技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

欧州医療機器規則MDR (臨床評価編)

欧州医療機器規則MDR (臨床評価編)

~世界一厳しい医療機器規制要件に対応するためには~
オンライン 開催

関連するセミナーとの同時申し込みで特別割引にて受講いただけます。

概要

本セミナーでは、MDR完全施行に伴い、医療機器企業が準備しなければならない事項を分かりやすく解説いたします。
MDR の基礎、MDR対応の問題点とリスク、MDDとMDRの違い、MDR対応のための要点を解説いたします。

開催日

  • 2024年6月26日(水) 13時30分 16時30分

修得知識

  • MDRに求められる臨床評価の管理方法
  • 臨床評価の基礎
  • MEDDEVの基礎
  • MEDDEV 2.7/1Rev.4に沿った臨床評価報告書の作成方法
  • 臨床データの収集及び分析方法

プログラム

 MDR (Medical Device Regulation:欧州医療機器規則) は2021年5月26日から完全施行されました。日本の企業はMDRの全貌を適切に理解していないと思われ、対応が後手に回っていると思われます。
 MDRは、FDAや日本の規制要件、および医薬品の規制要件などを参考に構築されており、いわば世界一厳しい医療機器規制要件となりました。とりわけ、MDRでは臨床評価要求事項 (臨床的な安全評価・有効性評価) が厳格化されました。
 臨床評価はMDD (Annex X) でも要求されていましたが、MDRにおいても臨床評価を実施し、臨床評価報告書を作成する必要があります。臨床評価は機器クラスや新規性とは関係なく、全ての機器に必要であり、日本の要求と異なることの1つです。実施のための詳細は臨床評価ガイダンス (MEDDEV 2.7/1 revision 4) に記載されています。
 MDRの臨床評価では、ガイダンスの内容の大項目の一部を含めた上で、さらに要件の追加および変更を行っています。臨床データと臨床評価報告書 (CER) は精査し、また、これらを繰り返し更新することも要求されます。
 製造業者は、MDR Article 61およびAnnex XIVにPart A (臨床評価関連のAnnex) に基づいて臨床評価と市販後臨床フォローアップ (PMCF) を実施しなければなりません。製造業者は臨床評価レベルの適切性について正当化することが求められます。

 臨床評価は下記に基づく必要があります。

  • 科学的文献 (Scientific Literature)
  • 臨床試験 (Clinical Investigation)
  • 他のオプションとなる治療法の考慮 (Other treatment)

 当然のことながら、認証機関の審査する技術資料の1つとして臨床評価が含まれます。
 MDRではMDDにはなかった臨床評価コンサルテーションが導入され、リスクの高い医療機器について、臨床評価の審査に行政当局が介入することになりました。それに伴い、臨床試験実施可否判断基準も厳格化されました。
 MDRにおいてはリスクの高い医療機器は、臨床試験が原則的に必須です。リスクの高い医療機器は、他社の医療機器との同等性を示す場合、その医療機器の技術文書へのフルアクセスの契約があることが条件となりますが、事実上は難しいでしょう。
 埋め込み機器およびクラスIII機器の場合は、安全性と臨床性能のサマリー (SSCP:Summary of Safety and Clinical Performance) の作成が求められます。臨床評価は市販後調査 (Post-Market Surveillance) および市販後臨床フォローアップ (Post-Market Clinical Follow-up) とも関連します。市販後監視で集めた情報によって臨床評価を更新することも忘れてはなりません。PMCFのより詳細な考察や、定期的な安全性アップデート報告書 (クラスIIa以上の機器) の提出が求められます。
 本セミナーでは、日米欧の医療機器規制要件を熟知した講師が、欧州医療機器規則における臨床評価に関して分かりやすく解説を行います。

