医薬品製造におけるヒューマンエラー・逸脱事例考察とその対応・防止策
~根本原因調査、教育訓練、SOP、製造指図書の工夫など~
東京都 開催
会場 開催
開催日
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2017年8月31日(木) 10時30分
~
16時30分
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2017年9月1日(金) 10時15分
~
16時30分
プログラム
第1部 ヒューマンエラー対策
~仕事の段取り、道具立て、マネジメント等の観点から~
(2017年8月31日 10:30-12:15)
事故やトラブルの大半は、ヒューマンエラーが介在して発生する。しかし、人間は誰もがミスをするものなので、「ミスをするな」と叱咤する精神力に頼る対策は効果がない。そこで本講演では、仕事の段取り、道具立て、マネジメント等の観点から、実践的なヒューマンエラー対策の理論と実例を紹介する。
理論のみならず、各産業分野で実践例を多く上げ、すぐに役立つ手法を身につけることをねらいとする。
- ヒューマンエラー防止の基礎理論
- 間違い検知力を高めるマネジメント
- チェックシートの原則
- ダブルチェックが効果を上げない理由
- 工程の節目構造への改良
- 勝って兜の緒を締めよ:終わり間際のミス
- ゾーニング手法
- 情報の物体化
- 視認を高めるポップアウト効果
- 良いレイアウト、ダメなレイアウト
- ヒヤリハット情報をどう集めるか
- 他人の目がやる気を起こす:ホーソン効果
- 現場に学ぶマネジメント
第2部 GMPヒューマンエラー・逸脱事例から学ぶ製造指図書・GMP手順書の書き方・工夫と教育訓練
(2017年8月31日 13:00-16:30)
ヒューマンエラーの特徴を理解し、実際に医薬品製造現場で発生している事例を紹介し、その背景にある原因から具体的な対策について立案できるようにする。
ヒューマンエラーが医薬品製造の現場でなぜ大きな問題なのか、その特徴や発生のメカニズムを理解し、その上でいろいろな事例を紹介することで、自社のシステムの中にあるヒューマンエラーのリスクを認識し、それに対して適切な対応をとるためのアイデアが得られるようにする。
- ヒューマンエラーとは何か
- ヒューマンエラーとは何か
- ヒューマンエラーの歴史
- ヒューマンエラーの発生メカニズム
- 医薬品製造現場でなぜヒューマンエラーが問題となっているのか
- GMPに見るヒューマンエラー
- ヒューマンエラーに関するアンケート調査
- ヒューマンエラーにつながるヒトの特徴
- 逸脱発生とヒューマンエラー
- 査察とヒューマンエラー
- 医薬品製造現場で発生したヒューマンエラーの事例
- 製造現場におけるヒューマンエラーの事例
- 試験室におけるヒューマンエラーの事例
- ヒューマンエラーが起こったときの対応
- 他業界におけるヒューマンエラーの事例
- ヒューマンエラーを防止するための具体的な対策
- 効果的な教育訓練とヒューマンエラー
- ミスにつながらない文書 (SOP) 作成
- ヒューマンエラーと人事管理
- 適切な変更管理の重要性
- 装置に求められるエラー防止対策
- 組織として求められている取り組み
- ヒューマンエラーに対する今後の課題
- ヒューマンエラー発生を見抜ける組織をどう構築するか
- どこまでハードでヒューマンエラーを防ぐことができるか
- 組織として見た時の課題とは何か
- 業界として取り組むべきことはないか
- 本当に重要な事は何か
- まとめ
第3部 医薬品製造工場で実施される試験の信頼性を担保し、問題発生をどう防ぐか
~試験室で起こるヒューマンエラー・査察時の指摘事項から学ぶ~
(2017年9月1日 10:15-12:45)
医薬品製造現場において実施される各種試験は、その試験に対する信頼性が確保されて初めて結果が意味を持つことになる。しかし、そこにはヒューマンエラーをはじめとして多くの落とし穴が潜んでいる。
本講座では、試験結果の信頼性を確保するために、また落とし穴に落ちないようにするために求められる各種取り組みについて紹介する。
実施される試験の特徴を理解するとともに、試験室で発生するヒューマンエラーや行政当局による査察において指摘される事項を通して、試験の信頼性を確保するために求められる取り組み、そして問題の発生を未然に防ぐための取り組みについて、具体的な事例を通して理解することを目的とする。
- 過去15年間に医薬品開発・製造現場で起こった変化とは
- QbTからQbDへ – 企業が果たすべき役割 –
- 製造現場でRiskと向き合う
- Risk評価の質を向上させるために – 知識管理 –
- 技術損失と技術のデータベース化 – 失敗から学ぶ –
