技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

製薬企業・医療機器企業におけるFDAが要求するCAPA導入の留意点

製薬企業・医療機器企業におけるFDAが要求するCAPA導入の留意点

~FDA対応のためのCAPA手順書サンプル配布~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年2月16日(木) 10時30分 16時30分

修得知識

  • CAPAの基本
  • FDAが要求するCAPAの7ステップ
  • CAPAで発行されている多くのワーニングレター

プログラム

 CAPA (是正処置・予防処置) の考え方は、医薬品・医療機器業界の査察のために米国FDAが開発し、その手順は品質に関する査察規制が適用となる品質システムの中で最も重要なものとなりました。これに伴い、CAPAに関する査察が強化されました。すなわちCAPAは、FDA査察準備の最大のポイントと言えます。CAPAは重要な査察項目の1つとして上げられています。CAPAを見ることで企業の製品に対する品質改善や法遵守の姿勢が見えてくることになります。
 是正処置の目的は再発防止です。修正処置と是正処置は異なります。是正処置で最も大切なことは根本的原因の発見です。根本的原因が特定できなければ問題が再発します。
 また、根本的原因を個人の問題 (認識不足、勘違い等) にしたり、製品固有の問題としてはなりません。なぜならば担当者はいずれ変更されるからです。担当者が変われば同様な問題が再発します。是正処置では必ず仕組み (SOP) を改善しなければなりません。CAPAを導入することにより設計・製造における不適合の発生率を確実に減少させることが出来ます。CAPAは苦情管理、設計管理、逸脱管理、不適合品管理、内部監査、変更管理、自己点検、国内外行政当局査察などで発見されたり、指摘された問題点、課題について対応していくためのシステムです。
 当局査察では必ずCAPA SOPの提示を求められます。またその記録も厳重に調査されます。CAPAは導入すれば終わりではなく、継続的に運用することが重要です。欧米の医薬品・医療機器業界ではCAPAの概念の導入、検討が盛んに行われています。しかしながら、本邦においては、CAPAの情報管理が、手作業ベース (Excel、Word) で行われ、関連する資料と共に紙ファイルで保存されているため蓄積したデータの利用効率が悪く、CAPAの品質向上への効果が十分に得られないといった状況が見受けられます。
 FDAの要求事項であるCAPAでは、顧客苦情のみならず生産工程等での不適合にも適切な対応が求められていますが、既存システムでは顧客苦情のみを対象にしているケースが多く見られます。さらに自社開発を行うなどにより、21 CFR Part 11に適合していないシステムも多く存在しています。
 本セミナーでは、初心者にもわかりやすいようにCAPAの基本から解説を行います。またCAPAシステムを導入するにあたっての留意点について解説いたします。

