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皮膚表皮バリア形成と保湿のメカニズムおよび保湿化粧品開発のポイント

皮膚表皮バリア形成と保湿のメカニズムおよび保湿化粧品開発のポイント

~ケラチン繊維ネットワークと角層における保湿とは / 化粧品・皮膚外用剤の製剤設計に焦点をあて解説~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、化粧品及び皮膚外用剤の製剤設計に焦点をあて、ケラチン繊維ネットワークと角層における保湿、保湿化粧品開発のポイントについて解説いたします。

開催日

  • 2024年7月29日(月) 12時30分 16時40分

プログラム

第1部 皮膚表皮バリア形成と保湿のメカニズム

 私達の皮膚は表皮、真皮、皮下組織から構成される。最も外側に位置する表皮は角化型の重層扁平上皮組織であり、体の外側を覆って個体と外界 (気相環境) の境界を作りつつ、生存の為に必須のバリアの役割を果している。表皮は、基底層 (Stratum basale) 、有棘層 (Stratum spinosum) 、顆粒 (Stratum granulosum) 、角質層 (角層) (Stratum corneum) の主に4種類の細胞層によって構成される。顆粒層では、適切な時期に細胞死を自発的に起こすことにより、形成された死細胞体 (角質細胞) が機能的な気相 – 液相境界バリアである角層を形成する。このとき、角層形成 (角化) 特有の様々な現象が起きる。その一つが、死んだ角質細胞内に形成される、高密度のケラチン繊維ネットワークである。これにより、角質細胞に強度を与えると共に、そのネットワーク内に水分子を保持し角層の保湿を制御している。
 本セミナーでは、これら角化において起こる現象とケラチン繊維ネットワークと角層における保湿との関連性を御紹介する。

  1. はじめに
  2. 重層扁平上皮としての皮膚表皮
    1. 上皮組織の分類
    2. 進化と重層扁平上皮組織
    3. 重層扁平上皮組織の構造
  3. 角層バリアの形成メカニズム (角化で起こること)
    1. 細胞死、コルネオトーシス
    2. 細胞小器官分解
    3. ケラトヒアリン顆粒消失
    4. 高密度ケラチンネットワーク形成
    5. コーニファイドエンベロープ形成
    6. 角層間脂質形成
  4. 角層内ケラチン繊維ネットワーク形成の制御
    1. ケラチン繊維ネットワークを制御するフィラグリン
    2. フィラグリンを制御するSASPaseと角層の保湿
  5. 角層内の水分子と保湿
    1. テラヘルツ波による角層バリア形成時における水分子動態
  6. おわりに

第2部 保湿化粧品開発のポイント

〜モイスチャーバランスを整えるための製剤的アプローチ〜

 スキンケア化粧品は、角層の水分保持機能をベースにして、肌状態に応じて、天然保湿因子および必要な美容成分を補い、外的、内的な原因で生じる乾燥から皮膚を守る機能を有する製品である。その剤形は多岐にわたるが、基本的な設計方針は、角層を構成する水分、油分、脂質のバランスを補うことにあり、乾燥肌、脂性肌などに応じた様々な製品が生まれている。
 本セミナーでは、そのような角層の保湿メカニズムの基づいた、化粧品及び皮膚外用剤の製剤設計に焦点をあて、化粧品の基礎知識から、様々な剤形のスキンケア製品を紹介し、皮膚のモイスチャーバランスを整える上で、それぞれが如何なる機能を発揮しているか、その重要性について述べる。

  1. 化粧品概論
    1. 化粧品の定義
    2. 薬機法と法的規制
    3. 化粧品の種類と特徴
  2. 角層の保湿メカニズムと製剤設計の考え方
    1. 角層を構成する成分とその役割
    2. 保湿機能とバリア機能
    3. 肌荒れ、ドライスキンとその対策
    4. モイスチャーバランスを制御する因子
      1. 天然保湿因子
      2. 細胞間脂質
    5. ヒューメクタントとエモリエント
  3. スキンケア化粧品の種類と処方設計
    1. 主な原料とその役割
    2. 皮膚洗浄料
    3. 化粧水
    4. 乳液・クリーム
    5. パック・マスク
    6. 美容液・エッセンス
    7. その他
  4. スキンケア化粧品のための乳化分散技術
    1. スキンケア化粧品の基本処方
    2. 水・油分・保湿剤のバランス調整
    3. 既存の乳化法と乳化原理
    4. 乳化と皮膚
  5. 化粧品・皮膚外用剤の特徴と乳化・分散・溶解の意義
  6. まとめ

主催

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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

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本セミナーは終了いたしました。

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