技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

製薬企業・医療機器企業におけるFDAが要求するCAPA導入の留意点

ライブ配信対応

製薬企業・医療機器企業におけるFDAが要求するCAPA導入の留意点

~FDA対応のためのCAPA手順書サンプル配布~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年1月29日(月) 10時30分 16時30分

修得知識

  • CAPAの基本
  • FDAが要求するCAPAの7ステップ
  • 最近CAPAで多く発行されているワーニングレター
  • FDA対応のためのCAPA手順書のサンプルを配布

プログラム

 CAPA (是正処置・予防処置) の考え方は、医薬品・医療機器業界の査察のために米国FDAが開発し、その手順は品質に関する査察規制が適用となる品質システムの中で、最も重要なものとなりました。これに伴い、CAPAに関する査察が強化されました。すなわちCAPAは、FDA査察準備の最大のポイントと言えます。
 CAPAは、重要な査察項目の1つとして上げられています。CAPAを見ることで、企業の製品に対する品質改善や法遵守の姿勢が見えてくることになります。
 是正処置の目的は再発防止です。修正処置と是正処置は異なります。是正処置で最も大切なことは、根本的原因の発見です。根本的原因が特定できなければ、問題が再発します。また、根本的原因を個人の問題 (認識不足、勘違い等) にしたり、製品固有の問題としてはなりません。なぜならば、担当者はいずれ変更されるからです。担当者が変われば、同様な問題が再発します。是正処置では、必ず 仕組み (SOP) を改善しなければなりません。
 CAPAを導入することにより、設計・製造における不適合の発生率を確実に減少させることが出来ます。CAPAは苦情管理、設計管理、逸脱管理、不適合品管理、内部監査、変更管理、自己点検、国内外行政当局査察などで発見されたり、指摘された問題点、課題について対応していくためのシステムです。当局査察では、必ずCAPA SOPの提示を求められます。また、その記録も厳重に調査されます。CAPAは、導入すれば終わりではなく、継続的に運用することが重要です。
 欧米の医薬品・医療機器業界では、CAPAの概念の導入、検討が盛んに行われています。しかしながら、本邦においては、CAPAの情報管理が、手作業ベース (Excel、Word) で行われ、関連する資料と共に、紙ファイルで保存されているため、蓄積したデータの利用効率が悪く、CAPAの品質向上への効果が十分に得られないといった状況が見受けられます。
 FDAの要求事項であるCAPAでは、顧客苦情のみならず、生産工程等での不適合にも適切な対応が求められていますが、既存システムでは、顧客苦情のみを対象にしているケースが多く見られます。さらに、自社開発を行うなどにより、21 CFR Part 11に適合していないシステムも多く存在しています。
 本セミナーでは、初心者にもわかりやすいようにCAPAの基本から解説を行います。また、CAPAシステムを導入するにあたっての留意点について解説いたします。

