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生分解性プラスチックの正しい素材選択と材料設計による高性能・高機能化

生分解性プラスチックの正しい素材選択と材料設計による高性能・高機能化

~なぜポリ乳酸が選択されるのか?~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、生分解性プラスチックの中でポリ乳酸を取り上げ、その学術的・技術的基礎から解説し、ポリ乳酸の高性能・高機能化技術と製品・市場開発の最前線について詳解いたします。

開催日

  • 2023年5月19日(金) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • 生分解性プラスチックの基礎から最先端技術の取得を目指す初級~中級技術者
  • 最新の法規制動向や用途・製品・市場開発動向を知りたい開発営業者

修得知識

  • 21世紀の地球環境保全と持続可能な資源循環型社会に向けての国内外動向
  • ポリ乳酸の生分解機構と分解/耐久性制御技術並びに抗菌・防カビ性発現機序
  • ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計技術、成形加工と最新製品・市場開発動向

プログラム

 今から40年以上前の1980年頃から始まった生分解性プラスチック開発研究の歴史において、当時世界的に一世を風靡したのは英国最大の化学会社ICI社の微生物産生ポリエステルBiopol®であった。しかるに、その後ICI社は事業撤退し、その後それを引き継いだ米国の大手化学会社をはじめとする多くの企業が微生物産生ポリエステル事業への参入と撤退を繰り返し、未だ継続中の企業の生産規模はわずか1千トン/年のレベルである。
 それに対して、21世紀初頭の初めての商業生産から未だ20年のポリ乳酸の世界的な新設・増産計画が近年相次いでいる (2024年には約50万トン/年) 。では、数ある生分解性プラスチックの中で、なぜポリ乳酸が選択されるのか?
 生分解性プラに係る事業開発において、素材選択の過ちは単なる経営資源の損失にとどまらず企業存亡の致命傷ともなり得る。本講では既存石油系プラを真に代替し得る正しい素材選択と材料設計技術につき、その学術的・技術的基礎を明らかにするために、ポリ乳酸の特異的な生分解機構と分解/耐久性制御技術、抗菌・防カビ性発現機序や高性能・高機能化材料設計技術/製品開発に関して、その最前線を踏査する。1980年代後半より今日までの約35年間、産学両分野においてポリ乳酸の基礎・応用研究から技術・事業開発までを世界に先駆け成し遂げた世界的第一人者による覚醒のセミナーである。

