技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高薬理活性医薬品の設備設計、封じ込め対策と洗浄バリデーション

Zoomを使ったライブ配信セミナー

高薬理活性医薬品の設備設計、封じ込め対策と洗浄バリデーション

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、高薬理活性医薬品の封じ込めと洗浄バリデーションについて取り上げ、「医薬品・作業者・環境」保護のために何を実施すべきか、具体的事例をもとに解説いたします。
また、残留許容値の設定、サンプリング方法と箇所、洗浄しにくい箇所への対応までを解説いたします。

開催日

  • 2020年7月28日(火) 10時30分 16時30分

プログラム

 高薬理活性医薬品の製造には、①交叉汚染による患者へのリスク回避、②作業者の直接的曝露防止、③環境経由による市民等へ間接的曝露防止の3つの視点にたった総合的配慮が必要である。つまり、施設外への封じ込め策ならび施設内での薬物飛散抑制策を併せて講ずる必要がある。しかし通例、エンジ会社の提案する「専用施設化」、「独立空調・オールフレッシュ空調」、「エアロック室設置」、「アイソレータ設置」等の封じ込め策で満足する結果、清掃方法、更衣手順、服装具の管理、搬送台車の車輪の汚れ等の不備によるに薬塵飛散トラブルが発生している事例が散見される。洗浄バリデーションは共有設備のみを対象にするのではなく、専用設備であっても分解物等のキャリーオーバーが懸念されるので必要である。
 また、クリーンホールドタイム (CHT) 中の汚染リスクを考察する場合、接薬部位だけでなく、天井・床等の非接薬部での交叉汚染リスクも考慮する必要がある。例え、接薬部の残留量が設定した許容値以下をクリアできても、薬塵飛散対策に落ち度があれば、CHT中の汚染を回避できなくなる。
 高薬理活性医薬品の製造に際し、施設の設計時の留意点のみならず、ソフト面での留意点、さらには洗浄バリデーションの最近の動向として毒性データに基づく健康ベース暴露限界値 (HBEL) の要請、サンプリング時の留意点等について、演者の経験も交え解説を行う。

  1. 高薬理活性医薬品とは
    1. 毒性とは
    2. 毒性発現臓器 (組織) は変わる
    3. 施設専用化の対象物質
    4. βラクタム系抗生物質とは
    5. ホルモン剤は5段階の強度に分類される
  2. 封じ込め策
    1. 「汚染管理戦略」の構築・実践
    2. 潜在危険と運転の解析手法HAZOP
    3. 薬塵飛散源の例
    4. 共有設備内の交叉汚染に関するPIC/S備忘録 (PI043 – 1) を参考に
    5. 微粒子の特徴
    6. 床清掃法と用具の仕舞に配慮
    7. 環境清浄度だけでは飛散防止は無理
    8. 環境モニタリングデータの精度は低い
    9. 沈降粒子の巻き上げリスク
    10. 差圧だけで封じ込めはできない
    11. 施設・設備設計時の留意点
    12. エアシャワーは使用しない!
    13. 高薬理活性薬向き空調システム・差圧設定
    14. アイソレータの問題点
    15. 気流を乱す差圧変動に注意
    16. スモークスタディの実施
  3. 産業衛生 (Industrial Hygiene) の視点も必要
    1. 作業者保護対策
    2. 一日暴露許容量 (PDE) と職業暴露限界 (OEL)
    3. 作業者保護対策
    4. 体内取込量は粒子径で変わる
    5. 秤量室の作業者保護
    6. 脱衣中の保護策
    7. 作業改善を考える
    8. マスクの選択
    9. 吸気測定 (SMEPACの手法)
  4. 洗浄バリデーション
    1. シングルユース=洗浄バリデーション不要?
    2. ダーティホールドタイム (DHT) とクリーンホールドタイム (CHT)
    3. 留意すべきは想定外の汚染源
    4. 製造中の瓶破損などの配慮
    5. 床、壁の残留許容量はどう考えるか
  5. 残留許容値の設定
    1. 投与量基準 (0.1%以下基準、10ppm基準、目視限度基準)
    2. 投与量基準から毒性発現量基準へ
    3. Risk MaPPの論点 (ADEの算出)
    4. 健康ベース暴露限界値:HBEL
    5. 動物データの人への外挿による問題
    6. 残留許容値設定はまだまだ発展途上
    7. 目視検査の重要性
    8. 治験薬製造での留意点
    9. 不純物の残留許容値 (ICH Q3ガイドライン)
    10. 遺伝毒性不純物はどう考えるか
    11. ICH M7変異原性不純物ガイドラインとTTC (毒性学的懸念の閾値)
  6. サンプリング方法と箇所
    1. サンプリング箇所の設定
    2. スワブ法とリンス法の留意点
    3. プラセボ法 (ダミー法) の問題点
    4. 接薬表面積の算出例
    5. スワッブ材/抽出液ろ過用フィルター材の選定
  7. より進んだ手法 (QbD手法)
  8. 洗浄方法
    1. 手洗浄の留意点
    2. CIPの留意点
    3. 洗浄しにくい箇所 (Worst case Location)
    • 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/11 動物用医薬品・体外診断薬における薬事規制と国内外市場動向 オンライン
2024/12/11 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2024/12/11 ADCを含む次世代抗体医薬の知財戦略および強い特許明細書・クレームの書き方 オンライン
2024/12/11 EU規制をベースにしたPharmacovigilance監査の基礎 オンライン
2024/12/11 医薬品開発におけるマーケティングリサーチ手法およびデータの捉え方・活用のポイント オンライン
2024/12/11 標準品の品質試験法設定の基礎と注意点 オンライン
2024/12/12 開発段階 (求められる要件) に応じたQbDによる製剤開発と品質規格・Validation実施範囲 オンライン
2024/12/12 GLP省令の基礎知識とGLP試験における現場調査 (試験操作調査と施設調査) 手法 オンライン
2024/12/12 原薬GMP/ICH Q7・Q11の要件理解と原薬プロセスバリデーション実施時の注意点 オンライン
2024/12/12 バイオ医薬品の原薬製造における外来性感染性物質のクリアランスと安全性試験 オンライン
2024/12/12 残留溶媒に関する規制と申請上の留意点、規格値設定の考え方 オンライン
2024/12/12 医薬品開発における非臨床安全性評価とCTDの記載・信頼性確保 オンライン
2024/12/12 微生物が作るヌメリ (バイオフィルム) の形成制御、防止・洗浄技術 オンライン
2024/12/13 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/13 現場の視点で考える効果的な洗浄バリデーションのポイントと継続的な検証 オンライン
2024/12/13 改正GMP省令、PIC/S DIガイドをふまえたGMP文書・記録の再点検 (データ改竄、捏造、隠蔽防止のための工夫) オンライン
2024/12/13 サプリメント (機能性表示食品) におけるGMP (製造・品質管理の基準) 実施にむけた理解と実践 オンライン
2024/12/13 承認申請プロセスに関わるPMDA提出資料 (CTD/照会事項回答) 作成のポイント オンライン
2024/12/13 英文メディカルライティング基礎講座 オンライン
2024/12/13 分析法バリデーションのための統計解析入門と分析能パラメータ計算法入門 東京都 オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (製本版+ebook版)
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集
2020/4/27 各国要求及び治験環境と現地の実情
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/6/27 FDAが要求するCAPA導入の留意点
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発
2018/8/31 がん治療で起こる副作用・合併症の治療法と薬剤開発
2018/7/31 医薬品・医療機器・再生医療開発におけるオープンイノベーションの取り組み 事例集