  1. はじめに
    • 医療機器と医薬品の違い
    • 医薬品と医療機器の相違点
    • ゼロリスク神話
  2. FDA査察とCAPA
    • FDAが査察を行う理由
    • どんな企業がFDA査察官に安心感を与えるか
    • FDAによる回収製品数 2009 – 2014
    • FDAセンター毎の回収 ーすべてのクラスー 2014年
    • FDAセンター毎のクラスⅠ 回収 2014年
    • なぜCAPAが重要視されるのか
    • PDCAのサイクルと再発防止
    • 是正・予防の継続的改善のサイクル
    • FDAの査察の傾向
    • イベント管理 ~情報の連携~
  3. CAPA概要
    • CAPAに関する動向 (医薬品、医療機器)
    • なぜCAPAか?
    • CAPAとは?
    • 是正処置とは
    • 修正処置とは
    • 修正処置と是正処置の違い
    • 予防処置とは
    • 予防処置とはリスク管理のことである
    • 応急処置→修正処置→是正処置→予防処置
    • 是正処置がなく予防処置のみ発生する事例
    • ボーイング787型機の運航再開
    • 品質苦情、CAPAとリスクマネジメントの関係性
  4. 根本的原因の究明
    • 原因の究明と再発防止が最重要
    • PDCAのサイクルと再発防止
    • 是正処置の考え方と実施
    • 根本的原因 (Root Cause) を見極める
    • 周知徹底、教育訓練は是正処置にはならない
    • 根本的原因 (Root Cause) を見極める
    • 是正処置 (再発防止) のためには、根本的原因の特定が重要
    • 不適合発生の原因 ~システムの運用がなされていないこと (不実行) ~
    • 不適合発生の原因分析フロー
    • ステップ2 原因調査 ~分析手法~
  5. Whys
    • FTA
  6. 予防処置
    • 820.100 是正および予防処置
    • 予防処置で大事なこと
    • 予防処置の手順
  7. 品質システムとは
    • コンプライアンス達成のための内部統制
    • QM、QA、QCの関係
    • 「QC」って何でしょ?
    • 「QA」って何でしょ?
    • QA担当者の要件 ~第三者レビュの重要性~
    • 品質システムとは
    • 品質管理システム (QMS) とは
    • 品質改善のための体系 (例)
    • QMS (Quality Management System) 文書体系の構築
  8. 品質監査とCAPA
    • 品質管理 (QC) 、品質保証 (QA) 、監査 (Audit) はそれぞれ違う
    • 監査の目的
    • 820.22 品質監査
    • PIC/S GMP Self Inspection (自己点検)
    • 監査担当者の要件
    • ISO9000 適合性と妥当性~文書と記録~
    • 内部監査と是正処置
    • 内部監査の是正処置・予防処置
    • 内部監査の是正処置・予防処置 (内部監査の指摘分類)
    • 内部監査と是正処置
    • 内部監査~品質マネジメントシステムとして~
  9. 医療機器とCAPA
    • Code of Federal Regulation (CFR) Title 21 Part 820
    • 2004年〜2014年 品質システムに関するワーニングレター (医療機器)
    • 査察による品質システムの指摘 2004年〜2014年 (サブシステム毎)
    • 2014年度 サブシステム毎の483指摘の比率 (医療機器)
    • 21 CFR Part 820 QSR
    • 820.100 是正および予防処置
    • 品質システム規格の歴史
    • ISO – 13485:2016 目次
  10. 測定、分析および改善 8.5 改善
    • FDA対応CAPAの要点
    • CAPAにおけるFDA対応の留意事項
    • Warning Letterの例
    • QSIT (Quality System Inspection Technique) とは
    • QSITガイド
      • FDAの査察対応 ~4つの領域~
      • Guide to Inspection of Quality Systems
      • 是正処置および予防処置 (CAPA)
    • CAPAに関連するプロセス
    • CAPA情報源 (例)
    • CAPA関連図
    • CAPAの7段階
    • CAPA起票の判断基準 (抜粋)
  11. 医薬品とCAPA
    • ICH
      (International Conference on Harmonization:日米EU医薬品規制調和国際会議)
    • PIC/S GMPの有機的な繋がり
    • ICH Q10ガイドライン (医薬品品質システム) とCAPA
    • ICH Q10とは
    • CAPAの適用範囲 (医薬品製造)
  12. 品質システムアプローチ
    • FDAガイダンス – 医薬品cGMP規則への品質システムアプローチ
      • 品質システム (QS)
      • 品質リスク・マネージメント
      • CAPA (是正・予防処置)
      • 傾向分析データ
      • 内部監査の実施
      • 是正処置
      • 予防処置
      • 改善の促進
      • 結論
  13. CAPAの7段階
    • CAPAの7段階 (製薬の場合)
      • ステップ1 問題の識別
      • ステップ2 原因調査
      • 根本的原因の分析
      • 根本的原因の追究
      • ステップ3 処置の識別 (処置の計画)
      • ステップ4 検証または妥当性確認 (処置の実施)
      • ステップ5 記録 (処置の実施)
      • ステップ6 責任者への伝達 (処置の実施)
      • 教育訓練
      • ステップ7 報告
      • 有効性の確認
      • マネジメントレビュへの提出
    • CAPAの手順
  14. CAPAシステムの導入
    • CAPAの手順
    • CAPAフォーム
    • 電子による査察
    • Part11は怖くない!?
    • FDA対応をするとはどういうことか
    • FDA対応のコンピュータシステムとはどういうものか
    • FDA規制要件対応コンピュータシステム導入のための考察 (医療機器の場合)
    • イベント管理とドキュメント管理が重要 (医療機器の場合)
    • よくある課題
    • CAPAシステム導入の目的
    • 要求されるシステムの概要
    • 総体的な要件
    • CAPAシステムの運用上の留意点
    • イベント管理 ~情報の連携~
      • MRが苦情を登録
      • 苦情の受付
      • 苦情の分析
      • CAPA登録
      • 是正処置の実施
      • 変更起案
      • 変更の実施
      • 変更の実施
      • 教育の実施
      • 確認
      • 承認
  15. CAPA実習

