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CMC試験担当者に向けた基礎知識の徹底 (全3コース)

CMC試験担当者に向けた基礎知識の徹底 (全3コース)

~信頼性基準 / 分析法バリデーション / 統計解析~
オンライン 開催

開催日

  • 2023年10月30日(月) 10時30分 16時30分

修得知識

  • QC/QA実施のポイント
  • 生データの取扱い
  • ミス事例の知識
  • データの信頼性確保の方法
  • 「信頼性の基準」に関する知識
  • データインテグリティに関する基礎的知識

プログラム

CMC試験における信頼性基準適用の考え方と生データの取扱い及びQC/QAの指摘事例

 CMC試験における「信頼性の基準」適用試験について、【入門編】として、問題事例などを紹介しながら、信頼性基準適用の考え方を分かりやすく解説する。
 医薬品申請のための試験では、生データの取扱いと、それに基づく試験報告書作成、さらには、再分析に付随する不採用データや逸脱への対応と品質システムのあり方が信頼性確保の基本になる。
 本セミナーでは定量試験から定性試験、さらには構造決定試験におけるQC/QA実施のチェックポイントを踏まえて、試験担当者がミスしやすい例やQC/QAで見落としやすい例を交えて紹介する。
 さらに、データインテグリティでは、その背景や基本要件を解説し、FDAの Warning Letterの例などを紹介する。データインテグリティで要求されていることも、「信頼性の基準」と同様な考え方でかなり理解できることが分かるであろう。

  1. 申請資料の信頼性の基準の3要件
    1. 信頼性確保の基本
    2. 生データに関する信頼性確保の課題と3要件
    3. 「申請資料の信頼性の基準」が制定された経緯
  2. 信頼性確保の課題
    1. 品質システムの構築
    2. チェック体制 (QAとQC)
    3. 品質向上、維持の課題 (教育訓練ほか)
  3. 生データの定義
    1. 生データとは
    2. データ区分の明確化
  4. データ及び記録の取扱いと問題事例の紹介
    1. データと記録
    2. 訂正などの方法
    3. データの確認と承認
    4. 生データの保存
      1. 試験に関する生データ
      2. 機器や施設に関する生データ
      3. 生データの複写
    5. 初心者が犯しやすいミス
  5. ワークシート,データファイルの取扱い
    1. ワークシートの設計
    2. 実験ノートの運用
    3. 試験記録の取扱い
  6. 「信頼性の基準」適用試験の手順と品質を向上させるための施策
    1. SOPの整備と機器の保守管理
    2. 記録の徹底
    3. セルフチェックと第3者チェック
    4. 予期せぬ出来事への対応、再測定と不採用データ
    5. 教育訓練と資格認定
  7. 電磁的データ及びCSV (ごく簡単に)
    1. 電磁的データでまず用意すべき文書
    2. Part11及びER/ESとCSVの関係
    3. GAMP5
    4. CSV実施の手順の概略
  8. データインテグリティ
    1. データインテグリティとは
    2. データの完全性とは
    3. なぜ今、データインテグリティか?
    4. ALCORとは (データインテグリティの要件)
    5. ALCOA+
    6. メタデータ
    7. 監査証跡 (Audit Trail)
    8. データインテグリティの発端事件
    9. FDAの Warning Letterの例など
    10. FDA Form483の例
    11. データインテグリティのまとめ
  9. QC/QA実施のポイントと、見過ごされやすい問題事例の紹介
    1. QC実施のポイント
      1. どこでミスしやすいか
      2. 根拠資料がない!
      3. 生データにおける指摘
      4. 再測定、不採用データ
      5. 機器管理における指摘
      6. 試料管理における指摘
      7. その他の指摘
    2. 定量試験、定性試験の共通事項
    3. 定量試験での留意点
    4. 構造決定試験での留意点
    5. QCとQAの違いについて
  10. Quality Culture
    1. Quality Cultureとは
    2. Beyond Compliance
    • 質疑応答・名刺交換

分析法バリデーションのための統計解析入門と各パラメータの具体的な計算方法

 分析法バリデーションでは統計解析を利用する場面にしばしば遭遇するが、多くの分析担当者は統計の意味や背景を理解することなく利用しているのではなかろうか。そのため、ときには間違った方法で計算してしまったり、正しい計算方法であっても不安がぬぐえないままになっている人は多いと思われる。
 本講座では、分析法バリデーションに必要な統計学の背景とその意味を解説し、その活用法について図形的なイメージで出来るだけ直感的な理解をしていただこうと思う。たとえば、正規分布やt分布、χ2分布、F分布などの特性を理解し、そこから信頼区間の推定への応用について解説するが、その解説では分布曲線の図形的な理解を通じて、統計学の直感的な理解を目指している。また、その過程で必要なExcelの利用方法についても解説する。
 その上で、分析法バリデーションの各パラメータの具体的な計算方法について、Excel演習を交えて解説する。

