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プラスチック成形品、フィルムにおける残留応力・歪み発生メカニズムとアニール処理による対策

プラスチック成形品、フィルムにおける残留応力・歪み発生メカニズムとアニール処理による対策

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、プラスチックの粘弾性について基礎から解説し、粘弾性挙動の解釈法とその利用法、粘弾性挙動に伴う残留応力の発生機構と低減化法について、事例を交えて解説いたします。

開催日

  • 2024年10月31日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 高分子材料の成形で課題を抱えている担当者
  • 高分子材料を用いた製品の設計担当者
  • 高分子材料を用いた製品の品質保証担当者
  • 高分子材料に関連する技術者・開発者・研究者、品質担当者

修得知識

  • 残留応力発生の要因
  • 厚み、形状、素材の分子構造、張力、温度、滞留時間の調整テクニック
  • アニール処理で除去できない歪みと対策
  • アニール処理の不具合と対策、陥りやすい失敗例

プログラム

第1部 高分子材料の粘弾性挙動による残留応力の発生メカニズムと低減化法

(2024年10月31日 10:30〜12:30)

 粘性的性質と弾性的性質が混在する粘弾性挙動は、全ての素材に見られる特性であるが、高分子材料においては特に著しい振る舞いをする。高分子材料は、この挙動が200°C内で液体から固体へと変化することから、他の素材に比べ一般的な使用温度範囲において、力学的な扱いに注意が必要である。この粘弾性挙動に伴って、高分子材料の成形品には、成形時に殆どの場合において残留応力が生ずる。
 ここでは、高分子材料の最も重要な粘弾性挙動の解釈法と、粘弾性挙動に伴う残留応力の発生メカニズム及びその低減化法について説明します。

  1. 高分子材料の最も重要な粘弾性の基礎知識
    1. 粘弾性特性・熱粘弾性特性とは
    2. 粘弾性特性・熱粘弾性特性の利用方法
    3. 粘弾性に伴う特異現象
      • クリープ変形
      • 応力緩和
  2. 高分子材料の粘弾性挙動によって生ずる残留応力の発生メカニズム
    1. 残留応力の発生要因
    2. 粘弾性挙動によって生じる残留応力の発生メカニズム
    3. 残留応力低減化法
    • 質疑応答

第2部 残留ひずみ/残留応力の発生原理・対策とアニール処理

(2024年10月31日 13:30〜15:15)

 残留ひずみは成形過程で発生した弾性ひずみが残留したものである。残留応力は残留ひずみとヤング率の積である。過大な残留ひずみがあるとクラック、後寸法変化、光学ひずみなどの不具合原因になるが、設計、成形条件が複雑に関係するので対策が難しい不良現象である。
 本セミナーでは、代表的な成形法である射出成形と押出成形について、残留ひずみの発生原理と対策およびアニール処理にについて解説する。

  1. 残留ひずみに関係する樹脂特性
    1. 粘弾性と応力緩和
    2. 圧力・比容積・温度特性
  2. 射出成形と残留ひずみ
    1. 射出成形工程で生じる残留ひずみ
    2. 分子配向ひずみの発生原理と対策
    3. 冷却ひずみの発生原理と対策
    4. 金具インサートひずみの発生原理と対策
  3. 押出成形と残留ひずみ
    1. 押出成形工程で生じる残留ひずみ
    2. 配向ひずみの発生原理と対策
    3. 冷却ひずみの発生原理と対策
  4. 残留ひずみ測定法
    1. 光学的方法
    2. 化学的方法
    3. 応力解放法
  5. アニール処理
    1. アニールによる残留応力低減原理
    2. アニール条件
    3. アニールの方法
    4. アニールの必要性と留意点
    • 質疑応答

第3部 アニール処理による樹脂・フィルムの面歪み、および透視歪みの計測・解析技術について

(2024年10月31日 15:30〜16:30)

 樹脂・フィルムの微小な表面歪みや透視歪みを、複数の縞パターンを投影して、そのゆがみを解析することによって高感度に定量化する技術を紹介します。従来、官能検査に頼っていたヒケ、ウェルドラインによる歪みの計測可視化を評価します。事例からアニール前後の変化に対する評価の可能性を提示します。

  1. SurfTRiDY測定の光学系と測定状況
  2. SurfTRiDY測定の原理
  3. SurfTRiDY測定によって得られる結果
  4. SurfTRiDYによる面ひずみ分布測定例
  5. SurfTRiDYの用途・特徴
  6. 樹脂・フィルムへの適用例、アニール処理の評価
  7. SurfTRiDY高解像度対応
  8. 透視歪測定装置PersTRiDYへの応用
  9. その他開発事例
  10. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 新保 實
    株式会社SMS
    代表取締役
  • 本間 精一
    本間技術士事務所
    所長
  • 園部 治
    JFEテクノリサーチ株式会社 計測・可視化技術センター
    センター長

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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