技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

医薬品におけるサンプリングの基礎知識と全梱同一性確認への対応

医薬品におけるサンプリングの基礎知識と全梱同一性確認への対応

~PIC/S要求事項をどのように負荷をかけずに対応するか~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年12月20日(水) 10時30分 16時30分

修得知識

  • サプライヤー管理の要求事項と重要性
  • 海外との品質契約の締結の注意点
  • 全梱包の同一性の確認、均質性の確認、確認試験の簡便法
  • サンプリングと計数抜取検査
  • 供給者管理
  • 品質契約
  • GMP監査/査察
  • 海外製造所の異物/外観問題
  • 製造販売承認書との齟齬
  • PIC/S – GMPガイドラインの全梱同一性確認
  • 原料/資材メーカーの品質管理
  • 製造委託先の品質管理

プログラム

 サンプリングは評価の一番重要な点である。サンプリングは良いものを購入する。良い状態で製造されていることを確認する手段であるが、サンプリングだけに頼っていたのでは良いものは得られない。
 PIC/S加盟により、6つのギャップが通知でだされその一つが原料資材の供給者管理である。原薬や資材の品質確保があって初めて医薬品の品質を確保できる。また製造委託が増えており、それもグローバルで増加している。品質は製造の現場で造り込まれている。製造所の品質リスクの確認は品質問題を未然に防ぐための重要であり、サンプリングはそれを評価するための重要な手段になる。
 30年品質保証してきた観点から注意点を説明する。特に問題となる海外製造所の対応について事例で紹介する。
 もう一つ、PIC/S加盟により6つのギャップ以外にPIC/S GMPガイドラインで求められているのに、全梱包からの同一性確認である。これを実施するとサンプリングと確認試験で多大な負荷がかかる。その負荷に見合うだけの品質へのメリットはない。この要求事項をどのように負荷をかけずに対応するかについて紹介する。サンプリングの基本とそれに関係する知識を把握し実践することで、良い品質の検証並びに確保が可能となる。

  1. 原材料の問題による医薬品の品質問題
  2. PMDAの最近の動向
  3. サプライヤー管理の要求事項と重要性
    1. PIC/S – GMPガイドラインのサプライヤー管理
    2. GQPの原薬製造所管理
    3. GQPの製造委託先管理
    4. 原料/資材メーカーの品質トラブルによる製品回収/承認取得遅延例
      • 原料に毛髪混入
      • 原薬のMFに齟齬
      • 資材メーカーでの異種フリップキャップ混入による製品回収 など
  4. 海外製造所の問題点
    1. 異物/外観の問題
      • 異物による製品回収
      • 注射剤の異物の海外とのギャップ
    2. レギュレーション (製造販売承認書) との齟齬
    3. 変更管理の難しさ
  5. 海外との品質契約の締結の注意点
    1. 売買契約と品質契約のすみ分け
    2. 品質契約で注意事項
    3. 製造所の監査が行える (&品質トラブル時に製造所に監査が行える)
    4. 受入れ時に適合しなかった場合の返品の可能性
    5. 日本で外観選別した時の不良品の費用の負担
    6. 変更時の連絡と承認
    7. 製造所での製造販売承認書記載事項からの逸脱確認
    8. 研究開発段階での外国製造所認定/GMP適合性調査資料提出の契約
      • 研究開発段階で注意すべき点
      • 海外の製造状況を把握し製造方法に反映させる (ソフトカプセル)
  6. GMP監査項目
    1. 製造販売承認書との整合性
    2. 取り決め事項との整合性
    3. 変更管理状況の確認
    4. 逸脱/ OOSの確認
    5. サンプリング方法の確認
    6. 類似の原料/資材の確認と受入れ試験で検出可能かの確認
    7. 洗浄バリデーションのサンプリングがワーストケースかの確認
  7. PIC/S – GMPガイドラインの位置づけ
    1. PIC/S – GMPガイドライン Annex8「サンプリング」
    2. 全梱包の原料確認試験の要求と統計的根拠に基づく受け入れ試験検査
    3. 製造所の実施状況とPIC/S GMPガイドライン対応方針
  8. 全梱包の同一性の確認
    1. 相手先製造所の品質保証体制の確認
    2. 流通段階の保証 (GDPの視点も含め)
    3. 輸送中の一時保管場所での管理
    4. 受け入れ時の保証
  9. 均質性の確認
    1. 原料/製剤の均質性評価
    2. 受け入時のロット毎の均質性の確認
    3. 縮分による均質性の確認
  10. 確認試験の簡便法
    1. ラマン分光
    2. 近赤外
    3. アルミピロー/金属容器など、非破壊検査ができない包装形態品の対応
  11. まとめ (製造所の実際の方法案)
    1. 計画案の作成
    2. ラマン分光/近赤外での検討
    3. 均質性データの確認
    4. 査察による製造所のコンタミ防止策確認
    5. 輸送業者、方法の確認と取り決め
    6. サンプリングの削減について
  12. サンプリングの取り方と注意事項
    1. サンプリングのSOP
    2. サンプリング者の研修
    3. サンプリングの記録
    4. 試料の縮分
    5. サンプリング計画のための必要な知識
      • 製造方法の確認
      • 不均一工程/作業の有無確認
      • バラツキの確認 (粒度別含量)
      • 現場でのサンプリングはフィルターがかかっている
  13. サンプリングと計数抜取検査
    1. ゴルゴ13の銃弾の受け入れ試験
    2. サンプリングに必要なバラツキについての基礎知識
    3. 第一種の過誤と第二種の過誤 (良品巻き込み&残存不良)
    4. OC曲線の概念を身に付ける
    5. AQLとJISZ9015抜取り試験
    6. 外観不良/異物は全工程 (QCの抜き取り試験含め) で保証
  14. サンプリングのアラカルト
    1. MRA/MOU国からの輸入品の受け入れ試験省略
    2. √n+1の妥当性
    3. サンプリングを製造現場に任せたことによる会社へのダメージ
    4. OOS発生時のリサンプリングの問題
    5. サンプリングのタイミングと試験 (巡回検査と定位置検査)
    6. サンプリング不備によるクロスコンタミ
    7. 出荷試験時のサンプリングを中間製品で代用する場合
    8. 溶出試験結果とサンプリング (製品回収の視点)
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

