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リチウム電池用導電助剤の分散性向上と電池特性の改善手法

リチウム電池用導電助剤の分散性向上と電池特性の改善手法

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年3月27日(火) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 アセチレンブラック導電材の分散性向上と高性能化

(2018年3月27日 10:00〜11:30)

 本講座では、導電性炭素材料の中でもアセチレンブラックの特徴や用途展開について解説する。
 また、近年のリチウムイオン電池で要求されている高エネルギー密度化に向けて導電材が担う役割を粉体特性と分散性の観点から考察するとともにアセチレンブラックの分散性向上技術と高性能化について研究事例を交えて紹介する。

  1. 導電性炭素材料
    1. 材料の多様性と用途
    2. カーボンブラックとは
    3. リチウムイオン電池用炭素導電材の役割
  2. リチウムイオン電池用炭素導電材としてのアセチレンブラック
    1. アセチレンブラックの特徴
    2. アセチレンブラックの粉体特性と電池特性
    3. アセチレンブラックの分散性が電池特性に与える影響
  3. アセチレンブラックの分散性向上技術と高性能化
    1. アセチレンブラックの分散性向上技術のご紹介
    2. 電池の高性能化に向けた弊社研究事例のご紹介
  4. まとめと今後の展望
    • 質疑応答

第2部 導電助剤としてマリモ状炭素繊維を用いた活物質/炭素複合体の電気化学特性

(2018年3月27日 12:10〜13:40)

 マリモカーボンは、酸化ダイヤモンドを種核として炭素繊維が放射状に成長し、有核放射型マリモと非常に似た構造の炭素材料です。
 本研究では、この独特な構造のマリモカーボンを導電助剤として用いたリチウムイオン電池の電極材料の開発を行っています。
 マリモカーボンの構造は、導電助剤として広く用いられてきたアセチレンブラックブラックやカーボンナノチューブと大きく異なるため、マリモカーボンに最適な電極作製を模索し、更なる性能の向上に取り組んでいます。

  1. 新規炭素繊維構造体マリモカーボンの合成および物性
    1. マリモカーボンの成長触媒Ni担持酸化ダイヤモンドの合成
    2. マリモカーボンの合成
    3. マリモカーボンの物性 (形態観察、結晶構造、嵩密度、親水性、比表面積)
  2. 電極活物質/マリモカーボン複合体の合成
  3. 電極活物質/マリモカーボン複合体の物性
    1. 結晶構造および形態観察
  4. 電極活物質/マリモカーボン複合体の電気化学的特性
    1. 電極活物質/マリモカーボン複合体の充放電特性
    2. 電極活物質/マリモカーボン複合体の粉体抵抗
    3. 電極活物質/マリモカーボン複合体電極の表面抵抗
    4. 電極活物質/マリモカーボン複合体電極のインピーダンス法による評価
    • 質疑応答

第3部 次世代蓄電池用添加剤としての単層/多層カーボンナノチューブの特徴と性能評価

(2018年3月27日 13:50〜15:20)

 現在、リチウムイオン二次電池は産業利用がますます進んでおり、研究開発は具体的な次世代型を見据えた新しいステージに入りつつある。
 次世代材料であるCNTの中でもより細く繊維状物質らしい性質を持つ単層CNTを中心に、リチウムイオン電池へ応用した時の期待できる効果を実例を交えながら紹介していく。

  1. 世界のエネルギー消費動向
  2. リチウムイオン2次電池におけるCNTの役割と可能性
  3. CNTの種類と特徴
  4. 名城ナノカーボンのCNT技術
    1. CVD合成法による単層CNT MEIJO eDIPS
    2. CNTの物性評価と分散
  5. リチウムイオン二次電池への適用
    1. 負極合剤層への添加効果
    2. 正極合剤層への添加効果
  6. その他蓄電デバイスへの適用
  7. まとめ
    • 質疑応答

第4部 導電助剤の分散性評価技術と電極の構造解析

(2018年3月27日 15:30〜17:00)

 Liイオン電池において電極は性能を左右する上で重要な因子です。高容量化のための高耐電圧材料、高出力化のための微粒子材料、さらには高安全性のための難燃性材料など、様々な材料が日々開発されています。ただし、それら単一材料だけの性能を上げたとしても、電池の実性能は期待されるものでない場合が多々あります。それは、電極に材料の分散性が一因として挙げられます。分散性が低い電極内では合剤粒子が不均一凝集して存在し、充放電において不均一反応を引き起こします。電極の不均一反応は電池性能だけでなく、長期使用における耐久信頼性にも影響します。
 本講座では、電極合剤の導電助剤、バインダーの分散性を可視化し、定量化する手法を紹介いたします。また、得られたパラメーターが実際の電池特性にどのように寄与するのかについても事例を交えて紹介します。これらの手法は、電極の製造法の最適化や品質管理の分野において、分析支援できるものと考えています。

  1. はじめに
  2. 導電助剤及びバインダー分散性による電池性能への寄与
    1. 導電助剤とバインダーの役割
    2. 導電助剤の分散性評価 – ラマンマッピング法
    3. バインダーの分散性評価 – EPMA分析法、熱分解GC – MS法
    4. 電極製造条件による分散性及び電池特性
  3. 電池信頼性における電極の導電ネットワークの寄与
    1. 電極内の導電ネットワーク可視化評価 – SPM法
    2. 電気的に活性な活物質割合と電池特性の関係
  4. 充放電作動条件における反応分布評価 (in situ分析)
    1. 白色光共焦点顕微鏡によるin situ分析
    2. 負極黒鉛における反応分布の可視化及び定量化
    • 質疑応答

講師

  • 永井 達也
    デンカ株式会社 千葉工場 電池・導電材料開発部
    グループリーダー
  • 江口 美佳
    茨城大学 工学部 生体分子機能工学科
    准教授
  • 八名 拓実
    株式会社 名城ナノカーボン 技術開発部
    課長
  • 木村 宏
    株式会社 住化分析センター マテリアル事業部

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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