技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオ医薬品生産用の遺伝子組換え体細胞の構築とセルバンク化

バイオ医薬品生産用の遺伝子組換え体細胞の構築とセルバンク化

~保存管理・更新・試験及び申請への対応~
オンライン 開催

概要

本セミナーではセルバンク化作業を中心に、規制対応とともに生産用細胞に必要とされる各種試験の効率的な手法と留意点について解説いたします。

開催日

  • 2022年5月19日(木) 10時30分 16時00分

プログラム

 抗体医薬品を中心とするバイオ医薬品は従来の低分子化合物医薬品にない数々のメリットを有しているが、実生産スケールで製品の品質を一定に保つための製造プロセス構築の難易度は比較的高いと考えられている。その基幹技術である原薬製造方法は、永年に渡って製薬・ベンチャー内で企業内知識とされ、新規参入側にとっては開発上の障壁となってきた。特に、遺伝子組換え体発現細胞の構築はプロジェクト初期段階の重要工程となり、ICH等の各種ガイドラインへの準拠も含めて、最終的な申請に向けて各種の対応が必要となる。
 これまでのバイオ医薬の生産においてはホスト細胞としてCHO (チャイニーズハムスター卵巣) 細胞が様々な理由に基づく使用実績があり、今後も実生産用としての継続的な利用が期待されている。本セミナーでは、CHO細胞のバイオ医薬生産用細胞としての特徴、これまでの発現系としての活用例と実際の遺伝子組換え細胞として構築する際の手技上の留意事項を紹介する。同時に生産用細胞は各種のセルバンク化 (マスターセルバンク及びワーキングセルバング) が必要となり、その保存管理には地域リスクを考慮するとともに外部試験機関利用の場合は慎重な開発計画の立案が望まれ、その重要性を解説したい。
 また、構築した生産用細胞は、小スケールの培養初期から実生産段階まで完全合成培地での培養が現在は基本となっている。その間の継代安定性の具体的な確認方法やクローニング法の実施例についても紹介し、動物由来成分の混入否定等の規制への対応策とともに生産用細胞セルバンクに必要とされる各種試験の効率的な手法と留意点ついても解説する。
 昨今、コロナウイルス感染症やアルツハイマー型認知症といった疾患が、抗体医薬の新たな標的として話題となっている。今後も抗体医薬の標的レパートリーの拡大は予想され、その製品化スピードアップの為の発現細胞構築の更なる短期間化も検討されている。これらの今後のセルバンク構築の動向と将来展望についても併せて紹介したい。