講師

  • 村山 浩一
    株式会社 イーコンプライアンス
    代表取締役

会場

ビジョンセンター浜松町

4F I 会議室

東京都 港区 浜松町2-8-14 浜松町TSビル 4階,5階,6階 (受付6階)
ビジョンセンター浜松町の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様でお申込みの場合、1名あたり 38,000円(税別) / 41,040円(税込) で受講いただけます。
  • 3名様以上でお申込みの場合、1名あたり 35,000円(税別) / 37,800円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 76,000円(税別) / 82,080円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 105,000円(税別) / 113,400円(税込)
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/20 ソーシャルリスニングからの患者さんの声の事例紹介と活用のためのワークショップ体験 東京都 会場
2024/12/20 医療機器プログラムにおける該当性判断のポイントと事業化への留意点 オンライン
2024/12/20 医薬品開発段階での処方・製法変更におけるBE試験の考え方と生物学的同等性確保のための開発戦略 オンライン
2024/12/20 医療機器バリデーションで必要となる統計的手法とサンプル数の決定 オンライン
2024/12/20 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/23 GMP教育とQuality Culture醸成のポイント オンライン
2024/12/23 日米欧当局のプロセスバリデーションにおける要求事項と承認申請にむけた準備について オンライン
2024/12/23 PIC/Sを踏まえた治験薬GMPガイドラインと運用上の注意点および三極 (日米欧) 規制の解説 オンライン
2024/12/23 体外診断薬の海外市場を踏まえたマーケティング戦略策定 オンライン
2024/12/23 承認申請パッケージにおける海外データ利用と開発戦略 オンライン
2024/12/23 医療機器開発における計画の立案から承認取得のポイント オンライン
2024/12/23 QMSRポイント解説 オンライン
2024/12/23 承認申請にむけた個別症例安全性報告 (ICSR) の取り扱いと評価 オンライン
2024/12/23 GMP省令対応:医薬製造所における製品品質照査と品質システムの構築 (PQS) オンライン
2024/12/24 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2024/12/24 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2024/12/24 核酸医薬品の品質管理および分析・評価のポイント オンライン
2024/12/24 体外診断用医薬品における承認申請書作成ノウハウおよびPMDA相談のポイント オンライン
2024/12/25 グローバル開発における承認申請のための医薬英語/英文ライティング入門 オンライン
2024/12/26 簡便化、抜け防止の観点をふまえたGMP SOP/製造指図記録書の形式・作成 (改訂) ・記入方法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2013/6/1 画像診断機器(超音波) 技術開発実態分析調査報告書
2013/5/31 在宅でのCDTM(共同薬物治療管理)の実践と薬局・薬剤師の次世代モデル
2013/5/30 新薬開発にむけた臨床試験(第I~III相臨床試験)での適切な投与量設定と有効性/安全性評価
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書
2013/3/27 医薬品・食品包装の設計と規制・規格動向 - 品質・安全・使用性向上のために -
2013/2/27 リスクマネジメント・CAPA(是正措置・予防措置)導入手引書
2013/2/20 消臭・脱臭・除菌機器 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/20 消臭・脱臭・除菌機器 技術開発実態分析調査報告書
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書
2013/2/5 放射線医療(癌診断・治療) 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/1/28 造粒・打錠プロセスにおけるトラブル対策とスケールアップの進め方
2012/7/4 薬事法・景品表示法 実践 戦略パック
2012/3/29 治験中 / 市販後における3極安全性情報の収集・報告・評価実務と相違
2012/3/24 高機能急性期病院にとっての2012年度診療報酬改定の影響と対策
2012/3/13 超入門 GMP基礎セミナー
2012/3/5 育毛剤・発毛剤 技術開発実態分析調査報告書
2012/2/16 システムの適格性確認および回顧的バリデーションの具体的実施方法
2012/2/14 LIMS導入に関する導入の留意点セミナー
2012/2/9 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応のための「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法