技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

データインテグリティ

データインテグリティ

~紙媒体/電子記録:記録 (データ) や 文書の信頼性をどのように担保すべきか~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。
また、データインテグリティSOPのサンプルを配布し、データインテグリティSOPの作成方法を説明いたします。

開催日

  • 2022年9月21日(水) 10時00分 16時00分

修得知識

  • データインテグリティの基礎
  • 改正GMP省令におけるデータインテグリティに関する手順書の作成
  • データインテグリティが重要視されるようになった理由
  • PIC/SやFDAが要求するデータインテグリティの要件
  • 規制当局はデータの不正をどのように見破るのか
  • データインテグリティに関する手順書の作成方法
  • データインテグリティ手順書のサンプル

プログラム

 製薬業界においては、患者の安全性を確保するためにデータインテグリティに関心が高まっています。紙媒体であれ、電子記録であれ、記録 (データ) や文書の信頼性を担保することは極めて重要です。改正GMP省令では、データインテグリティに関する手順書の整備が求められます。いったいどんな手順書を作成すれば良いのでしょうか。データインテグリティに関する手順書は、企業や組織で1冊作成すれば良いというものではありません。現存の関連するすべての手順書にデータインテグリティを保証するための手順を埋め込んでいかなければなりません。
 インテグリティ (integrity) を辞書で引くと「誠実」という意味であることが分かります。では、データが誠実ということは何を意味するのでしょうか。その答えは、規制当局にとってデータが信用できるということです。そのためには、データは作成されてから現在までの経緯 (例:変更) がわかるようにしておかなければなりません。つまり紙媒体であれ、電子記録であれ監査証跡が必要です。監査証跡が必要ということは、データが生データだけではなく、メタデータも含めて完全でなければならないということです。したがって、データインテグリティは、「データの完全性」と訳されます。
 ではいったい、データの完全性を担保するためには、どのような事項に留意するべきなのでしょうか。またデータインテグリティが失われた場合、何が問題になるのでしょうか。
 昨今の製薬企業では、記録を手書きにより作成することは非常に少なくなりました。多くの場合、記録は電子で作成されます。記録の保管については電子記録を紙媒体に印刷したものに手書き署名(記名・捺印)をするといったハイブリッドな使用方法が多くを占めます。しかしながら、ハイブリッドシステムでは不正が容易になってしまいます。つまり電子記録を改ざんした後に再印刷し、バックデートで署名するといった手口です。
 電子記録と紙媒体の管理はどのように行うべきでしょうか。一方において、FDAは1997年に21 CFR Part11を発行し、電子記録の信頼性に関する要求事項を明らかにしました。しかしながら、その要件には実現が困難なものも多くありました。特に問題となったのは、コンプライアンスコストです。規制当局は、患者の安全性を担保するために規制要件を強化する必要がありますが、規制要件を強化しすぎるとコンプライアンスコストを高める結果となってしまいます。製薬企業が負ったコンプライアンスコストは薬価に転嫁され、結果的には患者負担となってしまいます。すなわち、いたずらにコンプライアンスコストを高めてしまうことは、逆に患者に負担を強いる結果となってしまうのです。
 そこでFDAは、2003年に新しい医薬品監視指導方針として「リスクベースドアプローチ」という方法を発表しました。FDAの最新のPart11の期待と指導はどのようになっているのでしょうか。またFDAの査察官は、どのように電子記録の不正を見破るのでしょうか。
 2015年には、イギリスのMHRAが「MHRA Data Integrity Definitions and Expectations」と呼ばれるガイダンスを発行しました。その内容は非常に参考になります。今後は世界の規制当局が同じようにデータインテグリティに関する期待を述べる機会が増えると思われます。
 本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。またデータインテグリティSOPのサンプルを配布し、データインテグリティSOPの作成方法を説明いたします。

  1. データインテグリティ入門
    • なぜデータインテグリティか?
    • データインテグリティが損なわれると何が問題か
    • 生データとは
    • 生データの管理方法とデータインテグリティ
    • 紙媒体の管理方法
    • 生データの監査方法と留意事項
    • 紙記録と電子記録の相違点と留意事項
    • データと文書の管理方法の相違点と留意事項
  2. 電子記録のデータインテグリティ
    • 電子化におけるリスクとは
    • 電子生データとは
    • ALCOAとは
    • 電子記録の管理方法
    • ハイブリッドシステム (電子記録+手書き署名) の問題点
    • 電子記録は絶対に削除してはならない
    • Excelで電子記録を保管する際の留意点
    • Part11の経緯と動向
    • Part11の問題点とFDAの最新の期待と指導について
    • 現在のPart11査察の実施方法
    • コンピュータバリデーション (CSV) はどこまで必要か
  3. FDAのデータインテグリティに関する懸念事項
    • 日本の当局と欧米の当局の査察方法の違いについて
    • FDAの査察官はどのようにしてデータの不正をチェックするのか
    • 規制当局が査察を効率化するための方策とは
    • コンプライアンスコストとデータインテグリティ
    • リスクベースドアプローチとは
    • 品質システムアプローチとは
    • ICH – Q10とデータインテグリティ
  4. GMPとデータインテグリティ
    • 患者の安全性、データの完全性、製品の品質について
    • 出荷判定の重要性
    • QP (Qualified Person) とは
    • 製造記録とデータインテグリティ
    • 品質試験記録とデータインテグリティ
    • PIC/S GMP Chapter 4における文書の管理について
    • PIC/S GMP Annex 11にみるデータインテグリティ要求事項
    • PIC/S GMP Annex 15にみるデータインテグリティ要求事項
  5. GCPとデータインテグリティ
    • 臨床試験におけるデータインテグリティについて
    • 臨床試験における症例データの管理と留意点
    • 申請文書 (eCTD) の信頼性保証について
    • ER/ES指針について
  6. MHRA Data Integrity Definitions and Expectations解説
    • MHRA Data Integrity Definitions and Expectationsとは
    • Data Governanceとは
    • Original record / true copyとは
    • コンピュータシステム導入の留意点
  7. データインテグリティSOPサンプル解説
    • 質疑応答