  1. イントロダクション
    • バイオ医薬品安定生産の為の課題点の整理 ~ Aセルバンク製造工程を中心に ~
  2. 組換え体細胞の構築 (CHO細胞を中心に)
    1. 遺伝子発現構成体と構成因子の起源の調査
      1. 遺伝子発現構成体に関する情報の重要性
      2. バイオ医薬製造にCHO細胞が選ばれる理由
      3. 入手可能なCHO細胞の種類と特性
      4. 商業生産に利用されている2大発現系の特徴
    2. クローン化作業とクローナリティーの検証
      1. 1次クローン株と2次クローン株の特性と保存管理法
      2. クローニングの古典的手法と自動化法の比較 (メリットとデメリット)
      3. 目的物質ハイスループットアッセイ法確立の重要性 (抗体医薬の事例)
      4. クローニング作業の省力化の動向
    3. クローン株の継代培養による目的物質産生能の持続性確認
      1. バイオ医薬生産の為の“良い“発現細胞クローンの選択基準とは?
      2. 継代培養クローン株へのAbridged fed-batch試験
      3. Ambrバイオリアクターシステムによるクローン株選択
    4. 動物由来成分の否定と各種証明書の入手
      1. ICHガイドライン及び国内基準の「生物原料基準」への対応
      2. ウイルス安全性評価 (CHO細胞での事例)
  3. セルバンクの作製と管理
    1. マスターセルバンク (MCB) とワーキングセルバンク (WCB) の作製
      1. 保存管理と更新について
      2. 高濃度WCBと工程時間短縮化の動向
      3. 外部試験機関 (CRO) の利用計画
    2. 製造時の継代数上限管理と製造後細胞
      1. 継代培養後の細胞安定性確認と製造後細胞 (EPC) の利用
      2. 未精製バルク (Unprocessed Bulk Harvest) の利用
      3. 精製工程のウイルスクリアランス試験との関連性について
  4. セルバンクに対する各種試験と申請対応
    1. セルバンクの安全性試験及び純度試験
      1. 無菌試験及びマイコプラズマ否定試験
      2. 安全性試験 (外来性、内在性及び種特異的ウイルス試験)
      3. 純度試験 (細胞株同定及び一般特性試験)
    2. 細胞培養及び保存用培地と培地添加物に対する対応
      1. ドラッグマスターファイル (DMF) 登録
      2. 原材料調達及びトレーサビリティ管理の重要性
      3. High-Temperature Short-Term (HTST) 法
    3. 各種試験のCROへの委託
      1. 事前交渉、契約及び細胞輸送に想定される期間と準備
      2. 海外・国内各CROの特徴と分析
    4. 承認申請対応 (セルバンク関連データ)
      1. コモン・テクニカル・ドキュメント (CTD) 作成の為の一般的知識
      2. 第一部 (モジュール1) 記載内容の概要
      3. 第二部 (モジュール2) 及び第三部 (モジュール3) 記載内容の概要
  5. 今後の展望
    1. 構築期間の短縮化: コロナウイルス感染症等のパンデミックへの対応策の紹介
    2. 新規医療分野におけるセルバンク製造について
    • 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/17 洗浄バリデーションでの洗浄方法選択、残留限度値とホールドタイム設定 オンライン
2025/1/17 グローバル開発における承認申請のための医薬英語/英文ライティング入門 オンライン
2025/1/20 GMP業務の前に最低限知るべき12の重要事項 オンライン
2025/1/21 不具合発生の可能性を予測し、未然に原因を排除するための変更管理・逸脱管理 (リスクのクラス分類と運用の留意点) 東京都 オンライン
2025/1/21 原薬GMP基礎講座 オンライン
2025/1/21 相場観をふまえた医薬品ライセンス契約とライセンスフィー設定の課題 オンライン
2025/1/22 洗浄バリデーションの基礎と残留許容値、回収率設定の科学的根拠の示し方 オンライン
2025/1/24 GMP対応工場「設計/施工」「維持管理/保守点検」コース (2日間) オンライン
2025/1/24 GMP対応工場 (増築・新規構築) における設計/施工時の注意点とURSの具体的記載例 オンライン
2025/1/24 GMP省令が要求するQAの逸脱の防止対策とCAPA/変更管理 オンライン
2025/1/24 CMC試験におけるOOS・OOT 判断/発生時の対応 東京都 会場・オンライン
2025/1/27 洗浄バリデーションでの洗浄方法選択、残留限度値とホールドタイム設定 オンライン
2025/1/28 遺伝子治療薬の開発・薬事戦略と承認取得 オンライン
2025/1/28 QA担当者が抑えるべきGMP適合性調査対応と査察当局による指摘事例と対策 オンライン
2025/1/29 洗浄バリデーションの基礎と残留許容値、回収率設定の科学的根拠の示し方 オンライン
2025/1/29 医薬品企業における英文契約書読み方基礎講座 オンライン
2025/1/30 一般医薬品向け: CTD-M2作成 / 規格及び試験方法と分析法バリデーション / 技術移転と同等性評価 (全3コース) オンライン
2025/1/30 CTD-M2 (CMC) 作成セミナー オンライン
2025/1/30 一般医薬品における有効期間を考慮した規格及び試験方法の設定と分析法バリデーションの実施方法 オンライン
2025/1/30 一般医薬品における技術移転 (製法・試験法) の手順と同等性の評価方法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (製本版+ebook版)
2020/12/24 バイオ医薬品 (抗体医薬品) CTD-CMC記載の要点
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集
2020/4/27 各国要求及び治験環境と現地の実情
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書
2019/6/27 FDAが要求するCAPA導入の留意点
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/31 細胞培養加工施設の構築と運営管理の省力・省コスト化
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発