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樹脂の機能性付与・向上 (耐熱性コース)

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樹脂の機能性付与・向上 (耐熱性コース)

~3日目は徹底的に耐熱性向上!~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2012年10月4日(木) 10時00分 16時30分

プログラム

 自動車や電子部品など高温域における耐熱性樹脂は、さらなる耐熱性向上、低コスト化、成形加工性向など、ますます要求が高まっています。本講座では、エポキシの総復習はもちろんのこと、次世代製品への代替に用いられるPEEK樹脂など、高耐熱性樹脂の設計について徹底解説します。

第1部 高耐熱性樹脂の設計と特性向上の基礎

(2012年10月4日 10:00〜11:30)

 最も代表的な耐熱性樹脂、ポリイミド、および開環重合で得られるフェノール樹脂、ポリベンゾオキサジンを例にして耐熱性樹脂の分子設計、材料設計について解説する。
 ポリイミドでは、高機能化、高性能化の手法の現状について、ポリベンゾオキサジンでは、各種の欠点を克服する手法や高性能化の手法について、各種のアプローチを紹介する。

  1. 高分子の耐熱性の考え方
  2. ポリイミドとは
  3. ポリイミドの合成法とフィルム作製
    1. ポリイミドの合成法
    2. ポリイミドフィルムの作製
  4. ポリイミドの構造と物性:高性能化の指針
    1. 熱的性質
    2. 力学的性質
    3. その他
  5. ポリイミドの分子設計と材料設計
    1. 非熱可塑性ポリイミド
    2. 熱可塑性および可溶性ポリイミド
    3. 熱硬化性ポリイミド
    4. 透明ポリイミド
    5. ポリイミド系有機-無機ハイブリッド材料
  6. ポリベンゾオキサジン
    1. 環状モノマーの合成
    2. 環状モノマーの開環重合
    3. 硬化物の特徴tと用途
  7. 新規ベンゾオキサジンモノマーの設計
    1. 強靭化に向けた分子設計
    2. 耐熱性向上に向けた分子設計
  8. 高分子量ベンゾオキサジンの分子設計
    1. 高分子量前駆体の合成
    2. 高分子量前駆体からの硬化物の特徴
  9. 高性能高分子との分子複合化
    1. 液状ゴムとの複合化
    2. ポリイミドとの複合化
    3. ビスマレイミドとの複合化
  10. 有機-無機ハイブリッド
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 スーパーエンプラPEEK/ベスタキープの特徴とその高性能化

(2012年10月4日 11:40〜12:50)

 自動車業界ではハイブリッドカーや電気自動車に代表されるエンジンからモーターへという大きな変化が、半導体業界では従来のPCなどからスマートフォンなどの携帯型の非常に小さいデバイスの爆発的な拡大が、弱電業界では従来の白熱球や蛍光灯からLEDという革命的な動きが進んでいる。
 こうした大きなイノベーションの変革の中、各種スーパーエンプラの中でも特に物性のバランスに優れるPEEK樹脂はその用途を大きく拡げつつある。
 このPEEK樹脂の基本的な特徴を解説、さらにダイセル・エボニックで開発した新しい機能を付与したベスタキープ-Jについて、その開発コンセプトや性能について紹介を行う。

  1. PEEK樹脂とは?
    1. PEEK樹脂の分子構造
    2. PEEK樹脂の合成
    3. スーパーエンプラの中のPEEK樹脂の位置づけ
    4. PEEK樹脂と結晶化現象
  2. Vestakeep/Vestakeep-Jの特徴
    1. Vestakeep/Vestakeep-J を生み、支える開発環境とは
    2. Vestakeepの特徴
      1. 物理的、機械的な物性とその温度依存性
      2. 化学的な物性
      3. 成形加工上の特性
    3. Vestakeep/Vestakeep-Jとその用途例
      1. 半導体分野
      2. 自動車分野
      3. 弱電分野
      4. その他
  3. 全く新しいVestakeep-J / 新しいコンセプトによる新しいVestakeep-Jシリーズ
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 フッ素樹脂の構造と耐ストレスクラッキング特性、耐久接着性及び高耐熱化

(2012年10月4日 13:40〜14:50)

 フッ素樹脂の開発歴史から現在の開発の動向並びに一般的な化学構造と耐熱特性を説明する。
 本講座では、その中で、具体的に、耐熱性を有するフッ素樹脂のストレスクラッキング特性と構造の説明並びに耐熱性を有する接着特性を有するフッ素樹脂の特性と構造の説明により、化学構造と耐熱特性を解説する。
 また、最後に、上記説明した応用例について説明する。

  1. フッ素樹脂の開発の歴史
  2. フッ素樹脂の特性
    • フッ素樹脂の種類及び分類
  3. フッ素樹脂の構造
    • 特にエチレンーテトタフルオロエチレン交互共重合体に関して
  4. フッ素樹脂の耐ストレスクラッキング特性
    • サーマルストレスクラッキング特性 (高耐熱化) と構造
  5. フッ素樹脂の接着特性
    • 高耐熱化の接着特性
    • 接着性フッ素樹脂の構造
  6. 他材料との積層化
    • 共押出多層成形
  7. 応用例 (積層ホース)
    • 自動車用高耐熱燃料ホース
    • 次世代の自動車用燃料ホース (高耐熱性、高燃料バリア性)
    • 高周波プリント基盤
    • 質疑応答・名刺交換

第4部 エポキシ樹脂の耐熱性向上のための分子設計と新規耐熱性エポキシ樹脂

(2012年10月4日 15:00〜16:30)

 エポキシ樹脂の耐熱性の向上には、網目鎖の①化学構造の制御と②橋かけ密度の向上の二つの方法が一般的である。
 化学構造の制御では、芳香核などの環状構造の導入、SO2などの極性基の導入、メソゲン基などの導入による充填密度の増加等が挙げられる。
 橋かけ密度の向上では、樹脂や硬化剤の多官能化と低分子量化、またその高純度化が重要となる。
 いずれの場合も、網目鎖の運動性の低下が耐熱性の向上につながる。
 これらの基本的な分子設計に基づいた最近の高耐熱エポキシ樹脂樹脂について、その構造や特性などを紹介する。

  1. 耐熱性向上のための基本的考え方
    1. 融点とガラス転移温度の関係
    2. 網目鎖の運動性とガラス転移温度
  2. 網目鎖の化学構造と耐熱性
  3. 橋かけ密度と耐熱性
  4. 新規な高耐熱エポキシ樹脂とその硬化物
    1. 多環芳香族を骨格とするエポキシ樹脂
    2. 脂肪族鎖からなる高耐熱エポキシ樹脂
    3. メソゲン基を骨格とするエポキシ樹脂
    4. Tg レスのエポキシ樹脂硬化物
    5. シルセスキオキサンを骨格とするエポキシ樹脂
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 竹市 力
    豊橋技術科学大学 環境・生命工学系
    名誉教授 / シニア研究員
  • 六田 充輝
    ダイセル・エボニック株式会社 テクニカルセンター
    所長
  • 西 栄一
    旭硝子(株) 化学品カンパニー 技術統括本部 開発部 機能商品開発室
  • 越智 光一
    関西大学 化学生命工学部
    教授

会場

連合会館

201

東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
連合会館の地図

主催

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  • 6コース : 通常受講料 : 315,000円 → 割引受講料 136,500円 (1コースあたり 22,750円)
  • 7コース以上 : 1名 (1コース)あたり 10,500円づつ加算
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