  1. はじめに
    • FDAが査察を行う理由
    • どんな企業がFDA査察官に安心感を与えるか
    • なぜCAPAか?
    • CAPAに関する動向 (医薬品、医療機器)
    • 日航ジャンボ機墜落事故
    • ハインリッヒの法則
    • 六本木ヒルズの回転ドア死亡事故
    • ブロークン・ウィンドウ理論
    • 医療機器と医薬品の違い
  2. FDAによる法的措置の統計
    • FDA Enforcement Statistics Summary Fiscal Year 2014
    • FDAセンター毎の押収・没収 2014年度
    • FDAによる押収・没収 2009 – 2014
    • FDAセンター毎の法廷の差し止め命令 2014年度
    • FDAによる法廷の差し止め命令 2009 – 2014
    • FDAセンター毎のワーニングレター 2014年度
    • FDAによるワーニングレター 2009 – 2014
    • FDAセンター毎の全回収イベント数 2014年度
    • FDAによる回収製品数 2009 – 2014
    • FDAセンター毎の回収 ーすべてのクラスー 2014年
    • FDAセンター毎のクラスⅠ 回収 2014年
    • なぜCAPAが重要視されるのか
    • PDCAのサイクルと再発防止
  3. CAPAとは
    • 是正処置とは
    • 修正処置とは
    • 修正処置と是正処置の違い
    • 修正処置、是正処置、予防処置の違い
    • 予防処置とは
    • 応急処置→修正処置→是正処置→予防処置
    • 修正処置、是正処置、予防処置の違い
    • 是正処置がなく予防処置のみ発生する事例
    • ボーイング787型機の運航再開
  4. 是正処置とは
    • 是正処置の考え方と実施
    • 是正処置 (再発防止) のためには、根本的原因の特定が重要
    • 周知徹底、教育訓練は是正処置にはならない
    • 不適合発生の原因 ~システムの運用がなされていないこと (不実行) ~
    • 不適合発生の原因分析フロー
    • 根本的原因 (Root Cause) を見極める
  5. 予防処置
    • 予防処置で大事なこと
    • 予防処置の手順
  6. 品質システムとは
    • コンプライアンス達成のための内部統制
    • 品質システムとは
    • 品質管理システム (QMS) とは
    • 是正・予防の継続的改善のサイクル
    • QSIT (Quality System Inspection Technique) とは
    • QSITガイド
    • Guide to Inspection of Quality Systems
    • QM、QA、QCの関係
    • 品質改善のための体系 (例)
    • QMS (Quality Management System) 文書体系の構築
    • 品質管理 (QC) 、品質保証 (QA) 、監査 (Audit) はそれぞれ違う
    • QA担当者の要件 ~第三者レビュの重要性~
  7. 品質監査とCAPA
    1. 品質監査
      • 監査担当者の要件
      • 内部監査と是正処置
      • 内部監査の是正処置・予防処置
      • 内部監査の是正処置・予防処置 (内部監査の指摘分類)
      • 内部監査と是正処置
      • 内部監査~品質マネジメントシステムとして~
  8. 医療機器とCAPA
    • FDAの医療機器企業に対する査察回数の推移
    • 医療機器企業の品質システムに対するワーニングレターの推移
  9. CFR Part 820 QSR
    • FDA Form 483の指摘 (医療機器)
      1. 是正および予防処置
        • FDA対応CAPAの要点
        • CAPAにおけるFDA対応の留意事項
        • FDAの査察の傾向
        • Warning Letterの例
        • QSIT (Quality System Inspection Technique) とは
        • QSITガイド
          • FDAの査察対応 ~4つの領域~
          • Guide to Inspection of Quality Systems
          • 是正措置および予防措置 (CAPA)
        • Code of Federal Regulation (CFR) Title 21 Part 820
        • グランドデザイン
        • CAPAに関連するプロセス
        • グランドデザイン (CAPA)
        • CAPA情報源 (例)
        • CAPA関連図
        • CAPAの7段階
        • ステップ1 問題の識別
        • CAPA起票の判断基準 (抜粋)
  10. 医薬品とCAPA
    • PIC/S加盟の審査状況
    • ICH (International Conference on Harmonization:日米EU医薬品規制調和国際会議)
    • PIC/S GMPの有機的な繋がり
    • ICH Q10ガイドライン (医薬品品質システム) とCAPA
    • ICH Q10とは
    • CAPAの適用範囲 (医薬品製造)
  11. 品質システムからのアプローチ
    • FDAガイダンス – 医薬品cGMP規則への品質システムからのアプローチ
      1. 品質システム (QS)
      2. 品質リスク・マネージメント
      3. CAPA (是正・予防措置)
      4. 傾向分析データ
      5. 内部監査の実施
      6. 是正措置
      7. 予防措置
      8. 改善の促進
      9. 結論
  12. CAPAの7段階
    • CAPAの7段階 (製薬)
      1. ステップ1 問題の識別
      2. ステップ2 原因調査
        1. 根本的原因の分析
        2. 根本的原因の追究
        3. 分析手法
          • Whys
          • FTA
          • FMEA
          • HAZOP
      3. ステップ3 処置の識別 (処置の計画)
      4. ステップ4 検証または妥当性確認 (処置の実施)
      5. ステップ5 記録 (処置の実施)
      6. ステップ6 責任者への伝達 (処置の実施)
        • 教育訓練
      7. ステップ7 報告
        • 有効性の確認
        • マネジメントレビュへの提出
      8. CAPAの手順
  13. CAPAシステムの導入
    1. CAPAの手順
    2. CAPAフォーム
    3. 電子による査察
    4. Part11は怖くない!?
    5. FDA対応をするとはどういうことか
    6. FDA対応のコンピュータシステムとはどういうものか
    7. FDA規制要件対応コンピュータシステム導入のための考察 (医療機器の場合)
    8. イベント管理とドキュメント管理が重要 (医療機器の場合)
    9. よくある課題
    10. CAPAシステム導入の目的
    11. 要求されるシステムの概要
    12. 総体的な要件
    13. CAPAシステムの運用上の留意点
    14. CAPA Workflowの例
    15. 苦情/逸脱管理、CAPA
      1. MRが苦情を登録
      2. 苦情の受付
      3. 苦情の分析
      4. CAPA登録
      5. 是正措置の実施
      6. 変更起案
      7. 変更の実施
      8. 教育の実施
      9. 確認
      10. 承認

