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実用系 分散系材料の設計・配合技術 3カ月連続徹底解説セミナー

実用系 分散系材料の設計・配合技術 3カ月連続徹底解説セミナー

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年11月29日(火) 10時30分 16時30分
  • 2016年12月22日(木) 10時30分 16時30分
  • 2017年1月27日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 微粒子・粉体を扱う技術者、開発者、研究者
    • 医薬品
    • 食品
    • 化粧品
    • セラミックス
    • 印刷 (インク・塗料・トナー)
    • 肥料
    • 化学原料
    • 電子材料
    • 金属材料
    • 電池材料
    • 粉末治金 など
  • 微粒子・粉体を扱う入門者、初心者、これから粉体を扱う方
  • 微粒子・粉体で課題を抱えている方

プログラム

2016年11月29日「最適な分散系材料開発に向けた『分散レシピ』設計の基礎講座」

 粒子が分散した材料 (以下、分散系材料) は、導電剤、電池、セラミックス、機能性コーティング、塗料、インキ、など様々な分野で利用されているが、「ポテポテで流動性が無い。」、「うまく塗れない。」、「時間が経つと沈降したり、粘度が増加したりする。」、「粒子そのものは小さいはずだが、スラリー中でなかなか小さくできない。」などの問題に直面するケースが多い。
 本講座では、上記の諸問題が生じ難い実用的な分散レシピを設計するにあたり必要となる、粒子を微粒化し、分散安定するための基本的な考え方、粒子と分散剤 (高分子) と溶剤の最適な組み合わせ方、親和性を定量的に考えるための評価尺度などを平易に解説する。

  1. 粒子分散の基本的な考え方
    1. 分散系の作り方 ~ブレークダウン法とビュルドアップ法
    2. 粒子分散とは一次粒子の凝集体 (二次粒子) を解凝集する工程である。
      1. さまざまな形の一次粒子 ~この形状はフロキュレートしやすい~
      2. 吸油量
    3. 粒子分散の単位過程 ~ぬれ、機械的解砕、分散安定化~
      1. ぬれ ~ぬれを左右する因子、親和性が高いからぬれるのではない~
      2. 分散安定化 ~微粒化された粒子が再凝集するのを防止する~
      3. 高分子吸着による分散安定化とアンカー部の分布の影響
    4. 主要成分 (粒子、分散剤や樹脂、溶剤) の親和性はどうあるべきか
    5. 粒子の分散状態や分散安定性と粒子分散系の性質
      1. 流動性 ~フロキュレーションがポテポテとサラサラを左右する~
      2. 沈降 ~微粒化すると沈降しないのは何故?~
      3. 光の散乱 (ヘイズ) と粒子径
      4. 乾燥被膜表面の平滑性と分散度
      5. 複数種類の粒子が共存する際に生じる問題 ~共凝集、膜内分離~
      6. 溶解ショック ~粒子分散液に何かを混ぜると凝集するのは何故~
  2. 有機溶剤系における分散レシピ設計で押さえておきたい事項
    1. 溶剤、粒子の表面張力とぬれ性 ~溶剤系は分散安定化だけ考えればよい~
    2. 溶剤系での粒子、高分子、溶剤の親和性を取り扱うための尺度
    3. 粒子、高分子 (分散剤や樹脂) の親和性は酸塩基で考える ~あとは酸塩基性の評価法~
      1. 非水電位差滴定法
      2. 等電点と等酸点
    4. バインダー樹脂で分散する ~酸塩基変性による分散用樹脂の調製~
    5. 溶剤選択は溶解性パラメーターで
      1. 溶解性パラメーターとは ~溶解性パラメーターが近いもの程、良く混じる・良く溶ける~
      2. 三次元溶解性パラメーター ~Hansenパラメーター~
      3. 様々な溶剤の溶解性パラメーター
      4. 高分子の溶解性パラメーターの決め方
      5. 溶解性パラメーターと表面張力 ~根っこは同じ凝集エネルギー~
  3. 水性系における分散レシピ設計で押さえておきたい事項
    1. 水の溶剤としての特異性
    2. 水性系での疎水性粉体の分散ではぬれのプロセスが重要
      1. 粒子の親水 – 疎水性度とぬれ
      2. 粒子の乾燥凝集状態とぬれ ~ガス吸着を用いた凝集隙間の評価~
    3. 水性系における分散安定化の考え方
      1. DLVO理論のエッセンスと実用分散系に適用する際の注意事項
      2. 高分子吸着による分散安定化と吸着のドライビングフォース ~疎水性相互作用と静電引力~
    4. ぬれと分散安定化を両立する粒子表面の最適親水性度
    5. 共存有機溶剤の影響
    • 質疑応答

2016年12月22日「分散系材料設計における分散剤の選定と塗布性の向上」

 粒子を含む材料はますます開発が加速している。従来のコーティング液をはじめとして、電池やフィルムなどの非常に薄い膜を形成するもの。また自動車用のプラステックや風力発電のブレードなどのような大きなものまで、マトリクス中へのフィラーやナノ粒子の分散にかかわる技術分野は広い。ここでは基本的な分散安定化の考え方と、実際の処方例を通じて分散剤の選定の着目点を紹介する。

