技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

打錠障害を解決する!

打錠障害を解決する!

~打錠障害をクリアーにする適正な造粒・打錠ノウハウと品質向上~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2012年9月27日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 打錠に関連する技術者
    • 医薬品
    • 食品
    • 化粧品 など

プログラム

 打錠時に発生するキャッピングやスティッキングなどの打錠障害をクリアーすることが、錠剤化において重要な製剤化技術である。
 錠剤は、粉体を高圧で、しかも高速で圧縮することによってつくられる。このような条件下では、錠剤内部における粉体密度に不均一化を生じる。このことが打錠障害を惹き起こす原因になっていると考えられている。
 また、打錠は前工程の混合、造粒工程で不具合があった場合、高い品質の錠剤を確保するために最新の打錠システムをもっても解決することは難しいとされている。
 そこで、本講演では、粉体の圧縮メカニズム、それぞれの打錠障害を起す原因とその改善法、打錠用顆粒のつくり方について解説する。さらに、製剤化のスケールアップと錠剤への異物混入と対策についても触れる。

  1. 粉体の圧縮機構および打錠障害とその改善法
    1. 粉体の圧縮メカニズム
    2. 走査型電子顕微鏡でみる粉体の圧縮
    3. 粉体の圧縮性評価
    4. 打錠して数時間経過後の錠剤硬度変化
    5. 打錠で要求される要素と要因
      • 粉体の流動性
      • 錠剤の含有水分
      • 圧力伝達と応力分布
      • 抜き出し力と側圧
    6. 主な打錠障害
      • キャッピング、ラミネーション
      • スティッキング、チッピング、ピッキング
      • バインディング、またはダイフリクション
      • 刻印の島抜け
      • ダブルパンチ、ダブル刻印
      • 打錠用粉粒体のターンテーブルへの固着
    7. キャッピングの機構および評価法とその改善方法
    8. キャッピングを防止する添加剤
    9. スティッキングの機構および評価法とその改善方法
    10. 打錠障害を防止する賦形剤と造粒法の選択
    11. 滑沢剤の効果 (滑沢剤の評価法)
    12. 滑沢剤の混合時間と展延状態
    13. 外部滑沢打錠法と内部滑沢法との比較
    14. 打錠用杵臼と損傷
    15. 金型セットにおける留意点
    16. 打錠機の金型 (杵) の管理方法と寿命
    17. 杵の耐圧性
  2. 適正な打錠用顆粒の製造法
    1. 日米における打錠用顆粒の製造法
    2. 各製造法で得られた顆粒の錠剤硬度の比較
    3. 打錠用顆粒として適切な造粒粒度
    4. 造粒の定義
    5. 原料物性と顆粒物性
    6. 原薬物性の改質
    7. PL値 (可塑限界)
    8. PL値の簡易測定法
    9. 攪拌造粒のメカニズム
    10. 攪拌造粒の事例 (攪拌羽根および解砕羽根の回転数等の影響)
    11. 流動層造粒のメカニズム
    12. 流動層造粒の事例 (噴霧速度、噴霧空気圧、噴霧液量、熱風温度等の影響)
    13. 攪拌造粒および流動層造粒の造粒制御
    14. 造粒法と結合剤添加方法による錠剤硬度
  3. 錠剤の製造における効率的なスケールアップの進め方
    1. 打錠におけるスケールアップでの問題点
      • 長時間運転によるキャッピングの発生
      • スケールアップによる滑沢剤量の影響
      • 打錠機の回転盤速度と錠剤硬度
    2. 製造工程と品質特性およびその変動因子の特定 (小型機での製剤化検討)
    3. 各工程で使用する製造機の機種の選定 (製造コストも考慮して)
    4. スケールアップの検討 (小型機に対応した大型機を用いた検討)
      1. 小型機での操作条件を大型機に適応する場合
        • 混合工程:V型混合機ではフルード数を一定とする。
        • 造粒工程:攪拌造粒では攪拌力または、フルード数を用いてスケールアップする。
        • 打錠工程:総圧縮時間が同じになるように打錠速度を設定する。
      2. 各工程の粉体挙動からみたスケールアップの考え方
        • 混合工程:移動混合、せん断混合、拡散混合
        • 造粒工程:流動層造粒における造粒物粒子径のリアルタイム測定
        • 乾燥工程:乾燥過程と乾燥速度曲線
        • 混合工程 (打錠前) :滑沢剤の粉粒体表面での展延状態
        • 打錠工程:打錠用顆粒の強度と錠剤硬度
    5. 各工程でのスケールアップにおいて発生するトラブル解決法
      • 粉砕工程:粉砕時の発熱
      • 混合工程:密度差がある粉体の混合および微量混合の留意点
      • 造粒工程:流動層造粒における含量均一性の確保
      • 混合工程 (打錠前) :実験機と同一物性の錠剤が得られるよう生産機での混合時間を設定する。
      • 打錠工程:スケールアップにおける打錠障害と対応
      • コーティング工程:コーティングの均一性が得られるようバッフルの種類の選択、コーティング時間を設定する。
  4. 錠剤の異物混入による外観不良低減
    1. 錠剤への異物混入と対策
      • 昆虫
      • 人体、衣類、書類、備品から混入する異物 (毛髪、傷テープ、糸くずなど)
      • 打錠機から混入する異物 (油塵物質、フエルト片、ペンキの剥離など)
    2. 国内の苦情事例
    3. 医薬品回収の原因
    4. 錠剤の異物汚染特性要因図
    5. 毛髪の混入防止管理
      • 持込防止対策
        (服装条件や毛髪除去作業手順など網羅した入退室基準を定める)
    6. 防虫対策
      • 昆虫相調査
        (捕獲された昆虫を同定し、虫の分布状態、発生場所、発生原因、侵入箇所などを推定)
      • 侵入経路別グループと防虫対策等
    7. 異物混入の原因と対策
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 阪本 光男
    秋山錠剤 株式会社 品質保証部 製剤開発課
    顧問

