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有機ELディスプレイ (OLED) の最新技術、製品化状況と今後の予測

有機ELディスプレイ (OLED) の最新技術、製品化状況と今後の予測

オンライン 開催

開催日

  • 2022年10月13日(木) 10時30分 16時30分

修得知識

  • OLEDの効率向上の新技術 (重水素化、TTF、青色燐光)
  • 最新のフレキブル・フォルダブルOLEDの構造
  • 新導入技術 (パンチホール、LTPO、UDC、COE) などの最新技術習得
  • 本年製品化されたQD-OLED、WOLED搭載TV、Galaxy Smartphoneの最新製品のラインナップ
  • これらの構造と表示画質および市場動向、ビジネス視点を含む知識
  • 将来技術であるインクジェット印刷で全工程製造した溶媒系OLEDの開発状況
  • 直近の大型投資を控えるIT-OLED技術
  • 未来に対して必要な技術、ビジネス動向のヒント

プログラム

 2022年CESで始まったOLEDを搭載ディスプレイ機器の新提案では、三星ディスプレイ (SDC) が長年開発して来た量子ドット (QD)-OLEDパネルをTV/モニターへ製品提供が最大話題となった。OLEDとして最高の1,500nitsのピーク輝度を謳っている。これまでTV用で量産実績のあるLGディスプレイ (LGD) の白色 (W) OLEDでは、発光材料に重水素置換するOLED-EX技術での30%輝度向上で対抗を表明した。両機器はその後製品化され、カタログ値に近い性能が確認された。スマートフォンではGalaxy S22 Ultraが1,750nitsをアピールした。
 OLED輝度および効率向上の流れは、ディスプレイ学会SID’22にも及び、懸案であった青色発光材料では、出光興産の三重項-三重項融合 (TTF) を2層発光層とし効率向上、SDCの青色燐光材料の長寿命化、の流れに引き継がれた。
 本セミナーでは、まず、本年度のトピックスとも言えるQD-OLED、青色発光材料における重水素化、TTF、燐光材料などの効率向上技術内容を解説する。次に、2020年以降のフレキシブルOLED新技術である、フォルダブルモジュール、パンチホール、LTPOの各技術を解説する。さらに、新技術が宝箱のように集大成されたGalaxy Z Fold3の解析を行う。さらなる新技術は、Sペン対応でフォルダブルモジュールに導入されたデジタイザー、炭素繊維強化プラスチック (CFRP) 、を皮切りに、効率向上のCOE (Color filter On Encapsulation) 、そして画面下カメラ (UPC/UDC) である。UDC技術に関しては市場先行するVisionoxを含む中国パネルメーカとSDCの技術比較も行う。将来技術に関しては、All InkJet 印刷を目指すSDCの溶媒OLED開発状況も加え、さらなる投資案件として注目を集めるタブレット、ノートPC向けのIT-OLED技術にも触れていく。

  1. OLEDディスプレイ・デバイスの構造と動作原理
    1. RGB-OLED、大型TV用WOLEDの構造と動作原理、OLEDの開口率の位置づけ
    2. フォトルミQDの原理、QD-OLEDの構造、青色発光効率の比較 (LED vs OLED)
  2. ディスプレイ市場の戦国絵巻、CES2022のOLED搭載ディスプレイの飛躍
    1. ディスプレイ市場毎のOLEDシェア、ディスプレイ・デバイスの戦国絵巻
    2. CES2022におけるOLED搭載ディスプレイの製品提案
    3. CES2022以降OLED搭載ディスプレイの製品化状況およびOLED輝度の飛躍
  3. 青色発光材料を含めて飛躍したOLEDの効率向上
    1. 青蛍光材料ドーパントへの重水素置換
    2. 青蛍光材料の三重項-三重項融合 (TTF) による発光層2層化 (SID’22: 出光興産)
    3. HF/TADFおよび青燐光材料の開発状況 (SID’22:Kyulux、SDC)
    4. メタライトレンズアレイ (MLA) によるWOLED取り出し効率向上 (SID’22:LGD)
  4. 製品化を実現したQD-OLEDの表示性能と効率上の課題
    1. QD-OLEDの製品表示性能、QDデバイスのロードマップ
    2. QD-CF層の形成はホトからIJ印刷へ転換
    3. QD-OLEDのタンデム発光層構造と効率解析
  5. スマートフォン用フレキシブルOLEDの2020年当時の開発計画と技術内容
    1. 2020/2021年発売のフレキシブルOLED搭載スマホの仕様と搭載OLED技術
    2. フォルダブルモジュール:中立面理論の粘着層/フィルム積層と遮光金属板の組合せ
    3. パンチホール:リフトオフで封止を実現
    4. LTPO:画素駆動周波数可変対応、しかしTFT工程は大幅増加・複雑化
    5. LTPO画素回路:Vthの内部補償、TFT数7個は変わらず内2個がOxide TFT (NMOS)
  6. フレキシブル・フォルダブルOLEDの集大成: Galaxy Z Folod3の新技術 (SDC技術解析)
    1. 新技術はSペン、ECO2OLED (COE、円偏光レス) 、UPC/UDC (画面下カメラ)
    2. Sペン対応でデジタイザ-内蔵:炭素繊維強化プラスチック (CFRP) がモジュール導入
    3. 反射低減で黒バンクを導入したCOE (Color Filter On Encapsulation) 構造
    4. UDC (画面下カメラ) の開発課題
    5. 発光画素数ppiを減らし、陰極をレーザ除去して透過率を上げたUDC構造
  7. 中国パネル (Visonoxほか) が先行したUDC技術とSDC技術の比較
    1. 中国パネルSDC技術とSDC技術の比較
    2. 業界をリードしたVisionoxのUDC技術 (SID’22)
    3. BOE、TianmaのUDC技術 (SID‘22)
    4. US特許調査で見るSDCの追撃状況
  8. All Ink Jet 印刷での溶媒OLED開発 (SID’22、SDC)
  9. IT-OLEDの開発内容とOxide TFTの移動度向上 (SID’22、SDC)
  10. まとめ:2022年のOLEDの市場毎ディスプレイ輝度と進化の製品サイクル
    • 質疑応答

講師

  • 小野 記久雄
    株式会社 サークルクロスコーポレーション
    フェローアナリスト (Fellow Analyst)

主催

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本セミナーは終了いたしました。

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