  1. 分散安定化の基礎
    1. 粒子表面への吸着性
    2. 液中での分散安定化メカニズム、静電気的反発と立体障害
    3. 分散安定化が関与する問題
    4. 微分散が必要?
    5. 沈降防止が課題?
    6. 最終の膜特性の向上?
  2. 分散剤の設計思想
    1. 顔料吸着基の役割と種類
    2. 相溶性鎖の役割と種類
    3. 分散剤として実用化されている分子構造
    4. 分散剤分子量の効果
    5. 構造制御された分散剤
  3. 溶剤系での分散事例
  4. UV系での分散事例
  5. リチウムイオン電池での分散
  6. 固体での分散
    1. ポリオレフィンを主骨格とした分散剤、相溶化剤
    2. セルロース系粒子の分散
    3. ガラス系フィラーの分散
    4. ペレット状のアクリル系分散剤
  7. 水系での分散の注意点
    1. 泡が立ちにくい材料の選定と消泡剤
    2. 下地・素材への濡れ剤の選定
    3. 湿潤剤・分散剤の違いと特徴
    4. レオロジーコントロール剤の種類と特徴
  8. 補足
    1. 層状無機粒子による材料特性の向上
    2. レオロジーコントロール機能
    3. バリヤー効果
    4. 導電性機能
    5. ナノ粒子ディスパージョンのユニークな効果
    6. 耐スリキズ性の向上
    7. 反りの改善
    • 質疑応答

2017年1月27日「実用分散系材料設計のための微粒子の分散・凝集の評価技術」

 近年、エレクトロニクスメーカー等によって製品化されている多くの商品は、磁性材料、液晶、有機EL、太陽電池、燃料電池、二次電池等、いずれもスラリーを経由するプロセスが多用されている。しかし、プロセスで活用される高濃度スラリーは粒子濃度が高い故に光をプローブとする従来法が適用できず、十分な評価が行われて来なかった。
 本講では、分散性・分散安定性の定義など基礎的事項の説明だけでなく、実用プロセスで重要なスラリー特性とその評価方法について、できるだけ専門用語を用いずに解説する。さらに、分散性制御に必須の評価項目として粒子表面の特性評価法、とくに親・疎水性評価法について最近開発した実用的手法を紹介する。非水系溶媒に粒子を分散する工程でお困りの方、粒子表面の親・疎水性評価、粒子の溶媒への親和性評価を行いたくても適当な手法がなくて諦めておられた方に聴講して頂ければ幸いです。

  1. 実用分散系材料開発でのスラリーに関係するプロセスで良く遭遇する問題点
    1. 1次粒子の評価と凝集粒子の評価
    2. スラリーの希釈と評価方法における注意点
    3. 分散性と分散安定性の定義と実用系で観察される現象
    4. ゼータ電位で制御される分散安定性と実用スラリーの安定性
    5. DLVO理論と拡張DLVO理論 (非DLVO力も含めて)
    6. 水系スラリーと非水系スラリー調製におけるポイントと課題
  2. 分散性・分散安定性の間接評価法 – 粒子/溶媒界面特性の重要性と特性評価方法 –
    1. 水系スラリーにおける分散安定化機構
      1. 静電反発力による安定化と帯電機構 – どのようにして粒子は帯電するのか? –
      2. 立体障害による安定化と表面高分子層の評価 – 吸着ブラシ層の厚さを測る –
    2. 非水系スラリーにおける分散安定化機構
      1. 粒子 – 溶媒間相互作用 – 表面修飾と溶媒への親和性付与 –
      2. 分散性 (微粒子化) に及ぼす粒子表面の親・疎水性
      3. 粒子 – 溶媒界面エネルギーの低下と分散性 – 溶媒親和性の評価方法 –
    3. 粒子表面の最新評価方法 – ナノ粒子でも微粒子でも親水性・疎水性を評価しよう –
      1. 電位差滴定法
      2. 遠心沈降分析法
      3. パルスNMR法
  3. 分散性・分散安定性の直接評価法 – 高濃度スラリーを希釈せずに評価する必要性 –
    1. 遠心沈降分析法による評価 (スクリーニングおよび品質管理法として最適)
      1. 遠心沈降分析法の原理 – 古くて新しい遠心沈降分析法;蛋白から微粒子まで –
      2. 遠心沈降分析法を用いた分散性評価
        • 分散安定性の見える化
        • 沈降速度の評価
        • ポットライフの見積りと実例
        • 粒子圧密過程の評価と凝集粒子の検出法
    2. 超音波スペクトロスコピーによる評価 (原因究明に最適)
      1. 超音波スペクトロスコピーの原理 – 固体粒子から高分子、イオンまでが対象 –
      2. 超音波スペクトロスコピーを用いた分散性 (微粒子化過程) 評価と分散状態
      3. 濃厚分散系の粒度分布評価方法とその実用例の紹介
    3. パルスNMR法による評価 (プロセス管理・粉砕工程管理・界面制御に最適)
      1. パルスNMR法の原理 – NMRで何を測って、何が分かるの? –
      2. パルスNMR法による湿式比表面積測定 – 相対評価とプロセス管理 –
      3. パルスNMR法による高分子吸着量の評価 – 有機溶媒中での高分子吸着量の求め方 –
    • 質疑応答

講師

  • 小林 敏勝
    小林分散技研
    代表
  • 若原 章博
    ビックケミー・ジャパン株式会社 イノベーションディベロプメント
    統括
  • 武田 真一
    武田コロイドテクノ・コンサルティング株式会社
    代表取締役

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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お問い合わせ

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: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

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  • 全3コースを2名様以上でお申込みの場合、
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