知識から重要な工程のプロセス技術まで、セラミックス材料の総合的な知識を提供いたします。

開催日

  • 2025年5月9日(金) 13時00分 2025年5月22日(木) 16時30分

受講対象者

  • 積層セラミック電子部品に使用される材料の研究開発、生産・製造、品質管理、故障解析に係わる技術者
    • セラミックス材料
    • 電極材料
    • バインダーなど有機材料 など

修得知識

  • セラミックスに関する基礎知識
    • 相図
    • 焼結
    • 金属の酸化
    • 酸化物の還元
    • 酸化還元の熱力学
    • 格子欠陥制御
    • 粒成長
  • 積層セラミック製造プロセスの基礎知識
    • スラリー組成設計
    • 分散性
    • スラリーの乾燥
    • 内部電極の組成
    • 金属粉末性状
    • 内部電極形成
    • 焼結性
    • 積層工程
    • 焼成雰囲気制御
  • セラミックスラリーの作成・焼成工程等のノウハウ

プログラム

 スマートフォンなどの小型電子機器から、自動車のEV化、自動運転化、また、5G、IoTの進展に伴い、生活のあらゆる分野で、積層セラミックコンデンサ (MLCC) に代表される積層セラミック電子部品はその需要の大幅な増大が見込まれています。さらに最近ではAIサーバ – やAIエッジデバイスの需要拡大も加わり、今後もさらなる需要増大が期待されています。積層セラミック電子部品の小型化、高性能化は用いるセラミックス材料の材料設計、製造プロセスに負うところが大きく、また、スラリーの分散、シート成形、焼成工程などセラミックス製造プロセス技術の高度化によるところも大きいのですが、ノウハウの世界が多く、開発の中で躓いてしまう、教科書では学べない世界でもあります。
 本セミナーでは、積層セラミック電子部品の生産や開発に直接に携わる技術者、研究者の方、およびセラミック材料、電極材料、有機バインダー材料、有機溶剤など積層セラミック電子部品に関係する素材の技術者、研究者の方にMLCCの製造プロセス技術を例に、セラミック製造に必要な要素技術、積層セラミック製造プロセス技術を概説します。まずは、電子セラミックスの設計として、相図、粒成長などセラミックスの焼結性、粒界の役割を説明し、次に積層セラミック製造プロセス技術として、セラミックスラリーの組成設計から、内部電極ペースト、電極印刷、積層、脱バインダー/焼成工程など、最近の技術動向を踏まえて、製造プロセス上のポイントを学習できるようにしています。
 以上、積層セラミック電子部品の開発に必要な材料の基礎知識から重要な積層セラミック製造工程まで、トータルな視点で理解することで、個々の担当技術課題が明らかになると考えています。このセミナーで全体像を理解して頂き、積層セラミック電子部品に直接ないし間接的に係わる技術者の日々の技術的な課題に対して、ご参考になれば幸甚です。

