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人工・合成皮革の自動車内装表皮材への応用

人工・合成皮革の自動車内装表皮材への応用

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年12月22日(金) 10時30分17時15分

修得知識

  • 皮革の風合い評価に関するポイント
  • 測定機器に求める事
  • 得られたデータからの表面摩擦特性と樹脂組成との関係の考え方

プログラム

第1部 自動車内装表皮材のトレンドと製造技術

(2017年12月22日 10:30〜13:50)

 自動車シート用ウレタンレザーが急速に増加している。米国カリフォルニア州ではZEV (Zero Emission Vehicle) プログラム、EUではCO2排出量規制、中国でも深刻な大気汚染対策のため内燃機関からの脱却 (EV化) が進められている。今後はPHEV、EV、FC (Fuel Cell – 燃料電池:水素発電) が増加する。自動車内装材も燃費に寄与するため軽量化が重要な観点となっている。ウレタンレザーは高強度のため薄肉化が可能で、軟質塩ビや本革の約半分の重量で規格をクリアーする。
 高級車は本革が主流であったが中国での需要急増により供給不足になっている。また米国ではアニマルフリー化の風潮が強くなり、EVのテスラーモータース車も本革からウレタンレザーに代えている。
 日本ではファブリック (海外ではテキスタイルと表現) が主流であったが高級感に欠けるため、シートメインは意匠性の高いファブリック (蒸れ対策兼ねる) で、サイドは合成皮革や人工皮革を用いるコンビネーションが増加している。またウレタンレザーは高級感を出すためにインパネ材やドアトリム材にも採用されている。
 家具、衣料、シューズ用分野では加水分解するエステル系ウレタンレザーが使用されているが、自動車並の耐加水分解性が要求されている。
 シリコーンレザーやポリエステルエラストマー (TPEE) レザーも登場しているので紹介する (サンプル回覧予定) 。

  1. ウレタンレザー (合成皮革:スキン層付き,人工皮革:スエード) の動向
  2. 自動車シート用ウレタンレザー
    1. 合成皮革 (スキン層付き)
      1. 溶剤タイプコーティング法 – ハイソリッドタイプによる工程削減
      2. 水性タイプコーティング法 – 発泡層の形成方法
      3. ホットメルトコーティング法 – 発泡層の形成方法
    2. 人工皮革 (スキン層無し:スェード) – 環境に優しいマイクロファイバー
  3. 自動車インパネ・ドアトリム材用ウレタンレザー
    1. パウダースラッシュ成形用ウレタンビーズ
    2. スプレー成形用液状ウレタン
    3. 注型成形用反応型ウレタン (PURIM)
    4. ウレタンレザー貼り込み
  4. 非ウレタン系レザー
    1. シリコーンレザー (サンプル回覧予定)
    2. ポリエステルレザー (サンプル回覧予定)
  5. 家具・衣料・シューズ用ウレタンレザー
    • 質疑応答

第2部 人工皮革・合成皮革用ウレタン樹脂の設計による物性制御

(2017年12月22日 14:00〜15:30)

 本講座では、ポリウレタン樹脂の基礎に始まり、人工皮革・合成皮革用の樹脂設計を化学構造と物性の観点から説明する。特に、自動車内装材への適用に際し、加工方法や適用部位によって異なる要求性能に対し、どの様な樹脂設計が採用されているか述べる。また、海外での化学物質規制強化に伴い重要性を増す環境対応型樹脂についても、水系ウレタン樹脂を中心としてメリット、デメリットを含めて紹介する。

  1. 人工皮革・合成皮革とは
  2. ポリウレタン樹脂の基礎
    1. ポリウレタンの一般的性質
    2. ポリウレタンの構造
    3. イソシアネートの化学
  3. 人工皮革・合成皮革用ポリウレタン樹脂の設計
    1. 合成皮革・人工皮革の加工方法
    2. 各部位における要求性能と樹脂設計
    3. 耐久性・機能性の付与
  4. 環境対応型ウレタン樹脂
    • 質疑応答

第3部 人工・合成皮革・PVCレザーにおける触感表現とその数値化

(2017年12月22日 15:45〜17:15)

 過去より熟練者によって行われてきた皮革の風合い評価に関して、組成が明確な合皮等を使用し、表面摩擦特性と組成の関係から表面触感の数値化について解説する。

  1. 人工皮革,合成皮革, PVCレザーの違い
    1. 人工皮革とその表面仕上げ方法
    2. 合成皮革とその表面仕上げ方法
    3. PVCレザーとPVCレザーの表面仕上げ方法
  2. 皮革表面における高触感表現数値化の検討1
    1. 実験
      1. 試料調製
      2. 電子顕微鏡観察
      3. 圧縮特性
      4. 組成分析
      5. 摩擦特性
      6. 触感評価
    2. 結果及び考察
      1. 試料表面の樹脂組成
      2. 表面摩擦特性
      3. 触感評価
  3. 皮革表面における高触感表現数値化の検討2
    1. 実験
      1. 試料調製
      2. 年齢別触感評価
      3. 表面摩擦特性
      4. 接触角測定および表面自由エネルギー算出
    2. 結果及び考察
      1. 年齢別触感評価
      2. 表面摩擦特性
      3. 接触角
  4. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 西 一朗
    TPEテクノロジー 株式会社
    代表取締役
  • 片上 保之
    DIC 株式会社 ポリマ第二技術本部 ポリマ技術6グループ
  • 榎本 雅穗
    京都女子大学 家政学部 生活造形学科
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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主催

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