技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

プラスチックの表面改質によるぬれ性向上

プラスチックの表面改質によるぬれ性向上

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年8月29日(木) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 表面の熱力学の基礎
  • 材料表面の分析方法
  • 低圧低温プラズマの基礎
  • 大気圧低温プラズマの基礎
  • 高分子表面で起こる化学反応
  • 高分子表面における成膜反応
  • 大気圧低温プラズマ技術の動向
  • コロナ放電処理装置に必要な基礎知識
  • コロナ処理装置の用途
  • コロナ処理装置の正しい設定の仕方と使い方
  • ガスプラズマ処理の特徴
  • 静電気対策概要
  • エキシマランプ、照射装置の基礎知識
  • 真空紫外線 (エキシマ光) を用いた表面改質
  • 真空紫外線 (エキシマ光) 技術を利用した接着剤接合、直接接合技術

プログラム

第1部 プラスチックの火炎処理による表面改質

(2019年8月29日 10:00〜11:30)

 プラスチックについていろいろな表面改質技術があるが、その中で火炎処理という方法がどのような特徴を持っているかについて紹介したい。まずは装置の概略を述べる。次に、改質された表面の特徴について述べたい。

  1. 表面処理の目的
  2. 火炎処理の特徴
    1. 通常火炎処理
    2. イトロ処理
  3. 装置の詳細
  4. 処理条件
    1. 燃焼温度と処理速度
    2. 燃焼ガスと空気の混合比
  5. 表面処理の機構
    1. 反応にに関する一般論
    2. XPS法による分析結果
    3. 他の方法による分析結果
    4. 表面粗さ
    5. 処理の経時変化
  6. ポリマーの処理例 (PE, PP, PVC)
    • 質疑応答

第2部 大気圧低温プラズマによる表面改質と材料創製

(2019年8月29日 12:10〜13:40)

 透過性、帯電性、接着性、印刷・塗装性、生体適合性など、多くの機能性が材料表面の構造と物性に大きく依存しています。プラスチック表面に機能性を付与するために、様々な方法で表面改質が行われています。なかでもプラズマを用いた表面改質技術は、環境負荷が少ないクリーンなドライプロセスですが、従来は真空を必要とするなどの問題がありました。しかし、近年になって大気圧下で低温のプラズマを発生させる技術開発が進み、発生装置の単純化、被処理材に対する大きさや量の制限緩和など、プラズマ処理の常識が変わりつつあります。
 本講座では、低温プラズマの特徴を整理し、さらに大気圧低温プラズマについて、その基礎から応用までを解説します。また、選択的化学修飾や有機・無機薄膜のCVDなど、最新の技術についても紹介します。

  1. はじめに
    1. 表面張力について
    2. 表面エネルギーと表面機能性の関係
  2. 材料表面のキャラクタリゼーション – XPSを中心に
    1. 表面分析手法と分析深さ
    2. XPSとは
    3. XPSの分析手法
  3. 低温プラズマの発生方法とその特長
    1. プラズマとは
    2. 低圧低温プラズマ
    3. 大気圧低温プラズマ
    4. プラズマ発生方法による生成活性種の比較
  4. 大気圧低温プラズマによる高分子の表面改質・薄膜形成法
    1. 大気圧低温プラズマの化学
    2. 大気圧低温プラズマの効果
  5. 大気圧低温プラズマ技術の新展開
    • 質疑応答

第2部 コロナ処理による高分子表面改質

(2019年8月29日 13:50〜15:20)

 高分子材料への表面処理は、大気中のコロナ放電を利用した処理装置が歴史も古く工業利用として一般的である。最近では 処理基材の高機能化・クリーン性要求・塗工剤の脱溶剤化等、コロナ放電処理の基本を踏まえ且つ、緻密な制御要求が高まっている。ここでは、高分子表面改質原理・装置の構成・改質評価方法・主な産業用途など基本的事項ついて概説する。

  1. 大気圧プラズマとコロナ処理について
    1. プラズマ処理とコロナ処理の違い
    2. 放電プラズマ装置の分類
  2. コロナ処理装置の概要
    1. コロナ処理装置の構成
    2. 高分子表面改質原理
    3. 産業用途例
    4. 改質の評価方法
    5. 放電照射エネルギーの求め方
  3. 主な改質事例
    1. PETフィルムの改質
    2. OPPフィルムの改質
    3. アルミ箔の表面洗浄効果
  4. ガスプラズマ処理について
    1. コロナ処理では得られないガスプラズマ処理事例
  5. 高分子への帯電と静電気除去について
    1. 高密度除電装置の紹介
    2. パーティクル除去について
    • 質疑応答