  1. 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
    1. 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
      1. 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と生分解性プラスチックの役割
      2. 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
      3. 自然界が有する真のリサイクルシステムである物質循環 (炭素循環) へのリンク
    2. ライフサイクルアセスメント (LCA) による環境負荷の客観的・定量的評価
    3. 世界の法規制と業界動向
  2. 生分解性プラスチックの分類、基本特性と最新動向
    1. 学術・技術用語の正しい理解
      1. バイオプラスチックとバイオマスプラスチックの違いとは?
      2. 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度 (2021年9月改定)
  3. 生分解性プラ
  4. 生分解性バイオマスプラ
  5. バイオマスプラ
    1. 生分解性バイオマスプラの原料ソース/食料から非可食バイオマス資源への転換 … コーン (デンプン) ではなく木材パルプ (セルロース) からポリ乳酸を!
    2. 代表的な生分解性プラスチックの分類と特徴
      1. 硬質タイプ … ポリ乳酸 (PLA) :Tg/Tm=57°C/175°C
      2. 軟質タイプ
  6. ポリブチレンアジペート・テレフタレート (PBAT) :Tg/Tm= -35°C/115°C
  7. ポリブチレンサクシネート系 (PBS, PBSA) Tg/Tm= -47〜-35°C/84〜115°C
    1. 微生物産生ポリエステル系 (PHBV, PHBH) 、デンプン系など
    1. 生分解機構の分類と特徴
      1. 酵素分解型 … 微生物が分解酵素を分泌し材料表面から分解 (surface erosion)
      2. 非酵素分解型 … 加水分解により全体的に崩壊・分解 (bulk degradation)
  8. ポリ乳酸の生分解機構と分解 (開始・速度) /耐久性制御技術
    1. 生分解機構 … 非酵素分解 (加水分解) 型
    2. 分解開始制御機構
      1. 2段階2様式の特異的な生分解機構 … 生分解性と耐久性の両立
        • 第一ステップ … 化学的加水分解による分子量低下 (強度低下) と形状崩壊
        • 第二ステップ … 1で生成した水溶性乳酸を微生物が資化・代謝 (生分解)
      2. Tg:58°C≒生ごみ堆肥化温度 … 分解開始トリガー (自動スイッチオン機構) 内包
    3. 分解速度/耐久性制御技術
      1. タイプS (残留ラクチド:多) … 分解速度速い/製品寿命短い
      2. タイプM (残留ラクチド:少) … 中程度
      3. タイプL (COOH 末端基封鎖) … 分解速度遅い/製品寿命長い
    4. 様々な使用環境下における (非) 分解挙動
    5. ポリ乳酸の再資源化 (リサイクル)
      1. マテリアルリサイクル … 配膳トレーからプランターへ (2005年 愛地球博)
      2. ケミカルリサイクル … 熱分解による原料ラクチドへの還元
      3. バイオリサイクル
  9. 堆肥化/好気性下 … 肥料、土壌改良剤
  10. バイオガス (CH4) 化/嫌気性下 … ボイラー、生ごみ発電*ポリ乳酸は使い捨てから長期耐久性構造材料までの製品寿命 (奉仕期間) を確保!
  11. ポリ乳酸の安全性、食品衛生性と抗菌・防カビ性
    1. 安全性
    2. 食品衛生性 … 食品衛生法/厚生省告示370号、ポリ衛恊PL、その他
    3. 抗菌・防カビ性
      1. ネズミ食害試験
      2. プラスチックのカビ抵抗性試験 … JIS Z-2911
      3. 生鮮イチゴ収納容器のカビ抵抗性試験
      4. 繊維の抗菌・防カビ性試験 … 繊維製品新機能評価協議会・抗菌防臭加工基準
      5. 消費者から寄せられた声
      6. ポリ乳酸の特異的な生分解機構と抗菌・防カビ性の発現機構
      7. 消費者から届けられた声
  12. ボディタオル … 長期間使用しても従来品のように嫌な臭いや着色がなく清潔
  13. 炊事場の水切りネット … ヌメリ (バイオフィルム) 形成による目詰まりがない
    • 微生物産生ポリエステルやデンプン系には真黒なカビが一面に生えるのに対し、ポリ乳酸は生分解性でありながら卓越した抗菌・防カビ性を発現!
  14. ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計技術と製品・市場開発動向
    1. 第二世代ポリ乳酸 … 高L組成ポリ乳酸 (High %L PLA)
    2. 耐衝撃性
      1. 添加剤の選択・配合設計と作用機序
      2. 耐衝撃性の現状到達レベル
        • 電気・電子機器筐体、部品 … 9.6kJ/cm2 (シャルピー衝撃強度)
        • シート成形品 … 落球法 (100gの重りを50cmの高さから)
    3. 耐熱性
      1. 結晶性高分子の耐熱性支配因子 … 成形加工工程での結晶化速度
        • 主剤 … 高L組成ポリ乳酸 (High %L PLA)
        • 添加剤 … 造核剤 (分散型、溶解型) 、結晶化促進剤、マルチ機能改質剤
      2. 耐熱性、透明耐熱性の現状到達レベル
        • 電気・電子機器筐体、部品 … 150°C/低荷重下 (0.45MPa)
        • 食品容器 … 95〜100°C/熱湯注入、120〜130°C X 5分/電子レンジ加熱可能
        • 透明耐熱性 (ヘイズ<5%) … 130°C
    4. 寸法安定性
      1. フィルムや繊維・不織布の後加工工程での熱収縮率低減
      2. 射出成形品などの経時変化 (収縮、そり) 防止
    5. 成形加工 … 繊維・不織布、フィルム、真空成形、射出成形、発泡成形他
    6. 用途・製品・市場開発動向<多数の製品写真で説明>
      1. 自然環境下で使用する農林・園芸・土木・水産資材
      2. 短期間 (〜1年) 使用の使い捨て食品容器・包装材、食器具、生活・衛生資材
      3. 中期間 (3〜5年) 使用の衣料、生活雑貨、産業資材
      4. 長期間 (5〜10年以上) 使用の電気・電子機器筐体・部品、リターナブル食器、自動車内装部品、産業資材、3Dプリンター用フィラメント
  15. 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 22,000円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

シーエムシーリサーチからの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、2名様以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、1名様あたり半額の 20,000円(税別) / 22,000円(税込)となります。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

アカデミック割引

  • 1名様あたり 24,000円(税別) / 26,400円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
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  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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