講師

  • 村山 浩一
    株式会社 イーコンプライアンス
    代表取締役

会場

三田NNホール&スペース

B1F スペースC

東京都 港区 芝4丁目1番23号 三田NNビル地下1階
三田NNホール&スペースの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様でお申込みの場合、1名あたり 38,000円(税別) / 41,040円(税込) で受講いただけます。
  • 3名様以上でお申込みの場合、1名あたり 35,000円(税別) / 37,800円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 76,000円(税別) / 82,080円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 105,000円(税別) / 113,400円(税込)
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/5 薬機法の実務を考慮した医薬品特許戦略の新たな視点 オンライン
2025/2/6 ISO11607 滅菌医療機器の包装に関する法的要求事項解説 オンライン
2025/2/6 治験薬GMPにおける品質システム運用と記録の残し方 オンライン
2025/2/6 インドネシアにおけるハラール認証BPJPHをふまえた医薬品・医療機器開発等の留意点とポイント オンライン
2025/2/6 医療機器の開発・事業化を成功に導くための実務秘訣 オンライン
2025/2/6 中国市場における知財の特徴・現状/中国知識産権局からの審査の実態と対策及び裁判の実態と対策 オンライン
2025/2/7 GMP工場「設計/施工」「維持管理/保守点検」コース (2日間) オンライン
2025/2/7 医療機器開発における生物学的安全性評価の進め方 オンライン
2025/2/7 GMP工場 (増築・新規構築) における設計/施工時の注意点とURSの具体的記載例 オンライン
2025/2/7 PV・MA・マーケティング部門における医療情報データ (RWD) 活用の実践 オンライン
2025/2/7 薬価算定の基礎と希望薬価取得ノウハウ オンライン
2025/2/7 医薬品工場の空調設備設計とバリデーション実施のポイント及びトラブル対策 オンライン
2025/2/7 CMC試験におけるOOS・OOT 判断/発生時の対応 オンライン
2025/2/7 医療機器ソフトウェア、遺伝子関連技術などの従来と異なる特徴を持つ医療機器の保険収載・戦略上の重要ポイント オンライン
2025/2/10 製造管理/品質保証担当者の質を高めるための教育訓練 オンライン
2025/2/10 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Cコース:製造技術・品質管理/品質審査編) オンライン
2025/2/10 希少疾患治療薬開発にむけた治療薬開発の最新戦略とアプローチ オンライン
2025/2/10 敗血症の病態/診断/治療の現状と医療現場が求める新薬像 オンライン
2025/2/12 改正GMPを踏まえた医薬品品質システム (PQS) 構築と品質照査の実務・統計的手法の活用 オンライン
2025/2/12 局方/GMPに対応する不純物の評価・管理及び原薬出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/9/30 5G時代のデジタルヘルスとその事業化
2022/8/31 医療機器の設計開発における統計的手法とそのサンプルサイズ設定
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版) (製本版+ebook版)
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/11/10 医療機器製造におけるバリデーション基礎講座
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/18 医療機器の設計・開発時のサンプルサイズ設定と設定根拠
2021/10/15 医療機器のプロセスバリデーション (PV) と工程管理
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価