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ポリマーアロイにおける相溶化剤の使い方、分散条件の設計、評価解析

ポリマーアロイにおける相溶化剤の使い方、分散条件の設計、評価解析

~リサイクル樹脂とのアロイ化における課題 / アロイ化した樹脂の物性評価や構造解析のコツ / 高強度化、熱・光・電気特性の向上、生分解性樹脂、バイオポリマーの機能補填~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ポリマーアロイについて基礎から解説し、ポリマーアロイの構造、ポリマーアロイの成形加工、今後のポリマーアロイについて詳解いたします。
ポリマーアロイに関する幅広い知識が得られ、新規ポリマーアロイ材料を作るための材料設計に対する考え方を理解していただけます。

開催日

  • 2025年6月11日(水) 10時00分 17時10分

プログラム

第1部 ポリマーアロイの基礎、概要

(2025年6月11日 10:00〜11:30)

 ポリマーアロイは高性能高分子材料の開発に重要である。本講演ではその定義や歴史、物理的特性、相容化剤の効果を説明する。さらに、リアクティブプロセッシングの構造制御や押出機を用いた新規開発事例を紹介し、今後の展望を述べる。

  1. ポリマーアロイの基礎
    1. ポリマーアロイの定義
    2. ポリマーアロイの歴史
    3. 相溶性と相容性
    4. 相図と熱力学
    5. 相容化剤の種類・効果
    6. リアクティブプロセッシング
  2. ポリマーアロイの成形加工
    1. 溶融混錬押出
    2. 高L/D二軸混錬押出機とリアクティブプロセッシング
    3. 特殊溶融混錬機による新規ポリマーアロイの開発
  3. 今後のポリマーアロイ
    1. 超分子とポリマーアロイ
    2. 資源循環社会とポリマーアロイ
    • 質疑応答

第2部 ポリマーアロイのモルフォロジー制御による物性制御について

(2025年6月11日 11:40〜12:40)

 高分子材料をアロイ化する目的は、さまざまな物性を制御することにある。本講演では、相溶性の制御や相分離モルフォロジーのナノスケールでの調整が、物性の制御においていかに重要であるかを、具体例を交えながら基礎から分かりやすく解説する。

  1. ポリマーアロイ・ブレンドの基礎
    1. ポリマーアロイの定義と分類
    2. 混合自由エネルギーと相図の関係は?
    3. 相互作用パラメーターと溶解度パラメーターの違いは?
    4. ランダム共重合体 (RCP) の相溶性
  2. ポリマーアロイ・ブレンドの構造形成と制御
    1. 相分離の動力学
    2. ポリマーブレンドの界面
    3. 流動場による構造制御
    4. ブロック共重合体のミクロ相分離構造
    5. 相容化剤 (Compatibilizer) の選び方
    6. リアクティブブレンディングによる構造制御
  3. ポリマーアロイ・ブレンドの物性
    1. 相溶系の物性
    2. 相分離系の物性 (力学モデルによる理解)
    3. 相構造と耐衝撃性
    • 質疑応答

第3部 樹脂リサイクル用相溶化剤とその応用について

(2025年6月11日 13:30〜14:10)

  1. 相溶化剤「マリコン」による樹脂の相溶化
  2. 樹脂相溶化の事例 (ポリエチレン樹脂/ポリエステル樹脂)
  3. 積層フィルムリサイクルへの応用例
  4. 今後の展望
    • 質疑応答

第4部 パルスNMRによるポリマーアロイ/ブレンド系の評価

(2025年6月11日 14:20〜15:10)

 パルスNMRでは「分子運動性」の評価を通じて、ポリマー材料の高次構造 (結晶性、相分離、架橋) の知見が得られる。
 本講座では、基礎的な内容に加え、ポリマーアロイ/ブレンド系を中心に種々ポリマー材料の相分離構造や相溶性の評価事例について解説する。

  1. パルスNMRとは
    1. パルスNMRの特徴
    2. 測定原理
    3. 横緩和時間T2と分子運動性
    4. 緩和時間データ解析例
  2. パルスNMRによるポリマーの分子運動性評価と高次構造の推定
    1. ブロックPPの分子運動性と高次構造解析
    2. ポリウレタンの相分離構造解析
    3. エラストマー入りエポキシ樹脂の架橋および相分離構造解析
  3. パルスNMRによるポリマーアロイ、ブレンド系の相分離構造の推定
    1. ジブロックコポリマー (PS/PI) の相分離構造解析
    2. 合成曲線を用いたブレンドポリマーの相溶性の解析
    3. PLA/PMMAブレンド系における相分離サイズ の解析
    • 質疑応答

第5部 ポリマーアロイ/ブレンドの三次元観察

(2025年6月11日 15:20〜16:10)

  1. ポリマーアロイ/ブレンドの三次元構造
    1. 相分離構造と三次元観察の意義
    2. ポリマーアロイ/ブレンドの三次元観察手法
  2. X線断層撮影法 (X線CT)
    1. X線CTとは
    2. X線位相コントラストと高分子撮影の利点
    3. X線位相CTの開発
    4. 顕微X線位相CTへの展開
  3. X線位相CTによるポリマーアロイ/ブレンドの観察
    1. シンクロトロン放射光による実験
    2. 実験室での実現に向けて
  4. 今後の展望
    • 質疑応答

第6部 アロイした物の評価・解析、その応用について

(2025年6月11日 16:20〜17:10)

 ポリマーアロイ・ブレンドの基礎として、言葉の定義に始まり、一般的な特性 評価方法の概説を行う。最後に基礎物性評価として、講師らの最近の研究 例も交えて講演する。

  1. 定義と概説
    1. ポリマーアロイ、ブレンドの用語と定義
    2. ブロック共重合体
  2. ポリマーアロイ、ブレンドの相平衡と相分離
    1. 相溶性と相図
    2. 相分離と構造形成 2.3 界面
  3. ポリマーアロイ、ブレンドの構造解析
    1. 光学顕微鏡、電子顕微鏡、走査型プローブ顕微鏡
    2. 散乱法
      • X線
      • 中性子
    3. 磁気共鳴法
      • NMR
      • ESR
    4. 熱測定
    5. その他
  4. ポリマーアロイ、ブレンドの構造と基礎物性評価
    1. 相溶性ブレンドのガラス転移温度 (Self-concentration効果)
      • DSC測定による観察
      • ESR測定による観察
    2. ブロック共重合体の相分離構造界面の分子運動性
      • ESR測定による解析
    3. 非対称性ABA‘型トリブロック共重合体の相分離構造の特徴
      • 小角X線散乱による解析
      • DSC測定による解析
    4. SAXS、SANS、POMによるブロック共重合体の相挙動解析
      • 小角X線散乱による解析
      • 小角中性子散乱による解析
      • 変更顕微鏡観察による解析
    • 質疑応答

講師

  • 西辻 祥太郎
    山形大学 大学院 有機材料システム研究科
    准教授
  • 浦川 理
    大阪大学 理学研究科 高分子科学専攻
    准教授
  • 鞍谷 裕嗣
    大阪ガスケミカル株式会社 ファイン材料事業部 営業部長
    部長
  • 藤村 修平
    株式会社 三井化学分析センター 材料物性研究部
  • 新居 理咲子
    株式会社 三井化学分析センター 材料物性研究部
  • 百生 敦
    東北大学 多元物質科学研究所
    教授
  • 山本 勝宏
    名古屋工業大学 大学院 工学研究科 物質工学専攻 生命・物質工学科類
    准教授

主催

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: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
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  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 220,000円(税別) / 242,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 250,000円(税別) / 275,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
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  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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