技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

医薬品開発QMS構築のためのファーストステップ

医薬品開発QMS構築のためのファーストステップ

オンライン 開催

開催日

  • 2022年5月17日(火) 10時30分16時30分

修得知識

  • ISO9001による品質マネジメントの7つの原則
  • 出口管理からプロセスアプローチへのパラダイムシフト
  • リスクマネジメントとリスクベーストアプローチの違いの明確化
  • 医薬品開発QMSの考え方の本質的理解
  • 改正GCPのメッセージの本質的理解
  • GCP Renovationの意義の本質的理解

プログラム

 ICH-E6 (R2) では、臨床試験の品質を確保するために品質マネジメントシステム (QMS) の構築及び運用が要求されます。また、リスクベーストアプローチの概念が導入され、試験結果の信頼性に重大な影響を与えるリスクを、システム (体制) やスタディレベルで考慮することが求められことになります。
 ICH-GCPに新しく取り入れられることになったこれらの概念は、製品やサービスの品質マネジメントのグローバルスタンダード (国際標準) であるISO9001として、既に世界中に広く普及し、確立している考え方 (の一部) です。そして、日本の臨床試験 (治験・臨床研究) の現場、あるいは医薬品開発の現場でも、このようなグローバルスタンダードの品質マネジメントのあり方が求められるようになります。
 各局の対応の状況を見てみると、ICHが2016/11/9にICH-E6 (R2) を発出後、EMAが2017/6/14、やや遅れてFDAが2018/2/28、順次改訂ICH-GCPの運用を開始しています。
 これに対し日本では、EMAとのレギュレーションラグ2年以上の2019/7/5、J-GCPといわれる省令GCPの本文には手を加えず、GCPガイダンスその他の通知を利用した形での運用を開始させています。そして、それに対する業界の反応を見ると、「品質マネジメント」でも「リスクベーストアプローチ」でもなく、「リスクマネジメント」と「イシューマネジメント」を行うことが、さも新レギュレーション対応であるかのような動きがあります。
 改訂ICH-GCPのメッセージは、「efficiency=効率」です。そしてこの「効率」こそ、欧米と比較した場合の、日本の治験や医薬品開発の弱点であったはずです。したがって、われわれは、今般の改訂ICH-GCPを契機として、この「効率」改善に向けた取り組みを行わなければならないはずです。つまり、われわれがまず取り組むべきは、「リスクマネジメント」でも「イシューマネジメント」でもなく、「リスクベーストアプローチ」を基本方針とした「品質マネジメント」なのです。
 以上のような考え方を理解するには、ISO9001の知識が必須となります。そこで本講座では、まずISO9001の基本的な考え方を理解し、必要不可欠な基礎知識を習得します。その上で、改訂ICH-GCPが要求するQMS、リスクベーストアプローチ、プロセスアプローチ、Built in Quality等の概念を理解します。さらに、QMSを有効に運用しプロセス改善につなげていくための様々なアプローチを学びます。具体的には、QMSのツールとしてのSOPとはどういう意味なのか?PDCAが回っているシステムとはどういうものなのか?PDCAが回っていないシステムとはどういうものなのか?本当にノー検査・ノーQCで大丈夫なのか?等々の疑問を1つ1つ解決していきます。
 最終的には、医薬品開発QMSやGCPリノベーション (刷新) の意義を本質的に理解し、日本の治験や医薬品開発の「効率」改善につながるための品質マネジメントへ導くことを目標とします。