- 試験の信頼性を確保するために求められる
- Probability sampling とnon – probability sampling
- サンプリングの信頼性を確保するための取り組み
- Data integrityと各種ガイドラインについて
- 試験室で発生するヒューマンエラーの事例
- ヒューマンエラーの特徴を理解する – GMPとヒューマンエラー –
- 受け入れ試験で発生するヒューマンエラー
- サンプリングで発生するヒューマンエラー
- 微生物試験で発生するヒューマンエラー
- Hidden human errorをどう見つけるか
- 問題発生をどう防ぐか
- 試験室に関係する査察時の指摘事項
- OOSにどう向き合うべきか – OOSガイダンスのポイント –
- 問題が発生しやすい試験とは
- トレンド分析で何が分かるか – 年次照査の重要性 –
- n=1が持つ意味を考える
- 効果的な教育訓練とは
- 逸脱対応と変更管理を
- EHSに対する取り組み
- まとめ
第4部 医薬品の製造所における作業ミス・逸脱事例
~その事例はどこに問題があり、 どのような管理をすべきだったのか~
(2017年9月1日 13:30-16:30)
実際の医薬品製造所で起きた事例を取り上げ、その事例ではどこに問題があり、どうしていれば防ぐことができたか、今後同じ過ちを防ぐためにはどうしたら良いかを考えたい。過去のミスを十分反省し次に生かしておくと、ミスの70%を防ぐことができると言われている。医薬品製造のミスは共通していることが多い。自社が起きたことが対策が不十分だとまた繰り返す。
他社で起きたミスはいつ自社に起きるかわからない。ミスが多い製造所はGMPの小事に囚われ、GMP3原則の大事を忘れていると言っても過言ではない。多くの事例から学ぶことを主眼としている。
- 他の産業界の大惨事事例
- ダイヤモンドプリンセス号火災
- JR西日本福知山線脱線事故
- JCO東海村臨界事故
- 福島第一原発事故 など
- 医薬品製造所の品質トラブル (ヒューマンエラー国内編)
- バラ包装のキャップを開けたら虫があった (製品苦情)
- ドリンク剤の使用期限と製造番号の捺印が逆になっている (製品苦情)
- 原薬の中に、ガラス異物が何個か見つかった (逸脱)
- 注射剤のバイアル瓶の個装箱への包装時に他社製品のフリップキャップが見つかった (逸脱)
- 注射剤の溶解液の経年品でフレークスが見つかった (安定性試験)
- 品質再評価の試験方法が、1/12個アウトにでている (新規試験方法設定)
- 他社製品の自社への販売移管時の品質評価 (導入時の品質評価)
- ドリンク剤 (食品) の栄養成分表示ミスが見つかった (問い合わせ)
- 中国査察時に製造販売承認書に記載されていない原薬製造所で異物除去
(製造販売承認書からの逸脱)
- 仕入れ品の製造業の更新時に品目漏れがあり、製造所のある県の監視指導が
製品回収を示唆している (仕入れ品先の品質保証)
- ある製品のOOSが何度も発生している (当局査察時のリスクと収去時のリスク)
- 注射剤の粉末充填品をろ過したらフィルターに多くの異物
(大学病院薬剤部からの苦情)
- 医薬品製造所の品質トラブル (ヒューマンエラー海外編)
- 海外製造所に全数異物検査機導入 (イタリア)
- 外観異物の削減 (米国)
- 原薬の異物逸脱により、返品時の品質トラブル (中国)
- 添加剤の毛髪異物? (米国)
- 海外製剤製造所の異物によるPV失敗によりGMP適合性調査不適合 (イタリア)
- 溶出試験の不一致 (イタリア)
- アンプルが割れない苦情 (フランス)
- アンプルの異種品コンタミ (フランス)
- OOSトラブルによる欠品 (イギリス)
- 研開から移管された注射剤の新製品の不溶性異物の不良率が高い
(イタリア 研開からの移管時の品質保証)
- 注射剤の海外製造所が買収され、注射剤棟とそれ以外に分離される
(ドイツ 海外買収時の対応)
- 新規申請中に製造所がWarning Letterを受け、
自主操業停止決断/承認後1年後に欠品 (米国)
- まとめ
- 知識を高める
- 人が創る品質/Quality Culture
- 偽証/隠ぺいを防ぐマネージメント
講師
中田 亨 氏
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
人工知能研究センター
知識情報研究チーム長
宮嶋 勝春 氏
PURMX Therapeutics, Inc.
シニアダイレクター
宮嶋 勝春 氏
PURMX Therapeutics, Inc.
シニアダイレクター
脇坂 盛雄 氏
株式会社 ミノファーゲン製薬
顧問
主催
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