技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子の表面処理による接着性改善技術

高分子の表面処理による接着性改善技術

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年1月29日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 高分子の表面処理に関連する技術者

修得知識

  • 各種表面処理法の概要
  • 処理法の特徴

プログラム

 プラスチックの表面処理はほとんどの場合、接着性向上のために行われる。これには物理的な方法と化学的な方法がある。物理的処理の代表格はコロナ処理である。最近は大気圧プラズマ処理という方法がポピュラーになってきているが、効果の本質は変わらない。火炎処理も自動車部品のような大きな材料にはよく適用されている。これらは言ってみれば極表面を酸化させることである。しかも高速で極表面 (数nm) だけを酸化するだけであるので、材料自身の特性にはほとんど影響を及ぼさずに、接着性だけを改善してくれる。いくつかの物理的処理方法についての長所短所について詳しく述べる。
 もう一つの化学的方法の代表的なものはシランカップリング剤による処理である。これは極めて簡単に実施できる処理である。シランカップリング剤の希薄水溶液に材料を浸漬後乾燥するだけで処理が完了する。こうした材料を相手材料と圧着するだけでかなり強固な接着力が得られる。あるいはイソシアネート基を有する化合物を使用しても強い接着力が得られる。これらの方法は万能というわけではないが、材料によっては極めて優れた接着性改善につながる。
 接着そのものに注目すれば、何の接着剤も使わずに熱圧着だけで済む場合もあるし、レーザー照射だけでも接着が可能な場合がある。これら多くの接着に関連した処理法について時間の許す限り詳しく述べたい。

  1. 接着の基本
    1. 接着の条件
    2. 分子間力と化学結合力
      1. ファンデアワールス力
        1. 常温接合と熱溶着
        2. レーザー溶着
        3. 溶剤接着とゲル接着
      2. 水素結合力
      3. シランカップリング剤
      4. イソシアネート化合物
      5. エポキシ樹脂
  2. ぬれ性と表面張力
    1. 接触角とYoung式
    2. 表面張力の存在と測定法
    3. 液体の表面張力
    4. 高分子等の固体の表面張力
    5. ぬれ性と官能基
    6. 官能基の極性
    7. 表面脆弱層 (WBL) の存在
    8. 表面粗さの表現と接着強度への効果
  3. 表面処理
    1. コロナ処理
      1. 湿度効果
      2. 電極形状効果
      3. 雰囲気ガスの影響
    2. 低圧プラズマ処理
    3. 大気圧プラズマ処理
      1. 電極接近型
      2. パルスプラズマ型
    4. 火炎処理
      1. 通常処理
      2. イトロ処理
    5. 紫外線照射
    6. シランカップリング剤処理
    7. グラフト化
  4. 表面処理に関する分子論的考察
    1. 高分子鎖への官能基付与
    2. 分解現象
    3. 架橋現象
    4. 処理効果の経時変化
  5. 表面のキャラクタリゼーション
    1. X線光電子分析法 (XPS)
    2. 全反射赤外分光法 (FTIRATR)
    3. 原子間力顕微鏡法 (AFM)
    4. 飛行時間型二次イオン質量分析法 (Tof – SIMS)
  6. 実際例
    1. 表面処理と碁盤目試験による塗膜の接着強度の評価
    2. LDPEとPETの接着剤なしの接着
    3. 芳香族ポリイミドと銅箔の接着
    4. ポリエチレンビニルアセテート共重合体とアルミニウムの接着
    5. 火炎処理によるポリプロピレン同士の接着
    6. 炭素繊維複合材料同士の接着

講師

会場

東宝土地 株式会社 高橋ビルヂング
東京都 千代田区 神田神保町3-2
東宝土地 株式会社 高橋ビルヂングの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,111円 (税別) / 49,800円 (税込)
複数名
: 36,111円 (税別) / 39,000円 (税込)

案内登録割引・複数名同時申込割引

S&T出版からの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。

  • STbook会員登録を希望する方
    2名様まで 43,796円(税別) / 47,300円(税込) で受講いただけます。
    追加1名あたり 33,796円(税別) / 36,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 43,796円(税別) / 47,300円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 43,796円(税別) / 47,300円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 77,592円(税別) / 83,800円(税込)
  • STbook会員登録を希望しない方
    2名様まで 46,111円(税別) / 49,800円(税込) で受講いただけます。
    追加1名あたり 36,111円(税別) / 39,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 46,111円(税別) / 49,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 46,111円(税別) / 49,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 82,222円(税別) / 88,800円(税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/6/19 塗布膜乾燥の基本とプロセス・現象・本質の理解&最適化と欠陥・トラブル対策 オンライン
2024/6/20 高分子結晶化の基礎と制御および分析技術 オンライン
2024/6/20 架橋剤を使うための総合知識 オンライン
2024/6/20 めっき技術/新めっき技術と半導体・エレクトロニクスデバイスへの応用・最新動向 オンライン
2024/6/21 熱分析入門 オンライン
2024/6/21 エポキシ樹脂の耐熱性向上と機能性両立への分子デザイン設計および用途展開における最新動向 オンライン
2024/6/21 ゴム・高分子材料のトライボロジー特性と接触面の観察および評価方法 オンライン
2024/6/21 アニオン重合の基礎知識と高分子の精密制御 オンライン
2024/6/21 フッ素樹脂をはじめとするPFASの基礎と欧州PFAS規制の動向および用途別の代替手段 オンライン
2024/6/21 分子動力学 (MD) 法の基本原理・具体的な技法から高分子材料開発への応用 オンライン
2024/6/24 粘着剤の基礎知識と評価法 オンライン
2024/6/24 シランカップリング剤のメカニズムと使用方法 オンライン
2024/6/25 界面・表面、応力影響、剥離・破壊の基本知識と密着性の改善技術と評価方法 東京都 会場・オンライン
2024/6/25 高分子の粘弾性挙動と時間-温度換算則の活用事例 オンライン
2024/6/25 フィラーの分散・充填技術およびナノコンポジットの研究開発動向 オンライン
2024/6/27 フィルム製膜における延伸・配向制御、その評価と応用 オンライン
2024/6/27 二軸スクリュ押出機を用いたリアクティブプロセシング技術の基礎から応用へ 東京都 オンライン
2024/6/27 粘弾性挙動によるプラスチック成形品の残留応力の発生と解放のメカニズム オンライン
2024/6/27 高周波用基板材料に求められる特性と材料設計・低誘電損失化 オンライン
2024/6/27 ぬれ性の基礎と滑水性の評価・制御 オンライン

関連する出版物

発行年月
2018/4/12 自動車用プラスチック部品の開発・採用の最新動向 2018
2018/3/29 超親水・親油性表面の技術
2018/3/19 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2018/3/18 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用
2017/2/27 プラスチックの破損・破壊メカニズムと耐衝撃性向上技術
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2015/10/1 すぐ分かるラミネート加工技術と実際およびトラブル・シューティング
2015/7/30 ダイ塗布の流動理論と塗布欠陥メカニズムへの応用および対策
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法
2014/8/25 ぬれ性のメカニズムと測定・制御技術
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書
2014/4/5 真空蒸着技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/9/2 機能性エラストマー市場の徹底分析