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自動車シートの座りを人間工学の眼で観る

自動車シートの座りを人間工学の眼で観る

~座姿勢の身体負担はどこまで軽減可能か~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、講師のこれまでの経験をもとにシートづくりの基礎から解説し、座り心地向上のシートづくりやAI自動車運転の実用化に伴う新たなシートづくりの参考になるノウハウを詳解いたします。

開催日

  • 2024年5月28日(火) 12時30分 16時30分

受講対象者

  • 座りに関わる企画・開発・設計担当者
  • 座りに関わる販売・営業担当者
  • 座りに関心のある方

修得知識

  • 生活における座りの意味と人間工学応用の真意
  • いす・シートの役割と機能条件
  • いすとベッドの共通点とその意味
  • 座具における座りの常識と非常識

プログラム

 若者の自動車離れ、高齢ドライバーによる交通事故の急増、AI (人工知能) 自動車の出現、地球温暖化など人間にとって便利であった自動車がマイナスの要素を表出する時代になった。
 時代が変わっても、自動車の運転姿勢や乗車姿勢は、座姿勢以外には考えられない。床に足が着き、臀部・大腿部・背面・後頭部などがシートに接する姿勢であることから、シートは身体部位をうまく支持する役割を備えていなければならない。
 果たしてこれらの機能を満たすシートは存在するのであろうか、気になるところである。
 近年、量産化されるいす・シートの多くの設計は、CADによるものであり、手書きによる原寸図の設計は姿を消してしまった。いす・シートは「建築・室内・人間工学」の分野では「人体系家具」として扱われ、原寸図に必要とされる寸法・角度などを記載してきた。原寸図では1mmの寸法や1°の角度を記載することができ、これらが着座姿勢や座り心地に大きな影響を与えることは原寸図をひいてみないと理解できない。
 従って、設計段階から人体といす・シートとの関係性が希薄になり、完成品が身体に合わない、違和感があるなど、座り心地のよさとはかけ離れたいす・シートができあがってしまう。いすは、「体具」と言われるように人体とダイレクトに関わるものとして扱わなければならない。
 知人のいすデザイナーであるI氏は、いすの人間工学をマスターした唯一のデザイナーである。そして未だに手書きによるいす設計を行っている、まさに達人の取り組み方であると評価をしている。その意味は、 (1) 人間工学の学術的知識の習得、 (2) 原寸図によるいす設計とアナログ的なアプローチ、が完成度の高いいすづくりに至っていることは間違いない。そして、彼の作品には常に合格点がつく。いす・シートに関わる人々は、この意味を忘れてはならない。
 仮に量産シートであっても、彼の様に座りの基礎を身につけているならば、合格点に近いシートづくりが可能となる筈である。これは、私の50年を超える「座・姿勢研究」の経験から断言できる。
 日本におけるいす生活の歴史は極めて短い。座り方も選び方も、そして造り方も誰も教えてくれない。それ故に日本におけるいす・シートづくりは、視覚的に評価が高くても座り心地を備えた座具が多く誕生しないのは当然のことと言わざるを得ない。
 いま思うに、文科省が子供たちに座ることの意味や座り方を教えていたならば、視力の低下防止、猫背姿勢の回避など、健康面における効果が期待でき、いすの座り方や選び方を正しく理解できていたであろうと残念でならない。
 そこで、欧米諸国に劣らないいす・シートの製作を目標として「いすづくり」や「いす使い」に欠かせない基礎的知識をお伝えしたい一心で、本セミナーを引き受けることにした。
 AI自動車に多くの関心と期待がされる中で、日常生活における着座姿勢は、人間の寿命を短くするという研究結果が公になり、家具メーカーに大きな影響を与えた。そして、座り姿勢が悪もの扱いされるようになった。
 人体の骨格構造を姿勢と重力の観点からみると、座姿勢は人体に無理を強いる姿勢であることは明白である。このことを生活者やメーカー、マスコミなどに繰り返し伝えてきたが、残念ながらいす・シートづくりの現場にはその声が届かない。
 いす・シートの研究に関わって50年を超える。これまでにシートセミナーの開催は1989年から6社において30回程になる。多い時は1社のセミナーを年間2回開催したこともあり、これらのセミナーにご参加をいただいた方々の中には、シートデザインやシート研究などの第一人者として活躍されておられる方がおられ、講師冥利に尽きる。
 本セミナーでは、これまでの経験をもとに「シートづくりの基礎」としての知識をお伝えすることにより、座り心地向上のシートづくりやAI自動車運転の実用化に伴う新たなシートづくりのヒントになる様にセミナーのお手伝いをすることにした。
 長引いたコロナ禍の中で、移動手段が一時的に公共交通機関から自動車へ移行するなど、自動車の優位性が評価された実情を鑑み、更なるシートづくりに向けて役立つならば幸いである。

  1. デザインとは何を意味するか?
  2. 「座姿勢」は悪なのか?
  3. いす・シートづくりを教育の側から観る
  4. 「知らないで」いす・シートづくり
  5. いす・シートづくりには「人間工学」の活用を!
  6. 「座姿勢」の身体的負担とは?
  7. いすづくりとベッドづくりの共通点は?
  8. いす・シートづくりには「いすの支持面のプロトタイプ」が!
  9. 人体支持具としてのベッド
  10. 事務用いす、車いす、座椅子
  11. いすの座り方と選び方
  12. 「体圧分布図」で何が分かる?
  13. 「寝具の三層構造」はクッション材料の原理原則
  14. 運転姿勢に影響するシートの条件
    1. シートの着座位置の調整
    2. 初期の自動車用シートの調査・研究
      • シートのクッション性の嗜好性
      • 長時間運転におけるシートの評価
    3. 調査・研究結果による提案
    4. 参考文献
  15. 鉄道車輛用腰掛
  16. 航空機シート
  17. シートづくりの原理原則と具備すべき条件
  18. 作る側にも使う側にも「座育」のすすめ
  19. 着衣とシート表皮材との相性
  20. ドライバーズシューズとフロア材
  21. 骨盤サポートの効果と応用
  22. AI自動車と「明日に向け、次世代に向けて」のシートづくり

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

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  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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