技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

医薬品開発QMS構築のためのファーストステップ (2日間)

Zoomを使ったライブ配信セミナー

医薬品開発QMS構築のためのファーストステップ (2日間)

~ISO9001の理解とプロセス改善 = 医薬品開発の効率化へのアプローチ、品質マネジメントとリスクマネジメントを混同していませんか?~
オンライン 開催

開催日

  • 2020年11月16日(月) 10時30分 16時30分
  • 2020年11月17日(火) 10時30分 16時30分

修得知識

  • ISO9001による品質マネジメントの7つの原則
  • 出口管理からプロセスアプローチへのパラダイムシフト
  • リスクマネジメントとリスクベーストアプローチの違いの明確化
  • 臨床試験QMSの本質的理解
  • 臨床試験QMSの適合性と有効性
  • 海外規制当局 (FDA/EMA) の要求事項の理解
  • GCP Renovationの意義の本質的理解

プログラム

 ICH-E6 (R2) では、臨床試験の品質を確保するために品質マネジメントシステム (QMS) の構築及び運用が要求されます。また、リスクベーストアプローチの概念が導入され、臨床試験のプロセスやデータに影響を与えるリスクを、システム (体制) やスタディレベルで考慮することが求められことになります。
 ICH-GCPに新しく取り入れられることになったこれらの概念は、製品やサービスの品質マネジメントのグローバルスタンダード (国際標準) であるISO9001として、既に世界中に広く普及し、確立している考え方 (の一部) です。そして、日本の臨床試験 (治験・臨床研究) の現場、あるいは医薬品開発の現場でも、このようなグローバルスタンダードの品質マネジメントのあり方が求められるようになります。
 各局の対応の状況を見てみると、ICHが2016年11月9日にICH-E6 (R2) を発出後、EMAが2017年6月14日、やや遅れてFDAが2018年2月28日、順次改訂ICH-GCPの運用を開始しています。
 これに対し日本では、EMAとのレギュレーションラグ2年以上の2019年7月5日、J-GCPといわれる省令GCPの本文には手を加えず、GCPガイダンスその他の通知を利用した形での運用を開始させています。そして、それに対する業界の反応を見ると、「品質マネジメント」でも「リスクベーストアプローチ」でもなく、「リスクマネジメント」と「イシューマネジメント」を行うことが、さも新レギュレーション対応であるかのような動きがあります。
 改訂ICH-GCPのメッセージは、「efficiency=効率」です。そしてこの「効率」こそ、欧米と比較した場合の、日本の治験や医薬品開発の弱点であったはずです。したがって、われわれは、今般の改訂ICH-GCPを契機として、この「効率」改善に向けた取り組みを行わなければならないはずです。つまり、われわれがまず取り組むべきは、「リスクマネジメント」でも「イシューマネジメント」でもなく、「リスクベーストアプローチ」を基本方針とした「品質マネジメント」なのです。
 以上のような考え方を理解するには、ISO9001の知識が必須となります。そこで本講座では、まずISO9001の基本的な考え方を理解し、必要不可欠な基礎知識を習得します。その上で、改訂ICH-GCPが要求するQMS、リスクベーストアプローチ、プロセスアプローチ、Built in Quality等の概念を理解します。さらに、QMSを有効に運用しプロセス改善につなげていくための様々なアプローチを学びます。具体的には、QMSのツールとしてのSOPとはどういう意味なのか?PDCAが回っているシステムとはどういうものなのか?PDCAが回っていないシステムとはどういうものなのか?本当にノー検査・ノーQCで大丈夫なのか?等々の疑問を1つ1つ解決していきます。
 最終的には、医薬品開発QMSやGCPリノベーション (刷新) の意義を本質的に理解し、日本の治験や医薬品開発の「効率」改善につながるための品質マネジメントへ導くことを目標とします。
 なお、過去の本講座の受講生から、何をすべきか (What) は理解できたので、次にどのようにやるべきか (How) を教えて欲しいとのご相談を多くいただいております。通常Howについては、一般論でご説明することは不適切であり、各組織との1:1のコンサルテーションが必要になりますが、運用上の第1歩としてISO9001の理解をより深めるために、医薬品開発担当者向けのISO9001の解説書と、これを使ったセミナーを準備中です。

