技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

FDAによる海外製造施設に対する査察の傾向と対策

FDAによる海外製造施設に対する査察の傾向と対策

~承認申請書とPAI/PLIのチェックポイント及び査察ポイント (バイオ製品)~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、FDA査察の現状とその統計データに基づき、査察動向を予測するとともに申請書のレビュー、指摘事例などをふまえて今後のFDA査察への準備や対策に参考となる情報をご紹介いたします。

開催日

  • 2021年12月17日(金) 10時00分 16時30分

修得知識

  • FDA査察の現状 (総件数、国別、申請書タイプ別、査察タイプや行政措置別)
  • FDA査察に関する知識 (査察タイプ、査察結果の分類、実施部署)
  • FDA/CDERにおける販売承認申請書の審査 (KASAシステム)
  • CDER/ORAの協働による査察プロセスとチェックポイント
  • 申請書 (CMCパート) 審査の不備事項とPAIの不備事項
  • バイオ医薬品、PAIの指摘事例
  • 総合的な医薬品品質の監視体制と医薬品品質不良レポート
  • 総合的なサーベイランスとしてのQuality Management Maturityのポイント

プログラム

 FDAはCOVID-19の蔓延により2020年3月に米国内外製造施設に対する査察を一次的に中止すると発表しその後重要施設 (mission-critical) を除き海外施設に対する実地査察を行っていません。その結果、2020年3月から10月の査察件数は米国外施設が3件、国内施設は52件となり前年度比56%減となりました。2021年度も米国内施設が50%減との予測が出され、米国議会は海外施設に対する査察遅延の影響、特に係属中の承認申請書の審査や承認前査察 (PAI) の実施見通しについて回答するよう要求しています。この背景には医薬品不足やコロナ禍での公衆衛生製品の需要拡大により中国、インドを含む海外で製造された医薬品 (OTC製品を含む) の輸入増加により製品品質への懸念があり、FDAも実施査察に代えて書面審査やリモート査察等の導入を宣言しましたが、具体的な状況は不明です。
 一方、FDAは慢性的な査察官不足やパンデミックによる渡航制限のため査察未実施の海外施設の増加への対抗措置として、製造所のコンプライアンス履歴を重視するとともに海外当局 (特にEU当局) による査察結果を参考に製造所の品質マネジメント状況の判断などリスクベースでの優先順位付けを行うとともに、承認申請書の審査段階で製品リスク、プロセスリスク、施設のリスクについて各分野の専門家で構成されたチームにてKASA Knowledge-aided Assessment and Structured Application) 方式により評価し、懸念のあるリスクの管理状況を査察 (PAI) 時に優先的に検証するとの組織的なアセスメント体制を始めており、さらには将来的な査察戦略の確立に向けて企業の品質マネジメント体制の成熟度 (Quality Management Maturity) を評価する査察プログラム (New Inspection Program Project (NIPP) ) も展開しています。
 本セミナーでは、FDA査察の現状を総件数、国別、申請書タイプ別、査察タイプや行政措置 (Import Alert, Warning Letter, FORM 483) 別の統計データに基づき検証し今後のFDA査察の動向 (特に日本を含むアジア重視の傾向) を予測するとともに、CDER/OPQによる承認申請書 (CMCパート) のレビューからPAI実施までの審査の流れとKASAに基づくリスク評価のポイントについて解説します。またCDER発表の申請書の審査やPAIでのチェックポイント及び散見される不備事項やPAIでの指摘事例、さらにはバイオ製品での審査やPAIでの指摘事例について紹介します。加えて医薬品品質の総合的監視体制の構築のために医薬品品質不良レポートの活用状況や総合的なサーベイランスとしての査察時でのQuality Management Maturity状況のチェックについてFDAの現状を解説します。今後のFDA査察への準備や対策の参考となる情報が満載です。

