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CO2分離回収へ向けたアミンの活用と劣化対策

CO2分離回収へ向けたアミンの活用と劣化対策

オンライン 開催

開催日

  • 2022年6月14日(火) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • CO2回収技術に関心のある方
  • CO2回収・利用 (CCU) および関連分野の技術者・研究者

修得知識

  • CO2回収に適したアミンに関する基礎知識
  • アミンを用いたCO2回収プロセスにおける化学反応に対する理解
  • アミンを用いたCO2回収技術の開発動向、課題、展望
  • 化学吸収法に用いられるアミン化合物の特徴
  • アミン化合物のCO2回収性能に関する情報
  • アミン化合物の劣化機構、及びその対策に関する情報
  • CO2分離回収
  • 相分離型CO2吸収剤
  • H2ストリッピング再生の特徴・設計
  • CO2回収エネルギー試算
  • 吸収剤の劣化評価
  • 吸収剤劣化物の分離

プログラム

第1部 CO2回収用アミン材料の反応機構と開発指針

(2022年6月14日 10:30〜12:00)

 カーボンニュートラル実現に向けて、CO2回収技術の重要性が高まっています。アミン溶液を用いた吸収法は最も成熟したCO2回収技術であり、また、アミンで機能化した吸着剤や分離膜を使った次世代回収技術の開発も進展しています。本講では、Amine-Based Capture of CO2の基礎知識、化学、開発動向、課題などについて概説いたします。

  1. はじめに
    1. CO2回収技術開発の背景
    2. CO2回収法の種別と特徴
    3. アミンスクラビング法の発明と発展
  2. アミンとCO2の反応
    1. アミンの種類
    2. アミンの特性
    3. アミンとCO2の反応
      1. カルバメート生成反応
      2. バイカーボネート生成反応
      3. カルバミン酸生成反応
      4. その他の反応
    4. アミンとCO2の反応機構
    5. アミンとCO2の反応:置換基効果
    6. アミンとCO2の反応:溶媒効果
  3. アミンを用いたCO2回収技術
    1. 吸収法
    2. 吸着 (固体吸収) 法
    3. 膜分離法
    4. 実用化事例
    5. 開発動向
    6. 課題と展望
  4. まとめ
    • 質疑応答

第2部 アミン系化合物による大気中CO2の選択的回収技術

(2022年6月14日 13:15〜14:45)

 現在、CO2削減技術として大気中のCO2を回収するDAC技術に注目が集まっています。CO2を回収する方法として、アミンを用いた化学吸収法があります。アミンは親水性基、炭酸水に代表されるようにCO2は水溶性のため、アミンとCO2における反応では含水することが常識となっていました。含水は、CO2の加熱放出時に水加熱分の余分な熱エネルギーを必要とします。
 一方、我々は、大気中の水分を含まずCO2を選択的に回収する技術を開発しました。これにより、水加熱分の余分なエネルギーの削減が期待されます。また、条件によってはCO2のみを回収することができるため、放出時には高純度のCO2を得られることになります。本発表ではその経緯を含め、我々の技術について紹介します。

  1. CO2回収技術について
    1. CCS (Carbon dioxide Capture and Storagege) およびDAC (Direct Air Capture) 技術について
    2. CCSとDACの違い、長所短所
  2. 低分子アミンを活用したDAC手法の開発
    1. 開発の経緯
    2. 化学吸収法の課題点の抽出
  3. 水分をも分離する耐水性DAC手法の開発
    1. 概念技術の獲得
    2. 応用技術の最新情報
    • 質疑応答

第3部 相分離型吸収剤の開発とCO2分離回収への応用

(2022年6月14日 15:00〜16:30)

 独自に開発したCO2吸収時に相分離する吸収剤やH2ストリッピング再生プロセスに関して、吸収・再生温度条件や所要エネルギーなどを紹介する。また、相分離吸収剤のアミン劣化物質の挙動や劣化物質の分離除去技術も報告する。

  1. CO2分離回収
    1. 背景、需要
    2. 既存の分離回収方法
  2. 相分離型CO2吸収剤
    1. 設計方法
    2. CO2溶解度における特徴
  3. H2ストリッピング再生
    1. カーボンリサイクル
    2. 統合プロセス
  4. エネルギー評価
    1. モデル化
    2. シミュレータでの評価
  5. 相分離型吸収剤の劣化特性
    1. 模擬排ガスでの劣化評価
    2. SOx被毒アミンの分離
  6. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 山田 秀尚
    金沢大学 先端科学・社会共創推進機構
    准教授
  • 稲垣 冬彦
    神戸学院大学 薬学部
    教授
  • 町田 洋
    名古屋大学 未来社会創造機構 脱炭素社会創造センター
    准教授

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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