  1. Terminology
    1. 「Quality」について
    2. 「Management」について
    3. 「System」について
  2. ガラパゴス化した日本のGCP対応
    1. Role & Responsibilityって何?
    2. 手順は敢えてあいまいに!
    3. 「日付はいつにしておく?」
    4. 書類の差し替えは日本だけ?
    5. 民法改正ではんこは消えるのか?
    6. 最終成果物が綺麗ならOK?
      • 出口管理
      • 全数検査
      • 許容エラー率0%?
    7. モニタリングレポートのQC?
    8. QC・QA (監査) が品質を保証する?
  3. ISO9001による品質マネジメント
    1. ISO9001について
      • ISOとは?
      • 規格の位置付け
      • ISO9000シリーズ
    2. ISO9001:2015の構成
    3. まず第一にやるべきこととは?
    4. 品質について
      • 品質とは?
      • 適正な品質とは?
      • 価格とは?
      • 適正な品質はどうやって決める?
    5. 品質マネジメントの7つの原則
    6. 品質マネジメントシステム (QMS) により得られるもの
    7. 審査とは?
    8. 審査の目的
    9. 審査の種類
    10. QMSのPDCAサイクル
    11. 品質マネジメントの肝
    12. 継続的改善
    13. Lean Six Sigmaとは?
    14. DMAICとは?
  4. ISO9001とICH-GCP
    1. ISO9001:2015改訂のポイント
    2. ICH-E6 (R2) 改訂のポイント
    3. ICH-GCPの2本の柱
    4. ISO9001とICH-GCPの関係
    5. ISO31000 (リスクマネジメント規格) との関係
    6. ISO9001に基づくQMSへのパラダイムシフト
    7. プロセスとシステム
    8. プロセスアプローチとシステムアプローチ
      • Quality by Design (QbD) ・Built in Quality
    9. 医薬品開発のQMSとは?
    10. 医薬品開発データの創製プロセス
    11. モニタリングの位置付け
    12. 審査 (監査) の種類
    13. 医薬品開発実施プロセスのPDCAサイクルと継続的改善
  5. 医薬品開発QMSについて
    1. 医薬品開発QMSの組織体制
      • 伝統的なQCQA体制
      • グローバルスタンダードのQM体制
    2. 医薬品開発QMSの適合性
    3. 医薬品開発QMSの有効性
    4. ISO9001に基づく医薬品開発QMSの実装
      • 医薬品開発QMSの実装で何が変わる?
      • マインドセットを形成するもの
      • 80%の法則とは?
      • What is our ultimate goal?
  6. 医薬品開発QMSにおけるSOPマネジメント
    1. こんな疑問ないですか?
    2. SOPはなぜ必要なのか?
    3. SOPと教育
    4. 明確化=ルール化の目的
    5. 医薬品開発QMSの実装によるSOP見直しのポイント
      • 生産性向上につながるSOP
      • 明確化 (見える化) ・最小化 (ムダ取り) ・標準化 (生産性向上)
      • 有効なSOPとは?
      • 無駄・不適切なSOPとは?
      • 避けるべき表現とは?
      • 好ましい表現とは?
      • どこまで詳細にすべきか?
      • GCP,ガイドライン等の規制はどこまで盛り込むべきか?
      • SOPの階層構造
      • SOPマネジメントのPitfall
      • SOPを改訂すべき要因
      • 今後作成・見直しを検討したいSOP
    6. SOPマネジメントシステムのあり方
      • 組織体制
      • 管理方法
    7. グローバルSOPとローカルSOP
      • それぞれの役割
      • ポジショニングと階層構造
      • 海外規制当局 (FDA/EMA) が求めるグローバルSOP
  7. 医薬品開発QMSにおけるリスクアセスメント
    1. リスクマネジメントとリスクベーストアプローチはどう違う?
      • リスクマネジメントについて
      • リスクベーストアプローチについて
      • 問題 (イシュー) マネジメントについて
    2. リスクの定義
    3. 「安全」とは?
    4. リスクアセスメントについて
    5. リスクアセスメントのプロセス
    6. 医薬品開発におけるRisk Identification (特定)
    7. 医薬品開発におけるRisk Estimation (見積り)
    8. 医薬品開発におけるRisk Evaluation (評価)
    9. リスクマネジメントベーストモニタリング (RMBM) とリスクベーストモニタリング (RBM)
    10. まず第一にやるべきこととは?
  8. 医薬品開発QMSにおけるRBM (リスクベーストモニタリング)
    1. DM・統計学的アプローチ
    2. モニタリングプロセスアプローチ (プラクティカルRBM)
    3. プラクティカルRBMのプロセス
    4. Risk Identification (特定)
    5. Risk Estimation (見積り)
    6. Risk Evaluation (評価)
    7. Risk Reduction (低減)
    8. リスクのモニタリング計画への反映
  9. 品質マネジメントの観点からのオーバーサイト (Oversight)
    1. スポンサーによるCROオーバーサイト
      • ISOを知らないCROオーバーサイト
      • ISOを理解したCROオーバーサイト
      • バリューチェーンマネジメント
      • CROの今後の課題
    2. 治験責任医師による治験チームオーバーサイト
      • ISOを知らない治験チームオーバーサイト
      • ISOを理解した治験チームオーバーサイト
  10. Global Communication
    1. Languages from native English speakers
    2. Japanese in Global Communication
    3. Global Cultural Differences
    4. English as a Tool of Global Communication
    5. How to apply PDCA Cycle in English Learning
  11. おわりに
    1. 医薬品開発QMSの成功例
    2. 医薬品開発QMSの失敗例
    3. まず第一にやるべきこととは?

