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リチウムイオン電池のドライ電極の作製技術と製造プロセスの設計

リチウムイオン電池のドライ電極の作製技術と製造プロセスの設計

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、リチウムイオン電池のドライ電極の作製技術について基礎から解説いたします。
また、粉体のみでの電極作製、バインダーや導電助剤に求められる特性、電極製造プロセス・連続生産技術、ポリマー繊維化・DSD技術を詳解いたします。

開催日

  • 2025年10月29日(水) 10時00分17時00分

受講対象者

  • リチウムイオン電池の技術者、開発者、研究者、生産技術担当者
  • バッテリーの電極製造に携わる技術者・開発者・研究者

修得知識

  • バインダーの基礎知識
  • 現行ウエットプロセスの特長と問題点
  • ドライプロセスの種類と量産可能な技術
  • ドライプロセス開発の現状
  • LIBドライ工程の製造方法
  • 従来方式との違い
  • リチウムイオン電池電極の連続生産効率化手法、要点
  • ドライ電極プロセスへのグラフェン適用効果の一例
  • ドライ電極プロセスのLi-S二次電池への展開
  • グラフェンおよびLi-S二次電池の基礎

プログラム

第1部 リチウムイオン電池のドライプロセスの特徴と材料・工程の課題

(2025年10月29日 10:00〜11:30)

 昨今話題のドライプロセスについて材料、特にバインダーの切り口から解説します。ドライプロセスと比較する意味で現行の塗工法 (ウエットプロセス) のバインダーについても説明いたします。また、ドライプロセスの現状という意味で、新聞記事などから市場の状況も解説したいと思います。

  1. リチウムイオン電池の電極
    1. LiBは何で出来ているか?
    2. 現行LiBのセル製造プロセス
  2. ウエットプロセス
    1. ウエットプロセスの概要
    2. ウエットプロセスの長所・短所
    3. 水系正極塗工について
  3. ドライプロセス
    1. ドライプロセスの種類
    2. Polymer fibrillation
    3. Dry spraying deposition
    4. パナソニック4680電池の負極
    5. クレイ電池
    6. その他のドライプロセス
  4. ドライプロセスのメリット・デメリット
    1. ドライプロセスのメリット
    2. ドライプロセスの問題点・課題
    3. バインダーからのアプローチ
  5. その他ドライプロセス関連の記事より
    • 質疑応答

第2部 ドライLIBプロセス技術と最新動向

(2025年10月29日 12:10〜13:40)

 EV普及のために大量に必要なLIBを迅速かつ安価で供給するために、数年前からテスラが牽引してスラリー塗工によるWet工程ではなく粉体混合から圧延するドライ工程が開発され実際にテスラのモデルYにはドライ製造された円筒型4680が実用化されている。日本・欧州・韓国・中国も追随して2025年はドライ化が一気に加速している。このセミナーでは、外資系企業を数社渡り歩いた講師が独自ルート情報を元にドライ工程情報を解説する。

  1. 衝撃のBattery Day (2020.9.23) と各社の動向
    1. “Tesla Battery Day Livestream With EV Source”, (2020/9/23)
    2. ドライ電極コーティング: EVへの展開
    3. 日本・欧米・韓国・中国企業の動向
  2. Maxwell Technologiesからテスラへ
    1. テスラのLIB「4680」開発・製造動向
    2. Maxwell Technologiesのドライ技術
    3. のフィブリル化と実際の製造プロセス
  3. バインダー (PTFEはフィブリル、PVDFはモス)
  4. ドライとウェットの違い (間隙・膜強度)
    1. ドライ電極の課題と研究開発動向
    2. 混合状態の数値化
  5. 粉体の混合とプレス技術 (スリップからニップへ)
    1. LIB電極材のフィブリレーション
    2. ドライ成膜の混合強度と導電助剤被覆率
    3. ロール間の粉体圧密 (ニップによるプレス)
    4. 圧延の幅分布と対策
    5. 圧延前の粉体混合 (ロールミル・ビーズミル・コーンミル・ジェットミル)
    6. 微粒子の気相分散・分級メカニズムの解明と高性能化
    7. 粒子間付着力に及ぼす湿度と表面構造の影響
    8. 静電方式 (AM Batteries/ATL)
  6. 正極は? PFTEの還元は?
  7. 各社の特許出願
    • 質疑応答

第3部 電極スラリー/ドライ電極の連続生産技術

(2025年10月29日 13:50〜15:20)

 バッチ生産と連続生産はメリットデメリットが逆であることが多く、生産量と品質管理が懸念となることが多いです。BEVのように大量生産が求められる場面では連続生産による効率化は非常に有効と考えています。一方、インライン品質管理システムの開発によって品質の問題も解決しつつあり、製造技術によってBEVの普及に貢献し、自動車産業の下支えの一員になれれば幸甚です。

  1. バッテリーの製造コストと2軸混錬機による連続生産技術
    1. 軸混錬機による連続生産の品質安定化と品質管理
  2. 電極製造時のドライプロセス
    1. 電極スラリー/ドライ電極の連続生産技術
    2. 連続生産の効率化手法と要点
    3. 連続生産の品質管理
    • 質疑応答

第4部 ドライ電極プロセスへのグラフェンの適用ならびにLi-S電池

(2025年10月29日 15:30〜17:00)

 ドライ電極プロセスを適用したリチウムイオン二次電池は、環境対応・コストダウン・高性能化などが期待でき、世界中で研究開発が行われている。すでに実用化され、普及に向けた取り組みが進行している。ドライ電極プロセスのさらなる普及加速のためには、新規材料や次世代/革新電池系への適用展開が不可欠である。本講座では、導電助剤として期待されているグラフェン、ならびにSDGs達成のキーとなる次世代軽量電池の1つとして注目されているリチウム-硫黄二次電池 (Li-S二次電池) をキーワードに、ドライ電極プロセスの可能性を紹介する。

  1. 株式会社ADEKAの紹介
  2. リチウムイオン二次電池における導電助剤の役割と種類
  3. グラフェン
  4. 導電助剤としてのグラフェンの機能
  5. ドライ電極プロセスへのグラフェンの適用効果
  6. リチウム-硫黄二次電池 (Li-S二次電池)
  7. Li-S二次電池用の正極活物質:SPAN
  8. Li-SPANセルの特性:汎用プロセス
  9. Li-SPANセルの特性:ドライ電極プロセス
  10. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 鈴木 孝典
    株式会社スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング
    代表取締役
  • 浜本 伸夫
    AndanTEC
    代表
  • 吉川 良平
    ビューラー株式会社 粉砕分散事業部
    部長
  • 撹上 健二
    株式会社ADEKA 環境材料本部 電池材料開発研究所 電池材料評価室
    室長 兼 バッテリースペシャリスト

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

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