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積層セラミックコンデンサの材料設計、プロセス技術と高信頼性化

積層セラミックコンデンサの材料設計、プロセス技術と高信頼性化

~小型、薄層化、高信頼性化へ向けた誘電体セラミックスの設計指針 / スラリー設計、シート成形、焼成技術など製造プロセス上の課題と解決策~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、MLCC開発で求められる技術、設計の考え方を概説いたします。
主にNi内部電極MLCCで薄層素子を形成するBaTiO3 (BT) 粉末の合成およびBT誘電体セラミックスの設計指針として、格子欠陥の生成、ドナーやアクセプター元素などによる異種元素置換による格子欠陥制御など、熱力学的考察を交えて材料組成開発に係わる組成設計を説明いたします。

開催日

  • 2021年6月18日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 積層セラミック電子部品に使用される材料の研究開発、生産・製造、品質管理、故障解析に係わる技術者
    • セラミックス材料
    • 電極材料
    • バインダーなど有機材料 など

修得知識

  • セラミックスの基礎知識
  • コンデンサの機能
  • BaTiO3セラミックス誘電体としての特性
  • BaTiO3セラミックスでの格子欠陥の様子およびその制御技術
  • BaTiO3セラミックスでの化学組成の設計指針
  • MLCC製造プロセスでの技術課題
  • MLCCの信頼性
  • 今後のMLCCの開発技術動向

プログラム

 MLCCはスマートフォーンに代表される小型電子機器から、自動車のEV化、今後の自動運転化に向けて、また、5G、IoTの進展に伴い、生活のあらゆる分野で、その需要の大幅な増大が見込まれる電子部品です。MLCCの多くはBaTiO3をベースにした誘電体セラミックスが誘電体素子に用いられています。MLCCの小型化はこの誘電体素子の薄層化によるところが大きく、MLCCの信頼性はこのBaTiO3誘電体セラミックスの材料的特性に負うところが大きいと言えます。
 本セミナーでは、MLCCやMLCCに必要な素材 (セラミックス材料、電極材料、バインダーなど有機材料) に係わる技術者、および生産の第一線で頑張っておられる開発および製造に係わる技術者、品質管理や故障解析に係わる技術者の方に聴講していただければと思っています。MLCCの信頼性に影響するBaTiO3誘電体セラミックスの設計指針として、セラミックスの基礎からBaTiO3の格子欠陥からドナーやアクセプター元素添加に係わる材料組成設計の指針までを分かりやすく説明します。MLCCに係わる皆様の日々の研究開発、製造現場での指針、方向性を提供できればと思っています。
 今回のセミナーでは1日のセミナーで設計しています。MLCC専門外の方もご理解いただけるように、基礎的な事項も平易に説明し、皆さんのご理解を深められるように構成しています。また、MLCCに限らず積層セラミック電子部品の多くの関係者にも有益なセミナーと考えます。

  1. 積層セラミックコンデンサ (MLCC) の基礎
    1. セラミックスの基礎
      • 焼結現象
      • 結晶構造、粒界
      • 粒成長
      • 平衡状態図
      • 全率固溶体
      • 共晶系、包晶系
      • 液相生成
    2. コンデンサの種類
      • アルミ電解コンデンサ
      • タンタル電解コンデンサ
      • セラミックコンデンサ
    3. インピーダンス素子としてのコンデンサ
      • 周波数特性
      • インピーダンス
      • ESR
      • ESL
      • デカップリング
    4. MLCCの概要
      • 高誘電率系
      • 温度補償系
      • 温度係数
    5. Ni内部電極MLCC
  2. BaTiO3 (BT) 誘電体セラミックスの基礎
    1. BTの強誘電性
      • 結晶構造
      • 相転移
      • 自発分極
      • ドメイン
      • ヒステリシス
      • バイアス特性
    2. BTのサイズ効果
    3. 微粒BT粉末の合成
      • 固相法
      • シュウ酸法
      • 水熱合成法
      • 加水分解法
      • c/a軸比
    4. BT誘電体原料の組成
      • アクセプター元素
      • ドナー元素
      • 添加元素
      • 分散性
    5. BT誘電体セラミックスの構造
      • コアシェル構造
      • 非コアシェル構造
      • 不均一歪
      • 粒成長抑制
      • 温度特性
  3. Ni内部電極MLCC対応のBT材料設計
    1. 酸化物の酸化、還元の熱力学
      • 平衡酸素分圧
      • 化学平衡
      • ギブス生成自由エネルギー
      • エリンガム図
    2. BTの格子欠陥の基礎
      • Kger – Vink欠陥表記
      • 酸素空孔
      • 欠陥反応式
      • Brouwer図
    3. BTの格子欠陥制御
      • サイト
      • 化学量論比
      • 異種元素置換
      • 欠陥の会合
    4. 粒界の役割
      • 粒界の構造
      • 酸素空孔の拡散
      • 元素の偏析
      • 信頼性
  4. BTセラミックスの長期信頼性
    1. 酸化物の電気伝導
      • 電子性電気伝導
      • バンド伝導
      • オーム則
      • バンドギャップ
    2. 高電界での電気伝導
      • チャイルド則
      • 放出電流
      • 摩耗故障
    3. イオン性電気伝導
    4. 酸素空孔移動現象とその制御
      • 活性化エネルギー
      • 機器分析
      • シミュレーション
    5. MLCCの摩耗故障と加速性
      • アレニウスプロット
      • 加速評価
      • 温度加速
      • 電圧加速
  5. MLCCの製造プロセス
    1. 製造工程の概要
    2. シート成形工程、主にスラリー組成の設計およびスラリー製造技術
      • バインダー
      • 分散剤
      • 可塑剤
      • 乾燥収縮
      • PVC
    3. 内部電極工程、主にその焼結性
      • Niペースト組成
      • 収縮挙動
      • 共素地
      • 電極組成
    4. MLCCの焼成工程、主に焼成雰囲気制御とBT酸素空孔制御
      • バインダーの熱分解
      • 雰囲気制御
      • 残留炭素
      • 酸素空孔生成
      • 再酸化
    5. MLCCの信頼性
      • 機械的強度
      • 割れ
      • デラミ
      • 試験項目
      • 初期故障
      • 摩耗故障
    6. 故障解析
      • 表面分析
      • C-SAM
      • 顕微鏡断面観察
      • マイクロプロービング
      • FIB
  6. MLCCの技術動向
    1. 小型、大容量化
    2. IoT、5Gへの対応、低ESR化、低ESL化
      • 5G化の動向
      • LW逆転
      • 3端子
      • 多端子
    3. 車載に向けた高圧、高温化
      • 市場動向
      • 車載規格 (AEC-Q200)
      • 信頼性データ
      • 中高圧設計
      • 高温対策
      • 温度補償系材料
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
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    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
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