第3部 UV照射による樹脂の表面改質と接合技術

(2019年8月29日 15:30〜17:00)

 紫外線とりわけ真空紫外線は高いフォトンエネルギーを持つことから、多くの物質に化学的作用を及ぼすことが知られており、電子部品分野では表面洗浄、表面改質技術として多数使われている。近年では自動車産業や、光学部品、航空産業において、金属材料から樹脂材料への置き換わりが盛んに行われている。
 そこには表面改質による接合強度向上が必須となる。また、バイオチップの様な生体を扱うデバイスでは、接着剤の有機溶剤による細胞への悪影響を嫌うため、接着剤を使わない接合が要求されており、真空紫外線による樹脂同士の直接接合へのニーズが高まっている。
 ここでは真空紫外線 (エキシマ光) を用いた表面改質及び、その技術を利用した接着剤接合、直接接合技術について紹介する。

  1. エキシマランプについて
  2. エキシマ光照射装置について
  3. 表面改質プロセスについて
  4. 評価方法について
  5. 表面改質の実施例
  6. 他方式の表面改質との比較
  7. 表面改質による接着性アップの実施例
  8. 直接接合プロセスについて
  9. 直接接合の実施例
  10. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 小川 俊夫
    金沢工業大学
    名誉教授
  • 黒田 真一
    群馬大学 大学院 理工学府
    専攻長 / 教授
  • 田村 豊
    春日電機 株式会社 コロナ処理技術部
  • 小柳 博
    ウシオ電機 株式会社 システムソリューション事業部 開発設計部門 設計技術第二部 BP技術PJ

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/10/7 シリカの分散・凝集制御とフィラーとして使いこなす活用術 オンライン
2024/10/8 水性塗料の配合設計と環境負荷低減 オンライン
2024/10/8 車載用プラスチック部品の基礎と最新動向 愛知県 会場
2024/10/9 トライボロジー (摩擦、摩耗、潤滑) の基礎と材料・表面技術を活用した耐摩耗対策・摩擦制御技術 会場・オンライン
2024/10/9 高分子絶縁材料の基礎と劣化対策 オンライン
2024/10/9 ポリウレタンの化学、原料の特徴と使い方、構造と特性、フォーム・塗料・複合材料用途での技術動向 オンライン
2024/10/9 フィルター、膜へのタンパク質吸着の制御技術 オンライン
2024/10/10 溶射技術の基礎とその応用 オンライン
2024/10/10 高分子材料の劣化・変色技術の基礎と防止処方技術 オンライン
2024/10/10 ポリマー・高分子材料用の各種添加剤の種類、作用機構と選択・処方・配合設計の基礎 オンライン
2024/10/11 繊維・不織布関連企業のための破壊的イノベーションのすすめ オンライン
2024/10/11 高分子絶縁材料の劣化メカニズムと寿命評価 オンライン
2024/10/11 架橋技術入門 オンライン
2024/10/11 ウェットコーティング・単層、重層塗布方式の基礎とダイ膜厚分布・特許・塗布故障 オンライン
2024/10/15 めっき技術の基礎ならびに密着性向上・トラブル対策の具体的ポイント オンライン
2024/10/15 高速通信用低誘電損失 (低誘電率・低誘電正接) ポリイミド開発に向けた分子設計と特性制御 オンライン
2024/10/15 ブリードアウト不良の原因と対策 オンライン
2024/10/16 レオロジー測定を利用した電極スラリーの評価技術 オンライン
2024/10/16 人工皮革・合成皮革の入門講座 オンライン
2024/10/17 シランカップリング剤の基礎、界面構造制御と機能材料への応用 オンライン

関連する出版物

発行年月
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2016/2/20 自動車用プラスチック部品・材料の新展開 2016
2015/10/1 すぐ分かるラミネート加工技術と実際およびトラブル・シューティング
2015/7/30 ダイ塗布の流動理論と塗布欠陥メカニズムへの応用および対策
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法
2014/8/25 ぬれ性のメカニズムと測定・制御技術
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書
2013/11/26 エンプラ市場の分析と用途開発動向 2013
2013/9/2 機能性エラストマー市場の徹底分析
2013/6/3 プラスチックのタフニングと強度設計
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書
2013/5/20 ドラッグデリバリーシステム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/4/5 高分子の延伸による構造と配向の発現およびそれらの制御法を利用した材料開発
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/2/28 吸水性樹脂 技術開発実態分析調査報告書
2012/11/1 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