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高周波対応フッ素基板材料の伝送損失低減、接着性向上と多層化技術

高周波対応フッ素基板材料の伝送損失低減、接着性向上と多層化技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、高速高周波向けの基板材料として期待されるフッ素樹脂について取り上げ、課題となっている接着性を改善させる方法と回路基板への応用事例を解説いたします。

開催日

  • 2023年2月21日(火) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • 高周波機器・回路設計技術者
  • プリント基板加工メーカ技術者
  • 5G基地局、高速データサーバ設計技術者

修得知識

  • ふっ素樹脂基板の加工の正しい理解
  • 将来的な低損失多層基板の用途

プログラム

第1部 フッ素等の低誘電フィルムへの表面改質による非粗化・直接めっき、接着剤レス直接接着技術

(2023年2月21日 10:30〜12:00)

 高周波帯域における電気信号の伝送損失を低減するためには、回路基板用絶縁材料として低誘電特性に優れる樹脂上に可能な限り平滑な界面で銅回路を形成する必要がある。これは、周波数の増大に伴い、電気信号が導体表面に集中して流れる表皮効果の影響が無視できなくなるためである。しかしながら、低誘電樹脂は異種材料との接着性に乏しく、投錨効果や接着剤に頼ることなく回路の密着信頼性を確保することは極めて困難な課題となっている。このような課題に対し、電子技研では、減圧プラズマ処理を用いた低誘電樹脂フィルムの表面改質により、薬液を用いた粗化処理等の前処理や接着剤を必要とせず、平滑界面のままのシード層も用いない直接銅めっきおよび銅箔と低誘電樹脂フィルムを直接接着する技術及び装置を開発しました。この技術を用いれば、100GHz帯までの高周波用途に活用できる低誘電樹脂 (ex.フッ素樹脂) 、低価格で数十GHz帯まで使用できる樹脂フイルム (ex.PET,PPS) を用いた単層、積層多層フレキシブル基板作成が可能になります。また、接着剤を用いる、熱圧着等他の接着方法の場合でも、薬剤による前処理を必要とせず、本手法の官能基付与により接着強度改善が可能になり、前処理薬材不使用で環境対応型の表面処理技術であり、SDGsへ貢献も可能となります。
 本セミナーでは、本表面改質の原理から実例及び信頼性までを解説し、各企業の今後のビジネス戦略を立てて行く為の情報を提供致します。

  1. プラズマを用いた表面改質による接着原理および状態評価
    1. プラズマを用いた表面改質による接着原理
    2. プラズマを用いた表面改質の状態評価
    3. ロール to ロール表面改質装置での処理実例
  2. 表面改質を用いた非粗化・直接銅めっき技術
    1. プラズマを用いた直接めっきの概要説明
    2. 低誘電率樹脂への直接銅めっき
      • フッ素
      • LCP
      • COP
    3. ポリイミド樹脂への直接銅めっき
    4. 各種難めっき樹脂への直接銅めっき
      • PET
      • PS
      • SPS
      • PPS
    5. ガラス基板への直接銅めっき
    6. 低誘電率樹脂を含むビア・スルーホールへの高密着直接銅めっき
  3. 表面改質を用いた低誘電率樹脂の非粗化・接着剤レス直接接着技術
    1. プラズマを用いた直接接着の概要説明
    2. 低誘電率樹脂と銅箔の直接接着
    3. 低誘電率樹脂と低誘電率樹脂の直接接着
    4. その他低誘電率樹脂の直接接着
      • PET
      • PPS
      • PEEK等
    5. コア材を用いた低誘電率樹脂,銅箔の多層膜構造作製
  4. 規制物質を使わない環境対応型の表面処理技術及び応用技術 (SDGs対応)
    1. 粉体材料への応用
    2. 医薬、印刷への応用
    • 質疑応答

第2部 高速高周波プリント基板向けPTFE表面改質シートの特性

(2023年2月21日 13:00〜14:30)

 ポリテトラフルオロエチレン (polytetrafluoroethylene:PTFE) は比誘電率が2.1、誘電正接が0.0002と樹脂素材の中でもっとも優れた電気特性を持っていることから、ポリイミドまたは液晶ポリマーに代わって新たな電子回路基板として期待されている。しかし、PTFEという材料は疎水性であるため銅との密着性に課題があった。そこで当社では独自の表面処理技術によって疎水性のPTFEの表面を親水性に変えることにより、銅鍍金と密着させることが可能になった。
 今回、表面改質したPTFEの細部に渡る観察と銅鍍金とPTFEの破断面を観察することで低接触角とピール強度向上にむけてのプロセスの解明を行った。シート以外にも3D形状のPTFEの表面改質や、他の樹脂とのPTFEを接合することにも成功したので紹介する。

  1. 表面改質処理装置の概要
    1. 処理装置の概念について
    2. 独自のイオン源 (ファインプラズマガン) について
  2. PTFEの低接触角の実現
    1. 表面改質したPTFE表面の構造について
    2. 低接触角の長時間の持続に向けて
    3. XPS、FT – IR、電子スピン共鳴等による分析結果
  3. Cu鍍金したPTFE電子基板
    1. PTFEとCu表面の構造について
    2. 密着したPTFEとCuの断面構造について
    3. 引き剥がしたPTFEとCuの境界面について
  4. PTFE表面改質の応用展開について
    1. グラスファイバーPTFEとCu鍍金について
    2. ビアの表面改質について
    3. 3D形状PTFEのPTFE表面改質について
    4. 表面改質PTFEと樹脂との接合について
  5. 高周波基板への適用
    1. 伝送損失評価について
    2. フレキシブル基板の試作について
  6. Cu鍍金付きPTFE基板の量産化に向けて
    • 質疑応答

第3部 ふっ素樹脂基板の高周波多層基板への応用

(2023年2月21日 14:45〜16:15)

 今後拡大していくことが予想される高周波 (特にミリ波) 分野において、樹脂材料として非常に優れた特徴を持っているふっ素樹脂で基板製造を行うことができる弊社ですが、良い材料を製造するだけではこれからのビジネスは成り立たないという認識の下、よりお客様側へ踏み込んだ設計や評価などに貢献できるように進化を続けており、是非とも、高周波用途のアプリをお考えのお客様には弊社にご用命いただきたい。

  1. 日本ピラー工業のご紹介
  2. 第5世代携帯電話 (5G) の市場・技術動向
  3. 高周波基板材料に求められる要求
  4. 高周波用途における樹脂材料の比較
  5. ふっ素基板の一般的な製造工法
  6. 弊社基板の商品ラインナップ
  7. 高周波基板の技術トレンド
  8. 多層基板向けふっ素基板材料のご紹介
  9. 5G時代に求められる高周波多層基板とは
  10. ふっ素樹脂多層基板のコンセプト
  11. 弊社のミリ波用途への取り組み
    • 質疑応答

講師

  • 古川 勝紀
    株式会社 電子技研 開発部
    執行役員 開発部長
  • 久保 博義
    コミヤマエレクトロン株式会社 Pプロジェクト
    取締役
  • 石田 薫
    日本ピラー工業 株式会社 AE事業部 プロセス部
    部長

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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本セミナーは終了いたしました。