技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

製造所における逸脱/OOS対応とヒューマンエラー防止策

製造所における逸脱/OOS対応とヒューマンエラー防止策

~医薬品製造所におけるリスクマネジメントとGMP教育訓練~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年7月28日(金) 10時30分 16時30分

プログラム

 過去のエラーから十分学んでいるとエラーの70%は回避できるとも言われている。先ずは、仕組みをしっかり構築し、その上で実際のエラーを学ぶことで、判断する人の知識が向上する。
 逸脱/OOS/CAPAの仕組みを紹介し、リスクになると思われる項目を品質保証/品質管理に30年携わって来た立場から取り上げ、実際の過去に起きた事例から学ぶことにより、同じ過ちを繰り返さないことである。しかし、実際は他社で起きた誤りを繰り返している。
 品質は製造で造り込んでいる。そのため、GMPにプラスして上乗せ基準として全数保証に取り組んできた例を紹介する。また、エラーを防ぐ方法は、FDAでも最近取り上げられてきたQuality Culture (品質文化) を製造所でどのように構築するかが、品質問題予防の一番の方法である。それを取り組んできた事例や歴史から学ぶ。
 また、最近問題になっている“偽証・隠蔽”を起きないためのGMPマネージメントについても紹介する。

  1. 逸脱/異常について
    1. 逸脱/異常の考え方
    2. 逸脱/異常の仕組み
  2. 逸脱の初動調査で行うこと
    1. 逸脱の品質への大きさの確認
    2. ロット内、他のロット、他の製品への広がり確認
    3. 発生頻度の推定
    4. ロットの処置&対応
    5. 改善/是正処置
  3. OOS/OOTについて
    1. OOS/OOTの考え方
    2. OOS/OOTの仕組み
    3. OOTの導入について (工程能力指数CpとCpkの活用)
  4. ラボエラー調査
    1. ラボエラーチエックシート活用
    2. 試験器具、溶液の試験終了時まで保管
    3. 明確なラボエラーが断定できない時
  5. 製造工程の調査
    1. 該当ロットの逸脱確認
    2. 最近のロットの試験結果の確認
    3. 最近のインプロデータの確認
  6. 再試験/再サンプリングの問題点
    1. 再試験のための調査
    2. 試験者数と試験数
    3. 再試験の判定
    4. サンプリング時の問題有無
    5. 再サンプリングのための調査
    6. 再サンプリングの根拠
    7. OOSを考慮して最初にどの程度サンプリングするのか
  7. CAPA (是正予防措置) の仕組みとSOP
    1. CAPAの仕組み
    2. SOP
    3. 運用
    4. CAPAが正しく実施されていることの根拠としての記録
    5. KPI (Key Performance Indicator) として
  8. 製造所で起こり得るヒューマンエラー
    1. ヒューマンエラーはなぜ起きるか
    2. ヒューマンエラーの分類
    3. 他産業の大惨事から学ぶ
  9. 品質リスクの項目
    1. 品質のよくないものが出荷される/製品苦情として来る
      • 不適切な,逸脱/OOS対応
      • 年次安定性試験における規格不適合
      • 製品苦情で回収対象となる苦情
      • 法定表示違反
    2. レギュレーションへの不適合
      • 製造販売承認書の記載事項から逸脱する
      • 変更管理が適切でなく,製造販売承認書に反映されない
      • 原薬/委託先管理が適切でなく,製造販売承認書に反映されない
    3. 査察 (GMP適合性調査含む) での不適合
      • 新製品申請時のGMP適合性調査に期日まで適合しないため,新製品の承認が遅れる
      • 定期あるいは一変時のGMP適合性調査で問題点が見つかり製造に影響する
      • 外部の査察での不備が,自社にも影響する
  10. 実際の事例でケース・スタディ
    1. バラ包装のキャップを開けたら虫があった (製品苦情)
    2. ドリンク剤の使用期限と製造番号の捺印が逆になっている (製品苦情)
    3. 注射剤の粉末充填品をろ過したらフィルターに多くの異物 (大学病院薬剤部からの苦情)
    4. グローバル原薬の中に,ガラス異物が何個か見つかった (逸脱)
    5. 注射剤のバイアル瓶の個装箱への包装時に他社製品のフリップキャップが見つかった (逸脱)
    6. 注射剤のバイアル瓶の不溶性異物試験で繊維が幾つか見つかった (OOS)
    7. 注射剤の溶解液の経年品でフレークスが見つかった (安定性試験)
    8. 品質再評価の試験方法が,1/12個アウトにでている (新規試験方法設定)
    9. 他社製品の自社への販売移管時の品質評価 (導入時の品質評価)
    10. ドリンク剤 (食品) の栄養成分表示ミスが見つかった (問い合わせ)
    11. 製造販売承認書からの逸脱 (一変事項の個所だが品質には影響しない)
    12. 注射剤委託製造所で不溶性異物試験が適合しない (欠品のリスク)
    13. 仕入れ品の製造業の更新時に品目漏れがあり,製造所のある県の監視指導が製品回収を示唆している (仕入れ品先の品質保証)
    14. 処方成分でないものを製造工程で使用していることが判明 (レギュレーション厳格化への対応)
    15. ある製品のOOSが何度も発生している (当局査察時のリスクと収去時のリスク)
    16. 研開から移管された注射剤の新製品の不溶性異物の不良率が高い (研開からの移管時の品質保証)
    17. 注射剤の海外製造所が買収され,注射剤棟とそれ以外に分離される (海外買収時の対応)
    18. 新規申請中に製造所がFDA483Formを受け,自主操業停止決断/承認後1年後に欠品 (新規申請中の安定供給について)
  11. GMP基準への上乗せ基準 (製造で品質を造り込む)
    1. ラインで薬機法違反を造らない (フェール・セーフの考え)
    2. 表示資材はラインでバーコード管理 (異種品の全数保証)
    3. 金属は粉と成形で二度検査
    4. 直接薬剤に接する資材の異物対策
    5. 師過可能な原料は師過/ろ過する
    6. 外観のビデオ検査
    7. 異種品のラインでの検出
    8. テストサンプルの管理
  12. 偽証・隠ぺいの事例とその防止
    1. 他産業の事例
    2. 医薬品産業での偽造、隠ぺいの事例
    3. 重大な品質問題が生じた時の対応
    4. 作業者が隠ぺい・偽証した事例とその対応
    5. マネージメントの対応
  13. PMDAの査察によるGMP違反指摘事項と製品回収
    1. GMP違反による製品回収 (韓国製造所)
    2. GMP違反による製品回収 (日本国内製造所)
  14. 教育訓練/Quality Cultureへの取り組み
    1. SOPの認識
    2. ヒューマンエラーと故意との違い
    3. 認定制度
    4. ノウハウ集
    5. 違反ができないGMP仕組みが人を守る
      • 現場でのサンプリング
      • 食品会社の取り組み (農薬混入から)
    6. CRM (Cockpit Resource Management) の業務への取り込み
    7. 割れ窓理論の実践による大きなリスク回避 (ハインリッヒの法則)
    8. 一人ひとりが品質保証
      • 感性による品質保証
      • 人を生かす取り組み
    • 質疑応答