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

4F 研修室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/10 再生医療を含めた国際共同治験の進め方と各ステージ毎における対応手法 オンライン
2024/12/10 医薬品開発段階での処方・製法変更におけるBE試験の考え方と生物学的同等性確保のための開発戦略 オンライン
2024/12/10 中小製薬企業のためのテーマ創出・研究開発・製品戦略の策定・推進 オンライン
2024/12/10 QMS構築によるオーバークオリティ判断と治験効率化にむけた活用 オンライン
2024/12/11 錠剤、カプセル剤等食品 (サプリメント) へのGMP実施 (2026年9月) にむけた理解と対応 オンライン
2024/12/11 医薬品ライセンス基礎講座 2日間講座 オンライン
2024/12/11 開発段階に応じた治験薬GMP対応とICH Q14 (分析法の開発) への取り組み オンライン
2024/12/11 炎症性腸疾患における治療・薬剤選択の実際と今後の展望 オンライン
2024/12/11 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2024/12/11 食品安全と問題解決を実践するための食品工場の品質管理セミナー オンライン
2024/12/11 動物用医薬品・体外診断薬における薬事規制と国内外市場動向 オンライン
2024/12/11 ADCを含む次世代抗体医薬の知財戦略および強い特許明細書・クレームの書き方 オンライン
2024/12/11 EUの包装及び包装廃棄物規則 (PPWR) と今後の日本の対応 オンライン
2024/12/11 EU規制をベースにしたPharmacovigilance監査の基礎 オンライン
2024/12/11 医薬品開発におけるマーケティングリサーチ手法およびデータの捉え方・活用のポイント オンライン
2024/12/11 標準品の品質試験法設定の基礎と注意点 オンライン
2024/12/12 開発段階 (求められる要件) に応じたQbDによる製剤開発と品質規格・Validation実施範囲 オンライン
2024/12/12 GLP省令の基礎知識とGLP試験における現場調査 (試験操作調査と施設調査) 手法 オンライン
2024/12/12 バイオ医薬品の原薬製造における外来性感染性物質のクリアランスと安全性試験 オンライン
2024/12/12 残留溶媒に関する規制と申請上の留意点、規格値設定の考え方 オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/9/29 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの市場実態と将来展望 2020-2023 (書籍版 + CD版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/4/26 包装・工業用PETフィルム&飲料・食品用PETボトルの市場分析
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (製本版+ebook版)
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2020/10/30 クリーンルームの微小異物・汚染物対策と作業員教育
2020/9/30 食品容器包装の新しいニーズ、規制とその対応
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集
2020/4/27 各国要求及び治験環境と現地の実情
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書