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異種樹脂材料の接着、接合技術と界面制御

異種樹脂材料の接着、接合技術と界面制御

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年8月28日(月) 10時30分 16時20分

プログラム

第1部 異種高分子間の界面構造とその接着性

(2017年8月28日 10:30〜12:30)

 異種高分子対は通常非相溶であることから、その界面の厚みは薄く、接着強度は低い。しかし、積層材料やポリマーアロイなどを含む複合系材料において、材料の高性能化・高機能化を図るためには、その界面はたいへん重要であり、その構造や形成過程などの知識を有した上で、制御していく必要がある。
 ここでは、界面の熱力学や界面構造の測定法といった基礎から、非平衡状態を利用した接着強度向上や反応系による界面などについて述べ、界面の理解および制御につなげる。

  1. Introduction
  2. 異種高分子界面の熱力学
    1. 平衡界面厚みと相互作用パラメータ
  3. 界面の構造解析
    1. 形態学的手法
    2. 分光学的手法
  4. 界面形成過程
    1. 界面の初期厚化過程の測定
    2. 非平衡界面を利用した難接着樹脂間の接着
  5. 反応系高分子-高分子界面
    1. 共重合体形成
    2. 共重合体種による違い
  6. 界面構造と接着性
    1. 接着性の向上
    • 質疑応答

第2部 レーザー処理による二重成形技術と異種樹脂材料の接合技術

(2017年8月28日 13:20〜14:30)

 近年、自動車分野や電気・電子分野において部品のモジュール化や高機能化の影響から、樹脂-樹脂の接合技術を要求されることが増えています。例えば、センサ類やコイルボビンなど気密 (水密) 性が求められる部品には、PBT (ポリブチレンテレフタレート) 樹脂やPPS (ポリフェニレンサルファイド) 樹脂の二重成形技術が応用されてきました。しかし従来の二重成形では制約として、①1次・2次材料間の融点差や軟化温度差、②1次・2次材料が同材もしくは相溶可能な材料、が求められるため異種材料接合へは広く適用が出来ないのが現状でした。
 AKI-Lockは、従来の二重成形の接合機構である溶融・融着ではなく、1次成形品に添加されているガラス繊維を2次成形時に物理アンカーとして利用する接合方法であるため、2次材料の選定には制約がありません。したがって、同材だけでなく異種材料との接合も容易であり、従来の二重成形よりも幅広い材料の組合せで接合が可能となります。

  1. 背景・目的
  2. 技術概要
    1. AKI-Lockとは
    2. AKI-Lockの接合工程
  3. 技術詳細
    1. 異種樹脂材料における接合強度①
    2. 異種樹脂材料における接合強度② (軟質材料との接合)
    3. 従来の二重成形接合技術との比較
    4. 耐久性
    5. 気密性、耐水圧性
    6. PPS樹脂における特殊挙動 (非結晶化)
    7. まとめ:接合機構
  4. 応用技術
    1. 超音波溶着の前処理
    2. 接着の前処理
  5. まとめ
    • 質疑応答

第3部 ゴムと樹脂の化学結合による直接接着技術『ラジカロック』

(2017年8月28日 14:40〜16:20)

 ゴムを中心とした複合化技術について、その機構を中心に全体を概観する形で説明します。複合化についてのより実際的な技術、特にゴムに関連する製造技術=ものづくりについて解説します。
 また、複合化技術を使用した活用案や採用事例などについても、実際の製品写真などにより解説します。複合化技術についてのより良い理解の助けになればと思います。

  1. ラジカロックの基礎知識
    1. ゴムってなんだ?
    2. 材料性質による分類
    3. 加硫と架橋の違い
    4. ラジカロックとは
      1. 剥がれない接着技術『ラジカロック』
      2. ラジカロックの優位性
      3. ラジカロックの適/不適のポイント
      4. ゴムと樹脂の組み合わせと特性
  2. ラジカロック導入のための参考情報
    1. 成形方法のイメージ (ざっくりと)
    2. 製造の流れ
    3. 複合化の構造的バリエーション
  3. ラジカロック接合技術の活用
    1. ラジカロックの活用案
      1. ゴムの優れた特性を製品開発に活かす
      2. 人体や環境に優しい製品づくりに活かす
      3. 気密性向上を利用した製品の製造
      4. 金属材替による軽量化
      5. 複雑な形状での製品化
  4. 応用事例
    1. 自動車への採用事例
    2. 靴底への採用事例
    3. その他分野での採用事例
      1. 弱電関連部品への応用事例
      2. その他分野での採用事例
  5. 今後の展望・弊社の役割
    1. これからの課題と展望
    2. 弊社のご紹介
    • 質疑応答

講師

  • 扇澤 敏明
    東京工業大学 大学院 理工学研究科 物質科学専攻
    教授
  • 見置 高士
    ポリプラスチックス 株式会社 研究開発本部 テクニカルソリューションセンター
  • 中山 義一
    株式会社 中野製作所 タスクマネジメントグループ
    マネージャー

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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