会場

機械振興会館

B3-1

東京都 港区 芝公園3-5-8
機械振興会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/28 バイオ医薬品の原薬製造における外来性感染性物質のクリアランスと安全性試験 オンライン
2024/11/28 残留溶媒に関する規制と申請上の留意点、規格値設定の考え方 オンライン
2024/11/29 原薬製造のプロセスバリデーション実施方法とスケールアップ・MF登録申請 オンライン
2024/11/29 サプリメント (機能性表示食品) におけるGMP (製造・品質管理の基準) 実施にむけた理解と実践 オンライン
2024/11/29 非無菌医薬品における微生物学的品質管理の必要レベルと微生物限度試験法実施事例 2024 オンライン
2024/11/29 再生医療等製品における治験薬製造の進め方とトラブル対応 オンライン
2024/11/29 動物用医薬品・体外診断薬における薬事規制と国内外市場動向 オンライン
2024/11/29 CSV (コンピュータ化システムバリデーション) ・GAMP5の基礎知識および実施のポイント オンライン
2024/12/2 局方/GMPに対応する不純物の評価・管理及び原薬出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定 オンライン
2024/12/2 ペプチド医薬品原薬の製造プロセス開発とスケールアップの留意点 オンライン
2024/12/3 GMPバリデーションのポイントと失敗事例 オンライン
2024/12/4 医薬品不純物 (有機不純物、無機不純物、残留溶媒) の化学的及び安全性評価と管理ポイント オンライン
2024/12/4 ISO9001:2015から化粧品GMP、ISO22716への適応、および原料に関するEFfCI GMP、一次容器に関するISO15378の要求の理解 オンライン
2024/12/4 エンドトキシン管理の要件と最新動向を踏まえた課題解決のアプローチ オンライン
2024/12/4 GMP監査・無通告査察実施時におけるポイントとQA・QCの各対応 オンライン
2024/12/4 無菌医薬品包装規制および完全性評価手順・各種漏れ試験方法のポイント オンライン
2024/12/4 改正QMS省令に伴う滅菌製品製造 (委託滅菌の注意含む) 品の滅菌関連の留意点と滅菌バリデーション基準の要求事項/監査時の留意点 オンライン
2024/12/5 ICH Q5A ウイルス安全性評価/外来性感染性物クリアランス評価コース オンライン
2024/12/5 ICH Q5A ウイルス安全性評価/品質審査での論点と次世代シーケンシング利用/薬事申請に当たっての留意点 オンライン
2024/12/6 現場の視点で考える効果的な洗浄バリデーションのポイントと継続的な検証 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版) (製本版+ebook版)
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2022/3/10 改正GMP省令対応 QA (品質保証) 実務ノウハウ集
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (製本版+ebook版)
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集