講師

  • 村山 浩一
    株式会社 イーコンプライアンス
    代表取締役

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

手順書サンプルに関する注意事項

セミナーで配布する手順書はあくまでも講義内容を補うためのものです。
またすべての必ずしも関連するすべての手順書・様式を配布することをお約束するものではありません。
万が一、記載内容等に間違いがあっても当社は一切責任を負いません。
配布した手順書を自社で発行される場合は、自己責任でお願いします。
正式に発行される場合は、正式版をご購入いただくことを推奨いたします。
正規版ご購入の場合、1年間の無料更新をご提供します。
修正や規制要件の改正などに対応し改訂いたします。
手順書の内容等に関してご質問に回答いたします。
正式版のご購入は データインテグリティ規程・手順書 からお願いします。

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/21 Computer Software Assuranceセミナー オンライン
2025/2/25 PMDAから高評価が得られるメディカルライティング中級講座 オンライン
2025/2/26 簡便化、抜け防止の観点をふまえたGMP SOP/製造指図記録書の形式・作成 (改訂) ・記入方法 オンライン
2025/2/26 試験検査室管理におけるGMP対応の重点チェックポイント オンライン
2025/2/26 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Cコース:製造技術・品質管理/品質審査編) オンライン
2025/2/26 CSVの基本理解と現場での実用ノウハウおよびCSV実施判断 オンライン
2025/2/26 PIC/S GMP Annex I 改定セミナー オンライン
2025/2/26 滅菌バリデーションの具体的な計画書・記録書・報告書の作成セミナー (医薬品) オンライン
2025/2/27 改正GMP省令で求められているGMP文書・記録の作成・管理のポイント オンライン
2025/2/27 ヒューマンエラー・逸脱・GMP違反を防ぐSOP・製造指図記録書の作成とは? 教育訓練とは? GMP記録とは? オンライン
2025/2/27 製造設備のバリデーション実施項目・各段階の様式例と適合性調査にむけた文書作成管理 オンライン
2025/2/27 改正GMPを踏まえた医薬品品質システム (PQS) 構築と品質照査の実務・統計的手法の活用 オンライン
2025/2/27 「GMP監査マニュアル」の活用による効果的かつ効率的なGMP監査の実施と現場運用のポイント オンライン
2025/2/27 GMP違反とヒューマンエラーに対する教育訓練の考え方とQA視点による抑制・防止対策事例 オンライン
2025/2/27 改正GMP省令を踏まえたGMP適合性調査対応 効率的なGQP/GMP-QA連携とQA/QC業務範囲の明確化 オンライン
2025/2/27 GMP/GQP-QAが行うべき逸脱管理とCAPAの適切性の評価とチェックリストの活用 オンライン
2025/2/27 少人数体制にも対応したGMP-QA業務・監査のポイントセミナー (全5コース) オンライン
2025/2/27 バイオ医薬品における申請をふまえたCMCレギュレーション対応とCTD作成入門講座 オンライン
2025/2/27 日本特有の要求対応をふまえた海外導入品のCMC開発対応とCMC申請資料 (日本申請用) 作成 オンライン
2025/2/28 医薬品マーケティング・市場予測 オンライン

関連する出版物

発行年月
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/3/27 医薬品・食品包装の設計と規制・規格動向 - 品質・安全・使用性向上のために -
2013/2/27 リスクマネジメント・CAPA(是正措置・予防措置)導入手引書
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書
2013/2/1 患者情報の安全管理と法的にみた診療記録のあり方
2013/1/28 造粒・打錠プロセスにおけるトラブル対策とスケールアップの進め方
2012/3/29 治験中 / 市販後における3極安全性情報の収集・報告・評価実務と相違
2012/3/13 超入門 GMP基礎セミナー
2012/3/5 育毛剤・発毛剤 技術開発実態分析調査報告書
2012/2/16 システムの適格性確認および回顧的バリデーションの具体的実施方法
2012/2/14 LIMS導入に関する導入の留意点セミナー
2012/2/9 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応のための「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2012/1/20 24年度診療報酬改定におけるDPC評価の全貌
2011/12/22 光学活性医薬品開発とキラルプロセス化学技術
2011/12/14 QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー
2011/12/10 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書
2011/12/8 最新のCSV動向および21 Part 11も視野に入れたFDA査察対応方法
2011/11/7 eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」