  1. 臨床評価とは
    • なぜ、臨床評価が重要か?
    • なぜ、継続的な臨床評価が必要か?
    • 臨床評価とは?
    • 臨床評価の実施時期
  2. 用語の定義
    • 用語の定義
  3. MDRにおける臨床評価に関する要求事項
    • MDRの構成
    • 第6章 臨床評価および臨床試験 (Article 61〜82)
    • MDRのAnnex (附属書)
    • MDRにおける臨床評価の要求
    • MDRにおける臨床評価の実施
    • 臨床評価に関するMDCG非拘束ガイダンス
    • MEDDEV2.7/1 臨床評価 Rev.4における臨床評価の流れ
    • MDRにおける臨床評価の流れ
    • 市販前臨床評価
    • 市販後臨床評価 (PMS・PMCF)
  4. 臨床評価の実施に関する要求事項の詳細
    • a. MDR本文、Annex XIV、MEDDEV 2.7/1の関係
      • MDR本文、Annex XIV、MEDDEV の関係
      • 臨床評価の実施に関する要求事項 (サマリ)
      • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ (サマリ)
      • MDRにおける臨床評価の流れ (再掲)
      • MEDDEV2.7/1 Rev.4
      • MEDDEV2.7/1 Rev.4 (目次)
    • b. 臨床評価の実施に関する要求事項の詳細
      • 臨床評価の担当者に関する要求事項
      • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ
      • 当該機器との同等性を実証できる機器とは?
      • 当該機器との同等性を実証できる機器とは? – 技術的特性
      • 当該機器との同等性を実証できる機器とは? – 生物学的特性
      • 当該機器との同等性を実証できる機器とは? – 臨床的特性
      • 同等性評価のための比較テーブル (MDCG 2020-5)
      • 臨床評価の実施に関する要求事項
      • MDRにおける臨床評価の流れ
      • 臨床評価計画書
      • 臨床評価・臨床試験前の相談
      • MDRにおける臨床評価の流れ
      • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ
      • 2種類の臨床データ
    • 8. 関連データの特定 (第1段階)
      • 8.1 製造業者が収集し、保持するデータ
      • 8.2 文献から収集したデータ
        • MDRにおける臨床評価の流れ
        • 臨床評価 (Article 61) 要求事項サマリ
        • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ
    • 9. 関連データの評価 (第2段階)
      • 9.1 全般的な留意事項
      • 9.2 評価計画
      • 9.3 評価の実施
        • MDRにおける臨床評価の流れ
        • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ
    • 10. 臨床データの解析 (第3段階)
      • 10.1 全般的な留意事項
      • 10.2 特定の留意事項
      • 10.3 臨床データに基づく適合性の立証が適切とみなされない場合
        • MDRにおける臨床評価の流れ
        • 臨床評価 (Article 61) 要求事項サマリ
        • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ
    • 11. 臨床評価報告書 (CER、第4段階)
      • MDRにおける臨床評価の流れ
      • 臨床評価 (Article 61) 要求事項サマリ
      • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ
    • 11. 臨床評価報告書 (CER、第4段階)
      • MDRにおける臨床評価の流れ
      • Section 1 市販後監視市販後監視計画 (Article 84)
      • Annex III 市販後監視に関する技術文書
      • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ
      • MDRにおける臨床評価の流れ
      • Section 1 市販後監視市販後監視報告書 (Article 85)
      • Section 1 市販後監視定期的安全性最新報告 (Article 86)
  5. 臨床試験に関する要求事項
    • 臨床試験に関する要求事項
    • 医療目的がない製品に関する要求事項
  6. 臨床評価報告書
    • MDRに基づく臨床評価報告書 (CER) を作成する際に考慮すべき7つの重要なポイント
      • 1. Indications 適応
      • 2. 文献検索
      • 3. 臨床試験
      • 4. 有効期限
      • 5. 一般的安全性・性能要件 (GSPR) 対必須要件 (ER)
      • 6. 最先端技術
      • 7. ベネフィット/リスクの結論
  7. 逐条解説
    • a. MDR 第61条
      • 臨床評価 (Article 61)
    • b. Annex XIV
      • Annex XIV 臨床評価および市販後の臨床フォローアップ
    • c. MEDDEV 2.7/1 Rev.4
      • 6. 臨床評価の一般指針
        • 6.1 臨床評価とは
        • 6.2 臨床評価の実施時期と重要性
        • 6.3 臨床評価の実施方法
        • 6.4 臨床評価の担当者
      • 7. 臨床評価の適用範囲の定義 (第0段階)
      • 8. 関連データの特定 (第1段階)
        • 8.1 製造業者が収集し、保持するデータ
        • 8.2 文献から収集したデータ
      • 9. 関連データの評価 (第2段階)
        • 9.1 全般的な留意事項
        • 9.2 評価計画
        • 9.3 評価の実施
          • 9.3.1 方法論的品質および科学的妥当性の評価方法
          • 9.3.2 臨床評価で使用するデータセットの関連性の判断方法
          • 9.3.3 各データの寄与度、重み付け方法
      • 10. 臨床データの解析 (第3段階)
        • 10.1 全般的な留意事項
        • 10.2 特定の留意事項
        • 10.3 臨床データに基づく適合性の立証が適切とみなされない場合
      • 11. 臨床評価報告書 (CER、第4段階)

