技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

バイオ医薬品における凝集体の発生メカニズム/分析・除去・抑制のポイントと動物細胞培養プロセスでの凝集形成/制御

バイオ医薬品における凝集体の発生メカニズム/分析・除去・抑制のポイントと動物細胞培養プロセスでの凝集形成/制御

~品質保証に不可欠な凝集体の評価と管理 / 抗体品質を向上させるバイオプロセス構築は可能か~
オンライン 開催

視聴期間は2023年1月24日〜2月6日を予定しております。
お申し込みは2023年1月24日まで承ります。

概要

本セミナーでは、抗体医薬品の凝集体に焦点を当て、凝集体の発生メカニズム、凝集体の分析法、凝集体の除去技術、凝集化の抑制技術に関して、それらの基礎的事項をわかりやすく解説いたします。

開催日

  • 2023年1月24日(火) 10時30分 2023年2月6日(月) 17時00分

修得知識

  • バイオ医薬品/抗体医薬品の品質管理に関する基礎知識
  • バイオ医薬品/抗体医薬品の凝集化に関する科学と技術

プログラム

第1部 バイオ医薬品における凝集体の発生メカニズムと分析・除去・抑制のポイン

- 品質保証に不可欠な凝集体の評価と管理 –

(10:30〜14:45 (昼休憩45分を挟みます)

 バイオ医薬品の急速な需要拡大に伴い、有効性と安全性が担保された高品質・高効率な製造技術が求められています。タンパク質であるバイオ医薬品は、不安定な巨大高分子であるため、製造工程中に劣化しやすく、さまざまな目的物質由来不純物が生じます。その中でも有効成分の凝集体は、薬理作用の低下だけではなく、免疫原性惹起の原因とも考えられており、2014年に発表されたFDAガイダンスでは、リスク管理の観点から、製剤中の凝集体の含有量を可能な限り減らすことを製造者に推奨しています。
 本講演では、抗体医薬品の凝集体に焦点を当てて、凝集体の発生メカニズム、凝集体の分析法、凝集体の除去技術、および凝集化の抑制技術などに関して、それらの基礎的事項をわかりやすく概説します。凝集体の科学と技術に関して、初めて学ぶ方でも体系的に理解できる構成となっています。凝集体の評価と管理における継続的な開発は、今後のバイオ医薬品の品質保証に不可欠と認識されていますので、医薬品の製造に携わっている方はもちろん、現在直接的な関係の浅い業態の方にも参考になる情報は多いと思います。

  1. バイオ医薬品の品質管理に関する基本
  2. 免疫原性に関わるFDAガイダンス
    1. 患者に由来する免疫原性関連因子
    2. 製品に由来する免疫原性関連因子
    3. 凝集体と免疫原性
    4. FDAの推奨事項
  3. 凝集体の定義と分類
    1. 凝集体の定義
    2. 主な分類方法
    3. 米国薬局方における分類方法
    4. アミロイド凝集とアモルファス凝集
  4. 凝集体の発生成長と原因
    1. 生産株調製
    2. セルバンク構築
    3. 培養工程
    4. 精製工程
    5. 製剤工程
    6. 調剤・投薬
  5. 凝集化の理論
    1. タンパク質の安定性
    2. コロイド安定性とコンフォメーション安定性
    3. 物理学的安定性、化学的安定性、生物学的安定性
    4. 熱力学的安定性と速度論的安定性
    5. 凝集化のメカニズム
    6. タンパク質のフォールディングと凝集化
    7. タンパク質の凝集化のモデル
    8. 抗体凝集化のパスウェイ
    9. 抗体凝集化の多様性と特殊性
  6. 凝集体の分析法
    1. 粒子サイズと分析法の対応
    2. ナノメートル粒子
    3. ナノメートル粒子分析法の注意
    4. サブミクロン粒子
    5. ミクロン粒子
    6. その他の方法
    7. 凝集体の分析方法の比較
    8. 凝集体分析方法の限界と推奨
  7. 凝集体の除去技術
    1. クロマトグラフィーによる除去
    2. HICとCEC
    3. 収率と純度のトレードオフ
    4. スケーラビリティ
    5. 吸着モード、フロースルーモード、ステップワイズ溶出
    6. 膜分離による除去
    7. NFFとTFF
    8. 目詰まり対策
    9. スケールアップ
    10. メンブランフィルターの活用
  8. 凝集化の抑制技術
    1. 凝集を防ぐ手段
      • 配列
      • 修飾
      • 細胞
      • 培養
      • 精製
      • 保管
    2. 添加剤によるタンパク質の安定化
    3. 安定化の分子機構
    4. 抗体医薬品の添加剤トレンド
  9. 技術開発動向の紹介
    1. 既存の凝集体分析技術、除去技術、抑制技術の課題
    2. 走査電子誘電率顕微鏡
    3. 人工タンパク質 AF.2A1
    4. AF.2A1-AlphaScreen法
    5. 抗 体凝集体のライブセルイメージング
    6. 凝集前駆体の選択的除去
    7. 「FDA推奨」への対応
    • 質疑応答