  1. Terminology
    1. 「Quality」について
    2. 「Management」について
    3. 「System」について
  2. ISO9001による品質マネジメント
    1. ISO9001って何?
    2. まず第一にやるべきこととは?
    3. そもそも品質って何の品質?
    4. 品質マネジメントの7つの原則
    5. 品質マネジメントの肝とは?
    6. 4つのパフォーマンスとは?
  3. ISO9001とICH-GCP
    1. ISO9001:2015とGCPのベクトル
    2. 改正GCPの真のメッセージとは?
    3. 品質マネジメント≠リスクマネジメント
    4. ICH-GCPの2本の柱
    5. 「新GCPショック!」
    6. 品質マネジメント≠リーガルマネジメント
    7. ISO9001とICH-GCPとISO31000
    8. ISO9001に基づくQMSへのパラダイムシフト
    9. プロセスアプローチとシステムアプローチ
    10. Quality by Designとは?
    11. 医薬品開発QMSとは?
    12. モニタリング≠オペレーション
  4. 医薬品開発QMSについて
    1. グローバルスタンダードのQM体制
    2. 臨床試験QMSの実装で何が変わる?
    3. Accountabilityとは?
    4. なぜ日本で品質不祥事のオンパレードが起きたのか?
    5. これまでのマインドセットではQMS対応はできない!
    6. 80%の法則とは?
    7. What is our ultimate goal?
  5. 医薬品開発QMSにおけるSOPマネジメント
    1. 日本にはムダなSOPが多過ぎる!
    2. QMSの重要なツールとしてのSOP
    3. 生産性向上につながるSOPの3つのSとは?
    4. そのSOPはいますぐ捨てよう!
    5. 避けるべき表現とは?
    6. GCP,ガイドライン等の規制はどこまで盛り込むべきか?
    7. 手順と手順書は違う!?
    8. SOPマネジメントシステムのあり方
    9. グローバルSOPとローカルSOP
    10. SOPで絶対にやってはいけないこととは?
  6. 医薬品開発QMSにおけるリスクアセスメント
    1. リスクマネジメントとリスクベーストアプローチはどう違う?
    2. リスクマネジメントやイシューマネジメント (CAPA) は品質マネジメントの本質ではない!
    3. ダメな是正処置とは?
    4. 「絶対安全」は存在しない!
    5. リスクアセスメントについて
    6. ここでも、まず第一にやるべきこととは?
  7. 品質マネジメントの観点からのオーバーサイト (Oversight)
    1. ISOを知らないCROマネジメント
    2. ISOを知らない治験チームマネジメント
      (プロセス改善につなげる様々なアプローチ)
    • 質疑応答

 本講座は、これまでにISO9001を学んだことがない方でも理解が出来るように構成しておりますが、本講座をより有効に活用されるため、以下の規格書を事前にご一読され、また当日ご持参し適宜ご参照されることをお勧めします。
対訳ISO9001:2015 (JIS Q 9001:2015) 品質マネジメントの国際規格」 (日本規格協会)

講師

  • 新見 智広
    オフィスアンテレ薬剤師行政書士事務所
    代表

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/7/30 GMP超入門講座 オンライン
2025/7/30 開発・薬事担当者のためのeCTD v4.0適応にむけた重要ポイントと見直し事項 オンライン
2025/7/30 国内外の査察対応にむけた製造設備の適格性評価及びメンテナンスに関する文書化対策 オンライン
2025/7/30 ドロップアウト防止にむけたAIによるリスク回避・評価と意思決定にむけたデータ補完 オンライン
2025/7/30 抗体薬物複合体 (ADC) におけるペイロードの生体膜透過メカニズムと細胞内動態評価 オンライン
2025/7/31 薬事申請をふまえたICH Q5A (R2) ウイルス安全性評価 / 次世代シーケンシング (NGS) 導入の考え方とVirus Filtrationのポイント オンライン
2025/7/31 開発担当者が習得すべきクリティカルシンキングの習得とチェックリストからの脱却 会場・オンライン
2025/7/31 医薬品製造におけるバリデーションの進め方とシステム対応及びグローバル対応手法 オンライン
2025/7/31 日本特有の要求対応をふまえた海外導入品のCMC開発対応とCMC申請資料 (日本申請用) 作成 オンライン
2025/8/1 改訂 PIC/S GMP Annex 1のCCS戦略を導入したバイオ医薬品の適格性評価に基づく品質管理のポイント 東京都 オンライン
2025/8/1 生産現場の統計学入門 オンライン
2025/8/1 医薬品製造におけるバリデーションの進め方とシステム対応及びグローバル対応手法 オンライン
2025/8/4 GMP文書の集約・削減と体系整理/効率的管理 オンライン
2025/8/4 国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法 オンライン
2025/8/4 開発段階に応じた治験薬GMP管理を何をいつ準備し、どのような管理をするかの効果的運用方法 オンライン
2025/8/5 医薬品品質試験における生データの取り方・レビューと申請対応 オンライン
2025/8/5 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2025/8/5 抗体薬物複合体 (ADC) におけるペイロードの生体膜透過メカニズムと細胞内動態評価 オンライン
2025/8/5 両親媒性物質との分子複合体形成を利用した医薬、香粧品材料の開発とその評価 オンライン
2025/8/6 製造オペレーターのためのGMPの基本と記録書の作成管理 オンライン

関連する出版物

発行年月
2025/6/11 タンパク質分解医薬の実用化に向けた基盤技術と評価
2025/4/30 体外診断用医薬品開発の進め方と薬事規制・事業性評価手法
2025/4/14 製薬業界55社〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2025/4/14 製薬業界55社〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (書籍版)
2025/2/20 医薬品製造を目的としたプロセス化学と薬事規制及び製薬企業の動向
2025/1/27 世界の中分子医薬・抗体医薬、およびCDMO最新業界レポート
2024/11/29 ファインケミカル、医薬品の連続生産プロセス
2024/9/30 タンパク質、細胞の吸着制御技術
2024/9/30 最新GMPおよび関連ICHガイドライン対応実務
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応