  1. FDA査察の現状 (国別、申請タイプ別)
    • FDA査察数の推移 (2012年〜2019年FY) ; 件数、国別 (トップ10)
    • 登録製造所数の推移 (国別、申請タイプ別) 2018, 2019年度 (トップ10)
    • 製造所登録数の推移 (業態別、申請タイプ別)
  2. FDA査察の現状 (PAI, サーベイランス、フォーコーズのタイプ別)
    • サーベイランス査察数 (2012ー2018FY)
    • 押収サンプル数と試験結果
  3. FDA査察の結果分類 (NAI,VAI,OAI) と行政措置
    • 査察結果のレビューと最終報告書承認プロセス
    • FDA査察の結果 (分類別) 米国内 vs. 海外
    • 輸入禁止措置 (Import Alert) 数の推移 (国別)
    • 査察結果のスコア付け (国別、申請タイプ別)
    • W-L数の推移 (国別、製品別)
    • OTC製品のGMP違反 (トレンド)
    • W-LのGMP違反内訳 (条文別) 2019年〜2020年FY
    • FORM485の違反内訳 (2019FY)
    • W-L (§211.84違反) の製造所 (国別)
    • §211.84違反への対策
    • 用水システムに関するGMP違反
  4. FDAの組織と役割
    • CBER, CDER, ORA, Office of Compliance, Office of Pharmaceutical Quality
    • ORA 海外オフィス比較 (中国オフィスの役割)
    • 査察のタイプと実施機関 (CDER)
  5. 販売承認申請書の審査と査察の実施
    • 承認申請書審査から査察までの関係機関 (CDER)
    • 製造所の総合的評価 (OPQ)
    • 総合的な製造プロセスの評価とPAI
    • 製造に関するリスク分析と管理 (KASA)
    • CQAに対する工程操作の影響
    • アセスメントの基準と対象物 (申請書 vs 査察)
    • 査察前に提出されるべき情報
    • 査察時の考慮事項
    • PAIの目的
    • PAIでの不備事項の解決
  6. 承認前査察 (PAI/PLI)
    • 注目領域
    • リスクベースに基づく製造所評価
    • 査察時の確認ポイント
    • 申請書審査 (CMCパート) とPAI実施の流れ
    • 申請書審査不備事例
    • PAI不備事例
    • 製造関連不備事例
    • PAIでの指摘事例 1-6
    • FORM 483への対応
  7. バイオ製品の査察
    • CDERに監視されるバイオ製品
    • 申請書 (BLA) の審査と査察 (PLI) で確認される内容
    • BLAで検証される品質項目
    • 査察の決定に関するリスクベース基準
    • 査察以外のアプローチ
    • OPMAの製造所評価法 (COVID-19パンデミックの前と後)
    • 渡航制限下での査察活動
    • 承認前査察 (PLI) の準備
    • BLAの不備事項
    • PLIでの指摘事例 (QA活動、データ信頼性)
    • 無菌医薬品に対する指摘事例
  8. 医薬品品質の監視体制
    • FDAの製品品質の監視項目
    • 医薬品品質不良レポートの内訳
    • バイオ製品逸脱報告書の内訳
    • 品質不良医薬品数 (USPカテゴリー別)
    • 供給不良となった医薬品 (2018年度)
    • 受領拒否/申請拒否となった承認申請書数
  9. 成熟化した医薬品品質システム (Quality Management Maturity)
    • QMMへの変革
    • 総合的な品質サーベイランス
    • QMMの達成
    • QMMとはどのような活動か?
    • 何故医薬品業界にとって重要か?
    • 何故FDAにとって重要か?
    • 何故患者や顧客にとって重要か?
    • 新しい査察計画書プロジェクト (NIPP)
    • 包括的な品質監視体制
    • 貴社での対処法は?
    • QMMの要素
    • 質疑応答

講師

  • 立石 伸男
    ノビオ コンサルティング合同会社
    代表

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/10 具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析と規格設定 オンライン
2024/5/10 ICH M7ガイドラインに則ったニトロソアミン類不純物の評価・管理に関する最新動向と当局の考え方 オンライン
2024/5/14 入門者のための基本から学ぶGMP オンライン
2024/5/14 診断薬業界に求められるビジネスモデルと事業・製品戦略 オンライン
2024/5/15 医薬品開発における製剤開発の各段階で必要となる統計解析基礎講座 オンライン
2024/5/16 医薬品ライセンス契約のドラフティングと紛争回避・解決のポイント オンライン
2024/5/16 NGSを用いたウイルス管理 オンライン
2024/5/16 Computer Software Assuranceセミナー オンライン
2024/5/17 データインテグリティを踏まえたGMP文書・SOP・記録の作成と管理 オンライン
2024/5/17 医薬品製剤の生物学的同等性とその定量的な予測方法の現状 オンライン
2024/5/17 QMSR徹底解説 (初級講座) オンライン
2024/5/20 改正GMP省令を踏まえたGMP適合性調査対応 効率的なGQP/GMP - QA連携とQA/QC業務範囲の明確化 オンライン
2024/5/20 滅菌バリデーションの深堀と見落としがちな滅菌バリデーションの留意点、最新米国FDA等EO環境問題と代替滅菌プログラム動向、無菌性保証とパラメトリックリリース (PIC/S ANNEX17) とその推奨 オンライン
2024/5/20 バイオ医薬品開発を目的としたタンパク質溶液の安定化と添加剤の効果/選定 東京都 会場・オンライン
2024/5/21 GMP工場の設備設計および維持管理のポイント オンライン
2024/5/21 新規モダリティ分野における各事業性評価手法と不確実性要素の注意点 オンライン
2024/5/21 医薬品開発におけるグローバルマーケットを見据えた知財戦略と出願・権利化選定/評価 オンライン
2024/5/21 FDA査察対応セミナー 入門編 オンライン
2024/5/22 医薬品開発における製剤開発の各段階で必要となる統計解析基礎講座 オンライン
2024/5/22 実務で使える製造販売後調査等 (GPSP) 実施における留意点 オンライン

関連する出版物

発行年月
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発
2018/8/31 がん治療で起こる副作用・合併症の治療法と薬剤開発
2018/7/31 医薬品・医療機器・再生医療開発におけるオープンイノベーションの取り組み 事例集
2018/6/29 医薬品グローバル開発に必要な英語実務集
2018/5/30 GVP Module改訂をふまえたEU Pharmacovigilance規制の実装
2018/5/18 創薬のための細胞利用技術の最新動向と市場
2018/4/25 統計学的アプローチを活用した分析法バリデーションの評価及び妥当性
2018/1/30 バイオ医薬品のCTD-Q作成 - 妥当性の根拠とまとめ方 -
2017/9/29 疾患・病態検査・診断法の開発
2017/8/31 きのこの生理機能と応用開発の展望
2017/6/21 体外診断用医薬品開発ノウハウ
2017/4/25 非GLP試験での効率的な信頼性基準適用と品質過剰の見直し
2014/11/27 3極対応リスクマネジメントプラン策定とEU-GVPが求める記載事項/国内との相違点
2014/11/15 医薬品メーカ20社〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/11/15 医薬品メーカ20社〔米国特許版〕 技術開発実態分析調査報告書