講師

  • 村山 浩一
    株式会社 イーコンプライアンス
    代表取締役

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,000円 (税別) / 33,000円 (税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

2日間コースのお申込み

セット対象セミナー

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/7 安全性定期報告書等の作成にむけた安全性集積データの見方・評価と文章作成のコツ オンライン
2024/5/8 中東主要国の薬事規制比較と現地対応手法 オンライン
2024/5/9 無菌・滅菌製品、滅菌プロセス、滅菌バリデーション業務者教育コース (初級・入門 Aコース + 中・上級 Bコース) オンライン
2024/5/9 無菌・滅菌製品、滅菌プロセス、滅菌バリデーション業務者教育コース (初級・入門 Aコース + 中・上級 Bコース) オンライン
2024/5/9 滅菌バリデーションの深堀と見落としがちな滅菌バリデーションの留意点、最新米国FDA等EO環境問題と代替滅菌プログラム動向、無菌性保証とパラメトリックリリース (PIC/S ANNEX17) とその推奨 オンライン
2024/5/9 滅菌の基礎と滅菌バリデーション入門 オンライン
2024/5/13 欧州体外診断用医療機器規則 (IVDR) の要求事項と対応ノウハウ オンライン
2024/5/15 ユーザビリティエンジニアリング要点セミナー オンライン
2024/5/16 ISO 13485:2016が要求する医療機器サンプルサイズの根拠を伴う統計学的手法 (全2コース) オンライン
2024/5/16 ISO 13485:2016が要求する医療機器サンプルサイズの根拠を伴う統計学的手法 (Aコース 基礎編) オンライン
2024/5/16 Computer Software Assuranceセミナー オンライン
2024/5/17 QMSR徹底解説 (初級講座) オンライン
2024/5/20 GVP省令が求める「医療機器製造販売後安全管理業務」 オンライン
2024/5/20 FMEAの必須知識と工程FMEAの実践手法 オンライン
2024/5/20 滅菌バリデーションの深堀と見落としがちな滅菌バリデーションの留意点、最新米国FDA等EO環境問題と代替滅菌プログラム動向、無菌性保証とパラメトリックリリース (PIC/S ANNEX17) とその推奨 オンライン
2024/5/20 信頼性物理に基づく信頼性試験技術 オンライン
2024/5/21 欧州体外診断用医療機器規則 (IVDR) の要求事項と対応ノウハウ オンライン
2024/5/21 FDA査察対応セミナー 入門編 オンライン
2024/5/22 ISO11135要求を満足するEOG滅菌バリデーションの実務の具体的ポイント オンライン
2024/5/22 医療機器・プログラム医療機器の保険戦略 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/12/31 機械学習・ディープラーニングによる "異常検知" 技術と活用事例集
2022/9/30 5G時代のデジタルヘルスとその事業化
2022/8/31 医療機器の設計開発における統計的手法とそのサンプルサイズ設定
2021/11/10 医療機器製造におけるバリデーション基礎講座
2021/10/18 医療機器の設計・開発時のサンプルサイズ設定と設定根拠
2021/10/15 医療機器のプロセスバリデーション (PV) と工程管理
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/4/28 医療機器の保険適用戦略 (製本版 + ebook版)
2021/4/28 医療機器の保険適用戦略
2021/3/15 体温計 (CD-ROM版)
2021/3/15 体温計
2021/2/1 ISO13485:2016対応 QMSひな形集一式
2021/2/1 QMS (手順書等) ひな形 災害対策計画書 (サイト毎)
2021/2/1 QMS (手順書等) ひな形 災害対策ガイドライン
2021/2/1 QMS (手順書等) ひな形 災害対策ポリシー
2021/2/1 QMS (手順書等) ひな形 災害時システム対策本部行動基準 (サイト毎)
2020/10/28 QMS/ISO関係をふまえた医療機器「プロセス」「滅菌」「包装」「ソフトウェア」バリデーションの進め方
2020/7/31 生体情報センシングと人の状態推定への応用
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集