※講演時間の関係で内容の一部を割愛する場合がございます。

第2部 動物細胞培養プロセスにおけるタンパク質・抗体医薬品の凝集形成と制御

(15:00〜17:00)

 抗体医薬品などの組換えタンパク質医薬品は主にChinese hamster ovary (CHO) 細胞を宿主として生産される。動物細胞を使用したタンパク質生産の利点は「正しい立体構造をもつ活性型タンパク質を生産できる」点にあるが、一方で細胞培養プロセスにて凝集化抗体やミスフォールディング抗体が発生することも事実である。
 本講演では基礎研究を紹介しながら、細胞培養プロセスにおける凝集体形成機構と制御について議論する。

  1. バイオプロセスにおける抗体凝集
    • 抗体医薬品の生産方法と分子不均一性
    • 培養プロセス・細胞内の抗体凝集に関する研究報告例
  2. 細胞培養プロセスにおける凝集抗体形成機構
    • トレハロース添加による凝集抑制
    • 高浸透圧条件におけるメタボローム解析
    • 浸透圧耐性をもつ細胞構築
    • ケミカルシャペロンの効果
    • 培養プロセスにおける抗体凝集形成
    • 凝集抗体の分泌
    • 凝集抗体の構造的特徴
    • N-型糖鎖構造と凝集抗体の関連性
    • 抗体の構造形成過程と凝集抗体の分泌
  3. 抗体品質を向上させるバイオプロセス構築は可能か?
    • 抗体配列の製造適合性
    • 培養液中における抗体品質の改善
    • 高機能化細胞の開発と遺伝子迅速評価システム
    • 質疑応答

講師

  • 本田 真也
    産業技術総合研究所 生命工学領域 バイオメディカル研究部門
    副研究部門長
  • 鬼塚 正義
    徳島大学 大学院 工学部 生物工学科 生物機能工学講座
    助教

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 34,200円 (税別) / 37,620円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

アーカイブ配信セミナー

  • 「ビデオグ」を使ったアーカイブ配信セミナーとなります。
  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCなどからご視聴ができます。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 視聴テスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 後日(開催終了後から10日以内を目途)に、ID,パスワードをメールにてご連絡申し上げます。
  • 視聴期間は2023年1月24日〜2月6日を予定しております。ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は印刷・送付いたします。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/16 製薬用水の製造法・品質管理・バリデーション方法の基礎、査察事例を踏まえた考察 オンライン
2024/12/16 医薬品承認申請書のコンプライアンスとグレー部分への対応 オンライン
2024/12/16 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/17 省力化・効率化で実践するCSVへのヒント オンライン
2024/12/17 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/17 医薬品製造現場におけるコスト削減と少人数体制のQC/QA業務効率化 オンライン
2024/12/17 動物細胞におけるバイオリアクターの装置・操作設計/スケールアップと大量培養における注意点 オンライン
2024/12/17 LNP (脂質ナノ粒子) 製剤における品質評価/製剤設計・品質管理・製造プロセスとDDS技術・動向 オンライン
2024/12/17 GMPが空調設備に求める交叉汚染防止要件とその管理 オンライン
2024/12/17 無菌製剤・再生医療等製品の工場における査察対応とGMP改善業務 オンライン
2024/12/17 再生医療を含めた国際共同治験の進め方と各ステージ毎における対応手法 オンライン
2024/12/17 PV業務においてグローバルSOPとローカルSOPをどう棲み分け、整合性を図るか オンライン
2024/12/17 抗体の基本構造と糖鎖修飾を利用した均一ADCの合成 オンライン
2024/12/17 再生医療等製品の製造現場におけるGCTP適合性調査対策のポイント オンライン
2024/12/18 GMP省令改正に対応した供給者管理の留意点 東京都 会場・オンライン
2024/12/18 SDS・ラベル超基礎講座 オンライン
2024/12/18 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2024/12/18 バリデーション入門講座 オンライン
2024/12/18 ICH品質関連ガイダンス視点から考えるCTD-Q記載要求事項と効率的申請資料作成法 オンライン
2024/12/18 核酸医薬品の品質管理および分析・評価のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/10/26 バイオ医薬品の製剤安定化/高品質化のための不純物の規格設定と評価・管理手法
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版) (製本版+ebook版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)