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具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析と規格設定

具体的データ事例を用いた安定性試験の統計解析と規格設定

~開発段階に応じた規格設定/規格外のリスク見積 / 経時変化のばらつき/OOTのイレギュラー対応事例~
オンライン 開催

アーカイブ配信で受講をご希望の場合、視聴期間は2024年5月10日〜23日を予定しております。
アーカイブ配信のお申し込みは2024年5月10日まで承ります。

開催日

  • 2024年4月25日(木) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 溶出試験
  • 含量
  • 類縁、不純物
  • 統計・確率の視点
  • 経時変化のばらつきの理解
  • 確率の求め方(95%信頼区間)
  • 安定性試験の結果から製造時に規格外となるリスクがどの程度となるか、潜在リスクをどのように見積もるか
  • 回帰式による有効期間切れ時の予測

プログラム

 安定性モニタリングはPIC/S GMPの6つのギャップの一つとして実施が通知で定められ、各社が実施しています。また富山県のある製造所では安定性モニタリング未実施により製品回収になりました。
 今多くの会社が安定性モニタリングで規格不適合により製品回収が増えています。問題は規格不適合の結果が出て回収していることです。安定性は直ぐに規格不適合が起きるのではなく、規格下限 (含量や溶出) 、規格上限 (類縁や不純物) に近づいているのです。前もって推測できます。その推測に統計・確率の知識が必要です。規格不適合を予測し、対応を今行っていると、規格不適合になり製品回収になった時には、今流通している製品並びに物流在庫品は製品回収のリスクがありません。欠品回避ができるのです。欠品になることと製品回収では雲泥の差があります。なんといっても患者様に継続して服用していただけます。また営業サイドからは一度他社の製品回収になると再度納入することはハードルが高くなります。このセミナーにご参加され、それができれば参加費以上のメリットがあります。
 実際に起きている多くの安定性モニタリングの製品回収事例からも問題点を学ぶことにより、どこに注意が必要かも知ります。かつ、申請段階の規格幅設定に問題がある場合もあります。そのため製造で対応に苦慮する場合があります。適切な規格設定とはどのようなものなのか。
 安定性モニタリングで製品回収の多い下記の対策について統計的な視点で説明します。統計的視点とは、統計・確率だけでなく、3ゲン (現場、現物、現実) ・5ゲン (原理、原則) が重要です。事例からその視点を紹介します。また、OOS/OOTの理解も重要になりますので事例を交えて説明します。

