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難溶性高分子の組成・構造解析

熱硬化性樹脂、エンプラ、繊維複合樹脂など

難溶性高分子の組成・構造解析

オンライン 開催

開催日

  • 2022年10月24日(月) 10時30分 16時00分

修得知識

  • 熱分解GC法の基礎と測定条件の決定方法
  • 有効炭素数の概念を利用した簡単な組成算出方法
  • 反応熱分解GCにおける最適測定条件や測定のノウハウ・コツ
  • 反応熱分解GCによるポリマー材料の組成・構造解析方法
  • ポリウレタンの分析・解析法
  • ポリウレタンの原材料の化学構造と構造分析
  • 難溶性・架橋ウレタン製品 (エラストマー・フォームなど) の組成分析
  • 溶液NMRの基本的な操作、解析方法
  • 難溶解性サンプルを溶液NMRで測定するための前処理法

プログラム

第1部 反応熱分解ガスクロマトグラフィーによる難溶性高分子の組成・構造解析

(2022年10月24日 10:30〜12:00)

 本講座では、まず、熱分解ガスクロマトグラフィー (熱分解GC) とそのバリエーションである「反応熱分解GC」について、測定原理や装置構成をそれぞれ解説し、次にこれらの方法を、難溶性高分子を始めとする各種ポリマー材料の組成・構造解析に応用した事例をいくつか紹介します。さらに、これらの分析において利用できる様々なテクニックやコツ・ノウハウ的な情報も併せて説明します。

  1. 熱分解GCの基礎と応用
    1. 熱分解GCの基礎
      1. 原理と測定方法
      2. 熱分解装置や分離カラムなどの装置構成
      3. 測定パラメーターの決め方
    2. 熱分解GCの関連技術・情報
      1. 有効炭素数の概念を利用した簡単な共重合組成の算出方法
      2. 熱分解GCの性能チェックに使用できる高分子標準試料
  2. 反応熱分解GCの基礎と応用
    1. 反応熱分解GCの基礎
      1. 原理と測定方法
      2. 使用される試薬類と用語
    2. 反応熱分解GCによる応用例
      1. 高分子材料の組成分析例 (縮合系ポリマーを中心に)
      2. 反応メカニズムと各種試薬が示す反応性
  3. 反応熱分解GCによる紫外線硬化樹脂の構造解析
    1. 測定および反応条件
    2. 実際の分析結果
    • 質疑応答

第2部 ポリウレタン製品の構造解析 (硬化物から原料組成の解析まで)

(2022年10月24日 12:50〜14:20)

 ポリウレタンは自動車・電子材料・建材・電気製品・塗料・接着剤など多方面に使用されている。このポリウレタン製品を適切に使いこなすためには、その化学構造を知っておくことが重要である。その基本材料としての構成成分 (イソシアネート・ポリオール・副資材など) の詳細な分析方法を紹介する。さらに、フォームのような架橋構造を有するポリウレタン製品はそのまま分析することが難しいため試料処理技術が重要であり、化学分解法を中心とした分析方法を詳しく解説する。ポリウレタン製品の分析を行う方々に必須の内容である (初級から中級者向け) 。

  1. ポリウレタン製品の概要と原料
    1. ウレタン製品の概要
      • フォーム
        • 軟質
        • 硬質
      • エラストマー
      • その他
        • 塗料
        • 接着剤
        • シーラントなど
    2. ウレタン材料の原料
      • イソシアネート
      • ポリオール
      • 副資材
        • 触媒
        • 発泡剤
        • 鎖延長剤
        • 整泡剤など
  2. 適用される分析方法
    1. IR (赤外分光) 法
    2. NMR法 (核磁気共鳴: 13C, 1H, 19Fなど)
    3. Py-GC (熱分解-ガスクロマトグラフ) 法
  3. ポリウレタンの構成成分 (原材料) の構造解析
    1. ポリオール
      • エーテル系
      • エステル系
    2. イソシアネート
      • 芳香族系
      • 脂肪族系
    3. 副資材
  4. ポリウレタン製品 (硬化物・架橋物) の構造解析
    1. フォーム・エラストマーの組成解析
    2. 溶解・膨潤状態での解析
    3. 化学分解法による解析
    4. 熱分解法による解析
    • 質疑応答

第3部 溶液NMRによる難溶解性サンプルの精密分子構造解析

(2022年10月24日 14:30〜16:00)

 溶液NMRは精密な分子構造の解析に有用ですが、サンプルのNMR溶媒への溶解性が低いと感度と分解能が著しく低下します。サンプルが不溶でも適切な前処理によって溶媒中での分散性と分子運動性を向上させると、溶液NMRによる定性分析が可能になります。前処理を行うにあたっての考え方や具体的な方法をご紹介したいと思います。
 サンプルは、セルロース等のバイオマスが中心ですが、可能な範囲で顔料や樹脂の分析にも触れられればと思います。

  1. NMRの基礎
    1. NMRの原理
    2. 固体NMRと溶液NMRの違い
    3. NMRで得られる情報
    4. 難溶性試料のNMR測定における課題
  2. 難溶性試料測定時の溶液NMRの課題と対策
    1. 感度および分解能低下の因子
    2. 分散性向上のための戦略
    3. 横緩和時間T2増加のための戦略
  3. 難溶性試料の溶液NMRによる分析事例
    1. イソプレンゴムの化学構造解析
    2. 表面化学修飾セルロースの分析
    3. Gel-state法による植物細胞壁の全分析
  4. Gel-state NMR法の応用展開
    1. Gel-state NMR法の適用範囲の拡張
    2. セルロース素材の表面化学修飾における反応追跡
    3. セルロースと有機顔料の相互作用
    4. セルロース補強フィラー中のセルロース – 相容化剤間の共有結合
    5. 合成高分子の分析
    • 質疑応答

講師

  • 石田 康行
    中部大学 応用生物学部 応用生物化学科
    教授
  • 米森 重明
    合同会社米森技術士事務所
    代表
  • 齋藤 靖子
    産業技術総合研究所 材料・化学領域 機能化学研究部門
    研究員

主催

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: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
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