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市場起点、コア技術戦略、オープン・イノベーションによる三位一体の研究開発

市場起点、コア技術戦略、オープン・イノベーションによる三位一体の研究開発

~『価値づくり』に向けての研究開発マネジメント~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年11月16日(水) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 研究開発部門、研究企画、技術企画、経営企画、商品企画などの部門の方
  • 研究開発組織の変革に関心のある方
  • コア技術戦略の実行を検討中の方
  • オープン・イノベーションの担当者

修得知識

  • 『価値づくり』を実現するための具体的な活動
  • 『ものづくり』の問題点
  • 研究開発担当者に求められる市場起点の具体的活動
  • コア技術とはの理解とその設定法
  • オープン・イノベーションの様々の効果 等

プログラム

 日本企業は、過去20年間停滞を経験してきました。一方で、海外企業に目を向けると、この20年間で、多くの新興国企業が成長し、欧米の優良企業は本質的な経営変革を実行し、数多くのベンチャー企業が生まれ成功してきました。私は、日本企業の停滞の原因は、誤解を恐れずに言えば、「ものづくり」への強い固執にあると考えています。多くの場合、「ものづくり」とは、市場価値が低下しつつある自己の従来の強みへの拘泥であり、自己の「視野狭窄」を生み出してきているからです。
 企業は、その本質において、「顧客が享受する価値に対して支払う対価」を源泉に存続しています。したがって、企業が目を向けるべきは、直接的に、顧客が享受する「価値」です。企業にとってこの「価値」を継続的に創出すること、すなわち「価値づくり」が、その本来的使命であるはずです。そして、研究開発部門は、この「価値づくり」において先導的・主導的な役割を担わなければなりません。
 この「価値づくり」を成功させ収益を継続的に拡大するためには、研究開発部門における「市場起点の思考と活動」、「コア技術戦略の実行」そして「オープン・イノベーションの徹底」の3つの戦略イニシャティブを有機的・相乗効果的に三位一体で組み合わせ、そしてそれらを強力に展開することが重要です。
 本セミナーでは、以上のような「価値づくり」に向けての三位一体の研究開発の必要性の背景と、その構造と内容を紹介した後、具体的にどのような活動を行うことが必要なのかを、様々な事例を交えながら説明をしていきます。

  1. はじめに
    1. 日本企業の大きな問題点:ものづくり経営
    2. 日立の研究開発体制の改革:『価値づくり』へ
  2. なぜ『価値づくり』なのか
    1. 『価値づくり』の定義
    2. 「価値づくりへの脱皮」が求められる5つの大きな背景
      • 顧客は享受する価値に対し対価を支払う
      • 新興国企業の台頭による既存価値追求競争の限界 (韓国化粧品企業などの例)
      • 先進国での低レベルの市場ニーズの充足
      • 顧客は常に充足されない潜在ニーズを持つ (アマゾンのドローン活用例)
      • 常に存在する『非顧客』
  3. 日本企業の大きな問題点:「ものづくり」への固執
    1. 「ものづくり」の関心領域:製品や技術
    2. 「ものづくり」への固執
    3. 「a solution without a problem (問題のない解決策) 」
    4. 『価値づくり』の視野 vs. 『ものづくり』の視野
  4. 『価値づくり』への『三位一体型』研究開発マネジメントとは
    1. 『価値づくり』は継続的な収益の拡大を実現する
    2. 『価値づくり』による収益拡大のメカニズム
    3. 当メカニズムと『価値づくり』のための三位一体との関
    4. 『価値づくり』のための三位一体の研究開発の全体像
    5. 『価値づくり』と「ものづくり」の違い
  5. 『価値づくり』の視点を持つ
    1. 『価値づくり』における研究開発部門の役割:「出口」の創出
      • 三菱ケミカル
      • 富士フイルム
    2. 『価値づくり』の研究開発部門における現状
    3. 『価値づくり』の視点:VACESモデル
      • 日本触媒
      • シマノ
      • テトラパック
      • 日東電工
      • 東洋電機
      • コマツ 等
    4. B2Cモデルにおける「心理的価値」の重要性
  6. 市場起点の思考と活動
    1. なぜ『顧客』起点ではなく、『市場』起点なのか (イノベーションのジレンマ)
    2. 市場起点の研究開発の重要性
      • 日立
      • ホンダ
      • 花王
      • 資生堂 等
    3. 研究者は蛸壺から出でよ!
    4. 市場・顧客を理解する3軸
      • TADとそのための具体的活動
        • 島津製作所
        • IBMの20%ルール
        • 日本テトラパック 他
    5. 研究開発部門の市場起点の思考と活動のための方策
  7. コア技術戦略の追求
    1. 「コア技術戦略の追求」の位置付
    2. コア技術戦略とは
    3. コア技術設定の企業事例
      • 3M
      • クレハ
      • 富士フイルム
      • 東レ 等
    4. コア技術の選定軸
    5. コア技術の選定軸と三位一体モデルとの関係
    6. コア技術は戦略思考・未来志向で設定する
    7. コア技術による「市場起点の思考と活動」の促進
      • 日立
      • キヤノン
    8. 「市場起点の思考と活動」によるコア技術の発見
    9. コア技術の設定プロセス
    10. コア技術の設定における注意点
  8. 「オープン・イノベーションの徹底」
    1. 「オープン・イノベーションの徹底の」三位一体モデルでの位置付
    2. オープン・イノベーションとは
    3. オープン・イノベーションが必要とされる背景
    4. オープン・イノベーションの多様性とその対象
      • 市場情報
      • 製品
      • 技術
      • 能力
    5. オープン・イノベーションの事例
      • スピード
      • シスコ
      • 東レ
    6. 『価値づくり』に向けてのオープン・イノベーションが必要とされる背景
    7. 他の要素とのその他の相乗効果
      • コア技術によるオープン・イノベーション機会増大 (富士フイルムの例)
      • オープン・イノベーションにおけるコア技術による収益確保
      • オープン・イノベーションによるコア技術の強化と補完 (コンチネンタル、オリンパスの例)
      • オープン・イノベーションによる市場理解の視野拡大 (インテカーの例)
      • 市場起点の思考と活動によるオープン・イノベーション対象者の発見
    8. 外部パートナー探索2つの方向性
    9. 自社が個別に外部を探す
      • P&G
      • コニカミノルタ
      • ソフトバンク
      • ナインシグマ 等
    10. 外部に積極的に探される
      • 自社保有技術の開示・発信法
        • GE
        • 3M
        • ホンダ等
    11. オープン・イノベーション実現の阻害要因と対応策
  9. 最後に
    1. 『価値づくり』とそこに向けての三位一体モデルは成長の根幹
    2. 「日々忙しく髪を振り乱している」だけの経営になっていないか
    • 質疑応答

会場

江東区産業会館

第1会議室

東京都 江東区 東陽4丁目5-18
江東区産業会館の地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

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    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき 43,750円 (税別) / 47,250円 (税込)
    • 複数名で同時にお申し込みいただいた場合、1名につき 23,139円 (税別) / 24,990円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)
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