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高級感を感じるメカニズムと定量化技術

高級感を感じるメカニズムと定量化技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ヒトが高級感を感じるメカニズムについて基礎から解説し、官能評価・機器測定のポイント、データの読み方、解釈の仕方について詳解いたします。

開催日

  • 2021年9月7日(火) 10時00分 17時15分

プログラム

第1部. 官能評価による高級感の定量評価

(2021年9月7日 10:00〜11:30)

 高級感には、高額商品などの明らかに高級を感じる側面とともに、お客様が“何となく“感じている側面がある。この側面は、必ずしも、言葉では表現しきれないことがあり、このような“何となく“を見える化することができれば、新たなものづくりの手がかりを得ることができる。つまり、高級感を感じてもらえる商品開発である。言葉による評価として官能評価結果が得られる。この結果の背後に潜んでいる“何となく“について、解析を工夫することで、どこまで見える化し得るのかを、事例を通して解説する。

  1. 官能評価と感性評価
  2. 評価の階層性
  3. 意識の階層性
  4. 意識された言葉による評価
  5. 言葉に隠れた無意識を見える化
    1. グラフィカルモデリング (GM) の説明
    2. 構造方程式モデリング (SEM) の接笑
  6. “何となく”の見える化
    1. 前意識の見える化
      • インタビューデータの分析の工夫
    2. 無意識の見える化
      • 生理脳機能測定の可能性
  7. 高級感と〇〇感
  8. 高級感の事例紹介
  9. 化粧品の高級感
    1. 時系列変化を織り込む
  10. プレミアムビールの高級感
    1. 外部情報の役割
  11. 最後に
    • 質疑応答

第2部. 「高級感」を想起する要因の分析方法と定量的推定の戦略

(2021年9月7日 12:15〜13:45)

 我々はものを触っときに「柔らかい」「すべすべする」などの触感を感じます。さらに、こうした感覚を統合した結果として、「高級な」「安心する」といったより心理的な用語が連想され、好きな触感、嫌いな触感を判断すると考えられます。本講演では、官能評価実験によってものに触ったときの触感を定量化し、解析することによって、如何にして触感を定量的に理解すれば良いかを解説します。また、定量化された触感が、物理的な測定値とどのように関係するかも紹介します。

  1. 触感知覚構造
    1. 階層的な触感知覚構造の整理
    2. 触感因子の抽出
    3. 階層間の定式化
    4. 場の取り扱い
  2. 触感知覚構造の違い
    1. 触感知覚の地域差 (日本、米国、欧州の比較)
  3. 触感知覚の物理的理解
    1. 触覚と触感
    2. 機械受容器の種類と特性
    3. センサとしての機械受容器の理解
    4. 物理的なセンサで測定できる根拠
    5. センサ測定データからの特徴量の抽出
  4. 官能評価実験の結果と物理的測定データの関係
    1. 本革、布、合皮などの触感の違いの定量的推定
  5. まとめ
    • 質疑応答

第3部. 知覚の質的優位性を生み出す脳機能とその計測技術

(2021年9月7日 14:00〜15:30)

 近年、人間の脳を非侵襲に計測する技術の発展に伴って、未知の脳機能に迫ることが可能になってきた。本講演の前半においては、脳の基礎知識を説明した上で、高級感・上質感の基礎となる、知覚の質的優位性を生み出す脳機能について、視覚やその他の感覚、マルチモーダルの観点から解説する。後半においては、それらの計測を可能とする最先端の脳計測技術 (電磁気計測手法・代謝計測手法) を解説し、比較する。

  1. 脳の基礎知識
    1. 脳の概要
    2. 脳の機能と構造
  2. 知覚の質的優位性を生み出す脳機能
    1. 末梢視覚系の機能
    2. 中枢視覚系の機能
    3. 集団符号化
      • 予測符号化
    4. マルチモーダル脳機能
  3. 脳計測技術
    1. 電磁気計測手法
      • EEG (脳波)
      • MEG (脳磁図)
    2. 代謝計測手法
      • fMRI (機能的磁気共鳴画像法)
      • NIRS (近赤外分光法)
      • 脳計測技術の比較
  4. 結語
    • 質疑応答

第4部. 色彩と質感の感性評価手法 ~高級感をどのように表現するか~

(2021年9月7日 15:45〜17:15)

 様々なプロダクトデザインやパッケージデザインにおいて、加飾表現の技術開発が進んでいるが、どのように色彩と質感 (テクスチャー) を組合せれば製品にとって最適となるかを明確に示した方法は確立していない。そこで、色彩感情研究をベースにしてつくられた感性評価手法を用いた色彩と質感の整理の仕方について解説する。さらに、製品コンセプトを色彩と質感によってどのように表現するか、という問題について、製品コンセプトの1つである高級感を例にとって、その表現パターンを考察する。最後に、事例研究としてコスメパッケージの色彩と質感について、ユーザー (Z世代) が高級感などをどのように評価しているかを検討する。

  1. 色彩と質感・素材感表現の感性評価における課題
  2. 色彩に関する感性評価の方法
    1. 色彩感情をベースとした感性評価
    2. 配色をどのように整理するか
  3. 質感評価における視覚と触覚の役割
    1. 質感と基本的な触感次元
    2. 視覚と触覚の共通性
  4. 質感・素材感の感性的評価法
  5. 様々な高級コンセプトと表現
  6. コスメパッケージを例として
    1. 市場におけるコスメパッケージの見え方
    2. Z世代によるコスメパッケージの評価
    • 質疑応答

講師

  • 神宮 英夫
    金沢工業大学 情報フロンティア学部 心理情報学科
    副学長 / 教授 / 感動デザイン工学研究所 所長
  • 竹村 研治郎
    慶應義塾大学 理工学部 機械工学科
    准教授
  • 青山 敦
    慶應義塾大学 環境情報学部
    准教授
  • 稲葉 隆
    株式会社 日本カラーデザイン研究所 プロジェクト推進部
    シニアマネージャー

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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