  1. 統計学の基礎的事項
    1. 「母集団と標本」及び「統計学でよく使われる記号」について
      1. 目的は標本から母集団を推定すること
      2. 初心者は記号でつまずきやすい
    2. 平均値と分散、標準偏差
      1. データを分布グラフに、そして平均値、確率へ
      2. 平均値は期待値である
      3. バラツキの評価
      4. 不偏推定量
      5. 不偏分散や不偏標準偏差はなぜ (n – 1) で割るのか
      6. エクセル (Excel) の関数を利用する
      7. 連続型の分布、確率密度関数
    3. 統計学の基本定理
      1. 平均の平均とは?
      2. 中心極限定理
      3. 中心極限定理を体感しよう
  2. 正規分布とその周辺及び信頼区間
    1. 正規分布
      1. 正規分布とは
      2. 正規分布曲線とその性質
      3. 標準正規分布
      4. 正規分布の確率をエクセルで (NORMSDISTの応用)
      5. NORMSDISTの逆関数 (NORMSINV)
    2. 標本平均から母平均を推定する (正規分布からt分布へ)
      1. 母分散が既知の場合
      2. 母分散が未知の場合 (t分布)
      3. t分布曲線について
      4. t分布をエクセルで
      5. t分布の逆関数 (エクセルのTINV)
    3. 標本分散から母分散を推定する (χ2分布へ)
      1. χ2分布
      2. χ2分布曲線について
      3. χ2分布をエクセルで
      4. χ2分布の逆関数 (エクセルのCHIINV)
      5. F分布
      6. 仮説検定のさわり
  3. 分析法バリデーションへの応用
    1. 直線性、検出限界、定量限界
      1. 直線性における要求事項
      2. 検出限界における要求事項
      3. 定量限界における要求事項
      4. 最小二乗法によって回帰直線を求める
      5. エクセルのグラフ機能や関数で回帰直線を求める
      6. エクセルの分析ツールで回帰直線を求める
      7. y切片の95%信頼区間を計算する
      8. 回帰直線から検出限界、定量限界を推定する
      9. 検出限界の推定式にある「3.3」の意味
    2. 真度
      1. 真度における要求事項
      2. 真度の計算例
    3. 併行精度
      1. 併行精度の要求事項
      2. 併行精度の計算例
    4. 室内再現精度
      1. 室内再現精度の要求事項
      2. 室内再現精度と分散分析、F分布
      3. 分散分析表の計算
      4. 分散分析をエクセルの分析ツールで
      5. 室内再現精度の計算
      6. 室内再現精度の信頼区間
  4. 追補
    1. 重み付き検量線
    2. 回帰直線における標準偏差
    3. 信頼区間の意味
  5. 演習問題 (分析能パラメータ算出のExcel演習)
    1. 平均値及び標準偏差の95%信頼区間
    2. 直線性、検出限界、定量限界
    3. 真度
    4. 併行精度
    5. 室内再現精度
    • 質疑応答・名刺交換

分析法バリデーション入門

 分析法バリデーションの入門編として、基礎知識の徹底を目指して、分析能パラメータごとに説明し、ICHと日本薬局方のガイドラインを中心に解説する。さらには「システム適合性試験」についても触れる。
 また、分析法バリデーションでは統計解析の利用は避けて通れないので、必要な統計学の活用法について図形的なイメージで出来るだけ直感的な理解をしていただこうと思う。その上で、分析法バリデーションの各パラメータの具体的な計算方法について、Excel演習を交えて解説する。その基礎知識の上に、分析法変更時や技術移転時の同等性評価、開発段階に応じた実施内容、基準値設定などについて解説したい。

  1. 分析法バリデーションとその前提
    1. 分析法バリデーションとは
    2. 分析法バリデーションの前提
  2. 分析能パラメータとガイドライン要求事項
    1. 特異性における要求事項
    2. 直線性における要求事項
    3. 範囲における要求事項
    4. 検出限界における要求事項
    5. 定量限界における要求事項
    6. 真度における要求事項
    7. 精度における要求事項
    8. 頑健性における要求事項
  3. システム適合性試験
    1. システム性能
    2. システムの再現性
    3. 検出の確認
  4. 統計解析
    1. 母集団と標本
    2. 統計学の記号
    3. 平均と分散、標準偏差
    4. エクセルの利用
    5. 統計学の基本定理
    6. 確率分布と信頼区間
      1. 正規分布
      2. t分布
      3. χ2分布とF分布
      4. 信頼区間と仮説検定
    7. 回帰直線
      1. 最小二乗法によって回帰直線を求める
      2. エクセルのグラフ機能で回帰直線を求める
      3. エクセルの分析ツールで回帰直線を求める
      4. y切片の95%信頼区間を計算する
      5. 回帰直線から検出限界、定量限界を推定する
      6. 検出限界の推定式にある「3.3」の意味
      7. 重み付き検量線
  5. 分析能パラメータの計算の具体例
    1. 特異性
    2. 直線性の計算
    3. 範囲の設定
    4. 検出限界の計算
    5. 定量限界の計算
    6. 真度の計算
    7. 併行精度の計算
    8. 室内再現精度の計算
      1. 室内再現精度における分散分析の計算
      2. 分散分析をエクセルの分析ツールで
      3. 室内再現精度の自由度
      4. 室内再現精度の信頼区間
  6. 分析法変更時の同等性評価、開発段階に応じた実施内容、基準値設定
    1. 同等性評価
      1. 種類の試験法の同等性
      2. 種類以上の試験法の同等性
      1. 技術移転
    2. 開発段階に応じた実施内容
    3. 基準値設定
      1. 第1種の過誤
      2. 第2種の過誤
      3. 目的とリスクから考える
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 川口 謙
    株式会社 東レリサーチセンター 医薬信頼性保証室
    品質保証責任者

主催

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