  1. 改正GMP省令の安定性モニタリング
    1. 溶出試験不適合による製品回収
    2. 福井県/富山県製造所の第三者委員会からの学び
      • OOSの取り扱い
      • 安定性モニタリングの取り扱い
    3. 安定性モニタリングの実施
    4. 25°C×60%と申請時の室温成り行きの長期安定性で齟齬が生じた場合
    5. 製品品質照査の定期と臨時の確認の意味
  2. 安定性モニタリングによる製品回収事例
    1. 含量の低下による規格逸脱による製品回収
    2. 溶出試験不適合による製品回収事例
    3. 類縁/不純物
    4. 製品回収事例から見えて来るもの
    5. 欠品を来さない場合
    6. 欠品を来す場合
  3. 知っておきたい統計の知識
    1. データの見方、図示化
    2. 基本統計量
    3. バラツキの概念と分析バラツキの要因
      • データを見るとは規格適合だけでなく、そのデータの発生確率を知ること
    4. 工程能力指数
    5. 95%信頼区間 (バラツキによる規格不適合を考える)
    6. 相関係数と回帰式 (含量低下を考える)
    7. F検定&t検定
    8. 分散分析
  4. 申請時の規格設定の考え方 (承認後のリスクを高めない)
    1. 日局収載時の規格の見直しについて
    2. 規格幅の設定
    3. 経年品の低下 (安定性試験結果の反映)
    4. 類縁、不純物
    5. 1包装から複数回サンプリング、1包装1サンプルを採取の違い
  5. 申請資料用のサンプリングの注意点
    1. サンプルはロットを代表しているか
    2. 注射剤の不溶性異物
    3. ミニチュアサンプル
  6. OOS発生時のラボエラー調査
    1. 標準品変更時のOOS
    2. ラボエラーに気付かず製品回収
    3. PMDAによる試験不備による製品回収
    4. 日医工のOOSの判断不備への当局の指摘
    5. 規格限界値付近のデータの意味とその対応
    6. 欧米のOOSガイドライン
  7. 溶出試験以外の安定性モニタリングでの製品回収
    1. 含量
    2. 原薬の新製法による物性変化 (結晶形) による安定性での低下
    3. 原薬の粒子径 (ビタミンA) のバラツキと経年での安定性のバランス
    4. 類縁/不純物
    5. 研究開発時点でのデータ処理の問題
    6. 原薬の出発物質変更による経年での不溶性異物
    7. 生薬の類縁物質の原薬と経年での管理
    8. その他
  8. ラボエラーによる製品回収/欠品対応事例
    1. 凍結乾燥製剤の製品回収 (2005年) の事例
    2. 標準品変更に伴う欠品リスクによる当局対応
  9. 割り増し仕込み (過量仕込み) について
    1. ICH Q8
    2. 2013年GMP事例集と2022年GMP事例集の比較
    3. 実際の事例
    4. 福井県の製造所の割り増し仕込み事例を考える
    5. 最近のある都道府県の割り増し仕込みに関するやりとり
  10. 海外製造所品の溶出試験齟齬対応
    1. 海外製造所と受け入れ試験結果の不一致
    2. 話し合いの結果
    3. 取り決め事項への反映
  11. 海外販売品導入時の品質評価 (溶出試験)
    1. 導入時の品質の確認
    2. 溶出試験の課題とその対応
  12. 国内販売品の販売移管時の品質評価 (溶出試験)
    1. 移管時の品質の確認
    2. 溶出試験の課題とその対応
  13. 溶出試験で製品回収を起こさないために
    1. 製品品質照査結果からリスクのある製品の抽出 (確率/統計の視点から)
    2. 改善対応
      • 処方変更
      • 製造方法変更
      • 包装変更
    3. 溶出試験の堅牢性 (影響を受けやすい製品のリストアップ)
      • 原薬の粒子径管理
      • 経年で低下する場合
      • OOT管理
  14. 技術移管時の溶出試験の確認と溶出試験に影響を及ぼす因子
    1. 4液性の溶出挙動確認
    2. 原料
    3. 製造方法
    4. 包装 (ピンホール)
  15. QCで防ぎたい品質トラブル
    1. 溶出試験の統計確率のリスクの考え方
    2. 主薬の結晶形の影響
    3. 主薬の物性の溶出試験への影響
    4. 類縁物質が注射剤の不溶性異物に影響
  16. 人が創る品質/Quality Culture (FDA)

参考資料 (時間に余裕がある場合)

  1. 分析バリデーションとサンプリングの関係
    1. “原則品質部門がサンプリングする“の意味 (GMP逐条解説&事例集から)
    2. QCは評価する部門、分析バリデーションはツールの検証
    3. サンプリングとは、製造方法、均質性、ロット構成を把握して行う
    4. 承認書や日局にn数が規定されていない理由
    5. サンプリング試料の粉砕や縮分時の注意点
  2. OOS/OOTについて
    1. OOS/OOTの考え方
    2. OOS/OOTの仕組みと違い
    3. OOTの導入について (工程能力指数CpとCpkの活用)
    4. OOTを3σに設定して何度もOOTが出ている事例対応
    5. 錠剤硬度のOOTの事例対応
    6. 海外製造所のOOS調査不備による欠品リスクの事例
    7. 海外のOOSのガイダンス (EU&FDA)
      • FDAガイダンス (2022年5月改訂版の翻訳) 紹介
  3. ラボエラー調査
    1. ラボエラーチエックシート活用
    2. 試験器具、溶液の試験終了時まで保管
    3. 明確なラボエラーが断定できない時
    4. 安定性試験で含量が低下事例を考える
      • ラボエラー有無
      • 過去の安定栄試験のデータ参照
      • 標準品と検体の面積値検証
      • データ処理の確認
    5. 安定性モニタリングで溶出試験がOOS/OOTの対応事例
    6. 強熱残分試験のOOSの対応事例
  4. 製造工程の調査
    1. 該当ロットの逸脱確認
    2. 最近のロットの試験結果の確認
    3. 最近のインプロデータの確認
  5. 再試験/再サンプリングの問題点
    1. 再試験のための調査
    2. 試験者数と試験数
    3. 再試験の判定
    4. サンプリング時の問題有無
    5. 再サンプリングのための調査
    6. 再サンプリングの根拠
    7. OOSを考慮して最初にどの程度サンプリングするのか
    8. 最初のデータを棄却するためにどうするか
  6. OOSが棄却できなかった時の対応
    1. 原因究明
    2. 是正対応 (CAPA)
    • 質疑応答

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

主催

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  • 視聴期間は2024年5月10日〜23日を予定しております。
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