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樹脂用添加剤におけるブリードアウト・ブルーム現象の発生機構とその制御・対策

樹脂用添加剤におけるブリードアウト・ブルーム現象の発生機構とその制御・対策

~応力、変形挙動、厚み精度、表面構造とフィルム物性との相関性 / テンション制御、延伸温度と速度、溶融粘度の条件最適化 / 衝撃性低下、透明性低下、破断現象、肌荒れ、偏肉、ボーイング、ネッキング、ドローレゾナンス等、各種トラブルと対策~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、樹脂用添加剤について取り上げ、樹脂用添加剤におけるトラブルの原因と対策・未然防止策、耐久性の低下、変色や白化、キズなどの樹脂外観への影響、添加剤の溶けやすさ拡がりやすさ、樹脂と添加剤の付着強度の経時変化の影響について詳解いたします。

開催日

  • 2025年7月14日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 樹脂・フィルム・ゴムなどにおけるブリード・ブルーム現象の概要とその対策

(2025年7月14日 10:00〜11:30)

 樹脂・ゴムなど工業化された高分子材料は、劣化・変質の危険性を孕んでおり、変質防止と性能・機能の効果的な発現のために各種の添加剤が配合されて用いられている。一方、樹脂ゴム材料は、成形加工、製品保管、製品使用などの各工程において温度や剪断条件の異なる各種環境下に置かれることになる。材料中の添加剤や高分子成分は、成形条件によって、或いは高分子材料本体との親和性の程度によって、高分子成形品表面にまで拡散・漏出して、意図せぬ模様を発生させることがあり、外観特性の低下として嫌われる。
 本講座では、この現象の発生機構の考え方と、他の外観特性異常との違いや見分け方について述べ、ブリードアウト・ブルームの防止法について解説する。

  1. ブリードアウト・ブルーム現象
    1. 成形不良とブリードアウト・ブルーム現象の見分け方
    2. ブリードアウト・ブルーム発生機構の理論:拡散と溶解度
  2. 樹脂・ゴム材料におけるブリードアウト・ブルーム現象
    1. 添加剤の種類と処方
    2. ブリード・ブルーム成分の種類
    3. 樹脂・ゴム材料におけるブリードアウト・ブルーム現象の実例
  3. ブリード成分の同定と解析
    1. 分離抽出
    2. 機器分析
    3. 簡易分析
  4. ブリードアウト・ブルーム現象の制御と活用
    1. 樹脂・ゴム材料におけるブリードアウト・ブルーム防止の考え方
    2. ブリードアウト・ブルーム防止技術や処方の実例紹介
    3. ブリードアウト・ブルーム制御による機能発現
    4. ブリード制御による商品設計
  5. まとめ
    • 質疑応答

第2部 帯電防止剤および導電剤のブリードアウトおよび 脱落現象とその制御法

(2025年7月14日 11:40〜13:10)

 帯電防止剤および導電剤のブリードアウトおよび 脱落現象とその制御法につき 文献・特許や実際の事例をもとに基礎的に解説する。

  1. はじめに
    1. 帯電防止剤と導電剤の基礎
    2. ブリードアウトおよび脱落現象とは
  2. ブリードアウトと脱落因子について
    1. ブリードアウトと脱落が引き起こす問題
    2. ブリードアウトおよび脱落関与因子
    3. ブリードアウトおよび脱落現象分析法とその実際
  3. 各種帯電防止剤および導電剤のブリードアウトおよび脱落現象
    1. 帯電防止剤
      1. 界面活性剤
      2. 親水性高分子
      3. その他
    2. 導電剤
      1. カーボンブラック
      2. ナノ炭素
      3. 導電性高分子
      4. その他
  4. ブリードアウトおよび脱落コントロール法
    1. 相溶性、溶解性の観点からー溶解度パラメーター (SP値) の意義ー
    2. 分子量、形態、構造の観点からー拡散速度制御ー
    3. 文献・特許等にみられる方策例
    • 質疑応答

第3部 難燃剤のブリードアウト現象と対策 – PPを中心に –

(2025年7月14日 13:50〜15:20)

 難燃剤はプラスチックの難燃性を付与するという利点があるが、ブリードアウトする という問題点がある。本講は、現場での実際のブリードアウトによる問題、及びその対策について解説する。

  1. 難燃化技術概要
    1. プラスチックの燃焼機構
    2. ロゲン系難燃剤の難燃機構
    3. ノンハロ系難燃剤の難燃機構
  2. ハロゲン系難燃剤のブリードアウト現象と対策
    1. ブリードアウト現象 – 化学構造とブリードアウト性の関係 –
    2. 難燃剤のブルーミング対策 – 第3成分の添加 –
  3. ノンハロ系難燃剤のブリードアウト現象と対策
    1. ポリリン酸アンモニウム
    2. リン酸アミン塩
    3. リン酸エステル
    4. 赤燐
    5. ホスファゼン
    6. 水酸化マグネシウム
    • 質疑応答

第4部 ブリード物の定性・定量と状態分析の進め方

(2025年7月14日 15:30〜17:00)

 ブリード物の定性と定量を中心に分析法を解説する。分析研究者によって使用できる分析装置が異なるので、特定の手法に偏ることなく、最新の分析装置の威力から、普通の装置を使う素朴な分析法まで幅広く説明する。

  1. 総論
  2. ブリード物の定性・定量 (1) :そのままで測定する方法
    1. 分析指針
    2. 赤外・ラマン分光法
    3. XPS法
    4. XMA法
    5. 固体質量分析法
  3. ブリード物の定性・定量 (2) :溶媒で分離してから測定する方法
    1. 前処理:溶媒洗浄法
    2. 赤外による分析
    3. 紫外による分析
    4. NMRによる分析
    5. クロマトによる分析
    6. 比色法による分析
  4. ブリード物の定性・定量 (3) :機械的に分離してから測定する方法
    1. 前処理:擦り落とし法
    2. 分析法:赤外他
  5. ブリード物の定性上の注意
  6. ブリード物の状態分析
    1. 分析指針
    2. 表面におけるブリード物の分散状態の観察法
    3. 深さ方向における添加剤濃度分布の解析法
    4. 添加剤の拡散速度の評価法
    • 質疑応答

講師

  • 今井 昭夫
    テクノリエゾン事務所
    代表 / 研究開発・技術提携・事業企画コンサルタント
  • 石原 英昭
    P&P リサーチ
    代表
  • 伊藤 浩志
    山形大学 大学院 理工学研究科 機能高分子工学専攻
    教授
  • 佐藤 隆 (日本ゼオン)
    日本ゼオン株式会社 総合開発センター 生産技術研究所
    主席研究員

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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