 本講座は、これまでにISO9001を学んだことがない方でも理解が出来るように構成しておりますが、本講座をより有効に活用されるため、以下の規格書を事前にご一読され、また当日ご持参し適宜ご参照されることをお勧めします。
対訳ISO9001:2015 (JIS Q 9001:2015) 品質マネジメントの国際規格」 (日本規格協会)

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 70,000円 (税別) / 77,000円 (税込)
複数名
: 35,000円 (税別) / 38,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 35,000円(税別) / 38,500円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 64,000円(税別) / 70,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 70,000円(税別) / 77,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 105,000円(税別) / 115,500円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 70,000円(税別) / 77,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 140,000円(税別) / 154,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 210,000円(税別) / 231,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 ミーティングテスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 後日、別途視聴用のURLをメールにてご連絡申し上げます。
  • セミナー開催日時の10分前に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。電子媒体での配布はございません。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • ご質問については、オープンにできるご質問をチャットにご記入ください。
  • 個別相談(他社に知られたくない)のご質問は後日メールにて講師と直接お願いします。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/4/28 FDA DMF (Type II,IV) (Type III) の各ファイルの作成方法と事例及びFDA照会対応 (2日コース) オンライン
2025/4/28 開発から製造販売後までの一貫した安全性評価の取りまとめ方と効率的な資料作成方法 (基礎編 + 実践編) オンライン
2025/4/28 化学物質を扱う研究所における法規制に準拠した薬品管理の進め方 オンライン
2025/4/28 FDA DMF (Type II,IV) の各ファイルの作成方法と事例及びFDA照会対応 オンライン
2025/4/28 開発から製造販売後までの一貫した安全性評価の取りまとめ方と効率的な資料作成方法 (基礎編) オンライン
2025/4/28 開発から製造販売後までの一貫した安全性評価の取りまとめ方と効率的な資料作成方法 (実践編) オンライン
2025/4/28 FDA DMF (Type III) の各ファイルの作成方法と事例及びFDA照会対応 オンライン
2025/5/29 再生医療等製品/細胞加工製品の製造・QC担当者のためのGCTP入門 オンライン
2025/5/29 責任役員 (上級経営陣) にむけたGMP、GQP教育訓練と法令順守体制の整備 オンライン
2025/5/29 医薬品/医療機器等へのQMSの具体的な構築フロー オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品 (抗体医薬品) の特性解析・構造決定と得られたデータの品質管理への活用 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品の不純物管理 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品における各種試験方法の適切な精度管理と分析法バリデーションの実施方法 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品のCTD (CMC) :妥当性の根拠とまとめ方 (2日間) オンライン
2025/5/29 環境モニタリングの測定時およびアラート・アクションレベル設定時の留意点 オンライン
2025/5/29 製品品質照査の活用による製造工程、原料・資材及び製品規格の妥当性検証 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品 (CMC) マスターコース (全6コース) オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品における製法・試験法変更と担保すべき同等性/同質性評価 オンライン
2025/5/29 バイオ医薬品における規格及び試験方法の設定と安定性試験 (長期保存試験) による有効期間の設定 オンライン
2025/5/29 医薬品製造業者における原材料・供給者管理と外部委託の際の留意点 オンライン

関連する出版物

発行年月
2012/1/20 24年度診療報酬改定におけるDPC評価の全貌
2011/12/22 光学活性医薬品開発とキラルプロセス化学技術
2011/12/14 QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー
2011/12/10 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書
2011/11/7 eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点
2010/12/1 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応準備の手引き
2010/11/29 FDA Part11査察再開と欧州ANNEX11要求対応