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CO2からのポリウレタン、その原料の合成

CO2からのポリウレタン、その原料の合成

~ポリオール、イソシアネートの合成 / 高効率変換に向けた触媒設計~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、二酸化炭素の資源化に向けた触媒反応、触媒開発と活用事例を解説いたします。

開催日

  • 2023年5月31日(水) 10時00分 16時15分

修得知識

  • 固体触媒を用いた二酸化炭素とアルコールからのカーボネート合成の基礎
  • 常圧二酸化炭素からのポリカーボネートジオールの合成
  • 窒素分子活性化の現状
  • 分子錯体触媒を用いた窒素分子からのアンモニア合成
  • 多核ヒドリド錯体の特異な反応性
  • 含窒素有機化合物の合成

プログラム

第1部 酸化セリウム触媒を用いた二酸化炭素とジオールからのポリカーボネートジオールの合成

(2023年5月31日 10:00〜12:00)

 二酸化炭素とアルコールの反応は、生成物の平衡収率が低いため、副生するH2Oを除去して平衡を生成物へシフトさせる方法が重要である。

  • CO2変換技術と本研究のターゲット
  • 酸化セリウムの物性と触媒利用:酸・塩基両機能性
  • CO2とアルコールの反応によるカーボネート合成:熱力学
  • CO2とアルコールの反応に有効な酸化セリウム触媒
  • CO2とCH3OHからの炭酸ジメチル合成反応:脱水剤添加による平衡シフト
  • 酸化セリウム触媒+ニトリル脱水剤系の応用:二酸化炭素とジオールからのポリカーボネート合成
  • 脱水剤を用いない常圧二酸化炭素とジオールからのポリカーボネート合成
  • 質疑応答

第2部 チタンヒドリド錯体を用いた窒素分子の活性化とその利活用

(2023年5月31日 13:00〜14:30)

 工業的な窒素分子利用法、そして分子錯体触媒を用いた温和な条件下での窒素分子活性化、および窒素分子からのアンモニア合成について述べる。また、講演者らが進めているヒドリド錯体を用いた窒素分子の活性化について解説する。さらに、最近の展開として、窒素分子からの直接的な含窒素有機化合物の合成について紹介し、今後の課題・展望について示す。

  1. 窒素分子の活性化
    1. 窒素の重要性
    2. これまでの窒素肥料資源
    3. 窒素分子からの人工窒素固定
    4. ハーバーボッシュ法、ニトロゲナーゼによる窒素固定
  2. 分子性錯体による窒素分子の活性化
    1. これまでの分子性錯体を用いた窒素分子の活性化
    2. 分子性錯体を用いた窒素分子の切断、官能基化
    3. 典型元素を用いた窒素分子の活性化
    4. 還元剤、プロトン源を用いた触媒的アンモニア合成
  3. ヒドリド錯体について
    1. ヒドリド錯体とは
    2. ヒドリド錯体の性質、反応性
    3. 多核希土類ヒドリド錯体の化学
    4. 希土類から4族遷移金属ヒドリド錯体研究へ
  4. チタンヒドリド錯体による窒素分子・芳香族化合物の活性化
    1. チタンヒドリド錯体による窒素分子の還元、切断、水素化
    2. ベンゼンの炭素 – 炭素結合切断と骨格変換
    3. ピリジンの脱硝反応
  5. 窒素分子の活性化と官能基化
    1. 窒素分子から含窒素有機化合物変換への戦略
    2. 窒素分子からニトリル合成
    3. 窒素分子と二酸化炭素を用いたイソシアネート合成
    4. 今後の課題・展望
    • 質疑応答

第3部 脂肪族ポリウレタン合成を指向したCO2変換法と触媒設計

(2023年5月31日 14:45〜16:15)

 CO2を再生可能な資源として活用する化学合成は、不活性小分子の変換に焦点を当てた基礎研究から既存のプロセスを代替する実用技術の開発に至るまで、さまざまなアプローチが検討されている。
 本講座ではウレタン合成への取り組みを通じて、反応設計の事例を紹介するとともに、CO2由来の新物質・新材料による市場開拓を視野に入れたわれわれの研究経緯を概述する。

  1. イントロダクション:CO2を用いるウレタン合成の有意性
    1. 汎用ウレタンの合成と環境調和性
    2. CO2由来のウレタン合成法
  2. 超臨界CO2を利用するポリウレタン合成
    1. 超臨界CO2の特徴
    2. 超臨界CO2の中におけるカルバミン酸生成
    3. 超臨界CO2を用いるアジリジン類との共重合による脂肪族ポリウレタン合成
    4. CO2由来の脂肪族ポリウレタン共重合体の機能
  3. 超臨界CO2を利用する選択的ウレタン合成
    1. 超臨界CO2に可溶な金属錯体
    2. 超臨界CO2とアミン、末端アルキンとの触媒的三成分カップリング反応
    3. 超臨界CO2を用いるプロパルギルアミンの環化カルボキシル化反応
  4. 高効率ウレタン合成を可能にする触媒設計
    1. 金触媒によるプロパルギルアミンの環化カルボキシル化反応
    2. 環化カルボキシル化反応の触媒メカニズム
    3. 銀触媒を用いるアミノメチルアレンの環化カルボキシル化反応
    4. 有機触媒によるN – 置換アジリジンの付加環化反応
  5. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 冨重 圭一
    東北大学 大学院工学研究科 応用化学専攻
    教授
  • 島 隆則
    国立研究開発法人 理化学研究所 開拓研究本部 侯有機金属化学研究室
    専任研究員
  • 榧木 啓人
    東京工業大学 物質理工学院
    助教

主催

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  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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本セミナーは終了いたしました。

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