講師

  • 脇坂 盛雄
    株式会社 ミノファーゲン製薬
    顧問

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 48,600円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 45,000円(税別) / 48,600円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 54,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 97,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 145,800円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/13 分析法バリデーションのための統計解析入門と分析能パラメータ計算法入門 東京都 オンライン
2024/12/13 造粒・打錠工程の基礎知識およびスケールアップ方法・トラブル対応 オンライン
2024/12/16 製薬用水の製造法・品質管理・バリデーション方法の基礎、査察事例を踏まえた考察 オンライン
2024/12/16 試験検査室管理におけるOOS/OOT対応とサンプリング実施のポイント オンライン
2024/12/16 医薬品承認申請書のコンプライアンスとグレー部分への対応 オンライン
2024/12/16 ペプチド医薬品の疾患別事例からみる市場性およびペプチドの合成・分析のポイント オンライン
2024/12/17 省力化・効率化で実践するCSVへのヒント オンライン
2024/12/17 デスクトップで行う医薬品市場予測のスキルアップと精度向上 オンライン
2024/12/17 医薬品製造現場におけるコスト削減と少人数体制のQC/QA業務効率化 オンライン
2024/12/17 LNP (脂質ナノ粒子) 製剤における品質評価/製剤設計・品質管理・製造プロセスとDDS技術・動向 オンライン
2024/12/17 GMPが空調設備に求める交叉汚染防止要件とその管理 オンライン
2024/12/17 無菌製剤・再生医療等製品の工場における査察対応とGMP改善業務 オンライン
2024/12/17 再生医療を含めた国際共同治験の進め方と各ステージ毎における対応手法 オンライン
2024/12/17 PV業務においてグローバルSOPとローカルSOPをどう棲み分け、整合性を図るか オンライン
2024/12/18 GMP省令改正に対応した供給者管理の留意点 東京都 会場・オンライン
2024/12/18 SDS・ラベル超基礎講座 オンライン
2024/12/18 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2024/12/18 バリデーション入門講座 オンライン
2024/12/18 ICH品質関連ガイダンス視点から考えるCTD-Q記載要求事項と効率的申請資料作成法 オンライン
2024/12/18 核酸医薬品の品質管理および分析・評価のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版) (製本版+ebook版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2022/3/10 改正GMP省令対応 QA (品質保証) 実務ノウハウ集
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/10/11 抗ウイルス薬
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価 (書籍版 + ebook版)
2021/9/22 パージファクター活用 (スコアリングと判定基準) 及びニトロソアミン類のリスク評価
2021/8/31 創薬研究者・アカデミア研究者が知っておくべき最新の免疫学とその応用技術
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請 (製本版+ebook版)
2021/8/26 薬事規制・承認審査の3極比較と試験立案・臨床データパッケージ/CMCグローバル申請
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール (書籍 + ebook版)
2021/5/27 [Global] 治験/市販後での安全性情報の収集・評価・報告要否とPVベンダーコントロール
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ
2021/3/30 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (製本版+ebook版)
2020/6/30 米国での体外診断用医薬品の開発/審査対応 実務集