  1. 前半部
    • 積層セラミック電子部品に用いられる酸化物セラミックスでは、原料粉末から焼結体になる過程での、焼結性、粒成長、粒界の影響が大きく、積層セラミック電子部品の電気特性を左右します。MLCCを例に取り、積層電子セラミックの製造プロセスの中で、セラミックスの本質である焼結性、焼結体の構造に関して、
      説明していきます。
      1. 積層セラミックス電子部品の概要
        • 電子セラミックスの種類
        • 組成
        • 外部電極
        • チップ形状変遷
        • 原料の微細化
      2. セラミックスの基礎知識
        • セラミックスの微構造
        • 結晶構造
        • 粒界構造
        • 単位格子
        • セラミックスの焼結現象
        • 粒成長
        • 物質移動
        • 相平衡と状態図
        • 全率固溶系
        • 共晶系
        • 包晶系
        • 焼結助材
        • 液相生成
      3. セラミックスの焼結時の粒成長とその影響 (MLCC用BaTiO3を例に)
        • 粒成長
        • 粉末X線回折
        • 不均一歪み
        • 誘電特性への影響
        • 粒界エッチング
      4. 粒成長が見られないコアシェル構造のセラミックス (MLCCを例に)
        • コアシェル構造
        • 誘電体原料製造
        • 添加成分の分散
        • 粒界拡散
      5. 粒成長する電子セラミックス
        • シフター
        • インヒビター
        • 粒径分布
        • 残留応力
        • 降温時の粒成長
        • 熱間弾性率
      6. 粒界の役割
        • 対応粒界
        • 格子静力学シミュレーション
        • 酸素空孔の安定性
        • 酸素の拡散
        • 異種元素の偏析
        • 長期信頼性
      7. 脱バインダーと焼成プロセス
        • 焼成プロフィール
        • 金属の酸化
        • 酸化物の還元
        • 平衡酸素分圧
        • 酸素分圧制御
        • 残留炭素
        • 酸素空孔生成
        • アニール処理
        • ネック成長
        • 高速焼成
  2. 後半部
    • 積層セラミック電子部品を製造する際に、製品の品質、および長期信頼性に影響する主な製造プロセスでの技術ポイントを示し、技術課題や対応策を概説します。
      1. 積層セラミック電子部品の製造プロセス概要
        • 積層コンデンサ (MLCC)
        • 積層インダクタ
        • 積層圧電体
      2. スラリーの分散
        • 分散方法
        • ボールミル
        • 回転速度
        • ビーズミル
        • ビーズ径
        • 周速
        • スラリーの分散性評価
        • 沈降体積
        • 比表面積と粒径
        • 粒度分布
        • 測定
        • メディアン径
        • 個数基準
        • 体積基準
      3. シート成形
        • 乾燥ゾーン
        • 恒率乾燥
        • ベナードセル
        • シート表面粗さ
        • 添加物の分散性
        • 信頼性の影響
      4. スラリー組成
        • 可塑剤
        • 分散剤
        • 顔料容積比 (PVC)
        • 吸着バインダー
        • フリーなバインダー
        • CPVC
        • シート強度
        • 凝集構造
        • チクソトロピー
      5. 剥離・積層
        • 面剥離
        • 線剥離
        • 温間等方プレス (WIP)
      6. 内部電極ペーストの設計 (MLCCのNi電極を例に)
        • 内部電極の薄層化
        • 焼結性
        • 収縮
        • カバレッジ
        • 微粒Ni粉 CVD法
        • 液相法
        • Niペースト組成
        • 内部電極印刷
        • 塗布形状
        • シートアタック
        • ネガパターン印刷
        • 内部電極収縮
        • 共材の効果
        • 表面コーティング
      7. 外部電極形成
        • バレル研磨
        • 焼成前バレル
        • 焼成後バレル
        • 塗布方法
        • 浸漬法
        • 外部電極の構成
      8. 積層セラミック電子部品の故障要因
        • ボイド
        • 剥離
        • クラック
        • マイグレーション
        • 耐湿不良
        • Snウイスカー
        • 故障解析手順
        • 不良解析例
        • 電界集中
  3. 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 34,400円 (税別) / 37,840円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 34,400円(税別) / 37,840円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

アーカイブ配信セミナー

  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 別途、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
  • 視聴期間は2025年5月9日〜22日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は印刷・送付いたします。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。

関連する出版物

発行年月
2024/10/31 2025年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2024/2/29 セラミックス・金属の焼成、焼結技術とプロセス開発
2023/8/4 2024年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
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2022/6/17 2022年版 電子部品市場・技術の実態と将来展望
2021/12/10 2022年版 スマートデバイス市場の実態と将来展望
2021/10/15 2022年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2021/6/18 2021年版 電子部品・デバイス市場の実態と将来展望
2020/12/11 2021年版 スマートデバイス市場の実態と将来展望
2020/10/30 積層セラミックコンデンサ (MLCC) の材料・製造・実装技術と最新動向
2020/10/16 2021年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2020/7/17 2020年版 電子部品・デバイス市場の実態と将来展望
2019/10/18 2020年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2019/7/19 2019年版 電子部品・デバイス市場の実態と将来展望
2018/10/19 2019年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
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2014/9/20 電気二重層コンデンサ 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)