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臨床試験にかかわる人のための経時測定データ解析入門講座 (2日間)

臨床試験にかかわる人のための経時測定データ解析入門講座 (2日間)

~解析手法の使い分けと考え方 / 事例を踏まえた結果の解釈~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年8月29日(水) 10時30分 16時30分
  • 2018年8月30日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 製薬メーカー、CRO、ARO等でプロジェクトマネジメント、臨床開発、データマネジメント、メディカルライティング、市販後調査、薬事等を担当している方

プログラム

 多くの臨床試験では、評価対象となるアウトカムを同一被験者に対して、経時的に繰り返して測定します。このようなデータを経時測定データといいます。例えば、高血圧患者を対象とした臨床試験では、介入前、介入4週、8週、12週後の各時点で血圧値を測定するといった具合です。経時測定データは、データの性質上、単純なt検定や分散分析といった古典的手法で解析するのは適当ではありません。
 また、被験者が途中で脱落したり、特定の時点で来院しなかったり、という問題が頻発するため、試験実施計画時に定めた時点できちんとデータが得られず、データの欠測が生じます。データ欠測は、臨床試験の結果の信憑性を損ないかねない極めて深刻な問題です。欠測が問題となり、医薬品の承認に至らなかったケースもあります。
 本セミナーでは、臨床試験で使用される経時測定データ解析のための統計手法を解説します。事例を通じて、経時測定データの性質や特徴を説明します。そのうえで、臨床試験で使用頻度の高い統計手法を紹介し、解析結果の適切な解釈法を説明します。また、欠測値が生じにくくなる工夫、欠測値が生じたときの対処法等も解説します。

 本セミナーは、メーカー、CRO、ARO等でプロジェクトマネージメント、臨床開発、データマネージメント、統計解析、メディカルライティング、市販後調査、薬事等を担当している方を対象としています。
 経時測定データは、臨床試験から得られる典型例です。実際に自分でデータ解析を行わない方も、試験実施計画書や総括報告書の作成・読解、規制当局からの指摘事項対応等に携わる限り、経時測定データ解析のための統計手法の意味をきちんと理解し、解析結果を正しく解釈できる必要があります。
 また、世界で最も権威のある一般臨床医学雑誌New England Journal of Medicineでデータ欠測に関する特別論文1) が発表されました。欠測の問題は、統計学専門家だけが知っていればよいものではありません。
 本セミナーは2日間のコースです。1日目は、経時測定データ解析手法を学習するための準備です。確率変数や確率分布といった統計学の基礎、仮説検定、点推定、区間推定の役割・意味・原理の理解を目標とします。また、事例を通じて、統計モデルを使った解析、ダミー変数や交互作用を含めた統計モデルの意味・解釈を解説します。2日目は、1日目の講義内容を踏まえ、経時測定データの要約、経時測定データを記述するための統計モデル、解析手法を紹介し、欠測の問題を取り上げます。最後に欠測が医薬品の承認申請に与える影響を考察します。

(Little RJ et al. The prevention and treatment of missing data in clinical trials. New England Journal of Medicine 2012; 367:1355-1360)

  1. 経時測定データとは (1日目)
    • 事例
    • 種類
    • 性質
  2. データの要約
    • 要約統計量
    • 図示表現法
  3. 確率分布
    • 確率変数
    • 確率分布
    • 二項分布
    • ポアソン分布
    • 正規分布
  4. 統計的推測
    • 点推定
    • 区間推定
    • 仮説検定
    • 最尤法
  5. 統計モデル
    • 線形モデル
    • 回帰分析
    • 分散分析
    • 共分散分析
    • ダミー変数
    • 交互作用とその解釈
  6. 経時測定データ解析の目的 (2日目)
    • 群間比較
    • 推移評価
    • 共変量の探索
  7. 多次元分布
    • 同時分布
    • 周辺分布
    • 相関と独立
  8. 連続データの解析
    • 正規線形モデル
    • 二段階モデル
    • 線形混合効果モデル
    • 固定効果と変量効果
  9. 二値データの解析
    • ロジスティックモデル
    • 一般化線形モデル
    • 一般化推定方程式法
    • 一般化線形混合効果モデル
  10. 欠測問題
    • NASレポート
    • EMAガイドライン
    • 欠測パターン
    • 欠測メカニズム
    • 単一値代入法
    • 最終観測値代入法 (LOCF)
    • 多重代入法
    • MMRM (Mixed effects model for repeated measures)
    • 重みを使った解析
    • パターン混合モデル
    • 欠測を減らすためのデザイン上の工夫
    • 感度分析
    • 承認申請で問題となった事例
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 五所 正彦
    筑波大学 医学医療系 生物統計学
    教授

会場

芝エクセレントビル KCDホール
東京都 港区 浜松町二丁目1番13号 芝エクセレントビル
芝エクセレントビル KCDホールの地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 66,500円 (税別) / 71,820円 (税込)
複数名
: 35,000円 (税別) / 37,800円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 35,000円(税別) / 37,800円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 66,500円(税別) / 71,820円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 70,000円(税別) / 75,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 105,000円(税別) / 113,400円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

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