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ヒト (薬物) 代謝物の毒性評価と構造解析・同定ノウハウ

ヒト (薬物) 代謝物の毒性評価と構造解析・同定ノウハウ

~活性/構造と毒性の関連、精度・正確を必要とする構造解析・同定方法~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2014年1月27日(月) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 医薬品、製剤に関連する技術者、品質担当者、管理者

プログラム

第1部 『薬物代謝物の活性/構造と毒性評価』

(2014年1月27日 10:30〜13:00)

 医薬品における代謝物の毒性は原薬の非臨床試験で一般的に評価が行われていますが、既知の毒性代謝物や動物種差のみられる代謝物では、ケースバイケースで評価試験が実施されています。ICH ガイドラインM3 (R2) では、in vitroにおける動物種差データに基づいたトキシコキネティクスの重要性が指摘され、Q&Aでは、ヒトにおける代謝物量に応じた非臨床評価スキームが示されている。ICH S2 (R1) では、遺伝毒性試験の評価において生体特有の要素 (代謝物等) を加味して毒性評価を行うこと等、代謝物への毒性評価対策が明らかになってきています。
 今回、ICHガイドラインに加えて代謝物の活性や構造に起因する毒性の事例とともに毒性評価の課題を整理して解説いたします。

  1. 薬物代謝物とは
    1. 不活性代謝物
    2. 活性代謝物
    3. 親化合物と類似の活性代謝物
    4. 親化合物以上の活性を有する代謝物
    5. 新規の活性代謝物
    6. 毒性代謝物
  2. ガイドラインにおける毒性評価のポイント
    1. 原薬並びに代謝物の毒性評価
    2. 代謝物の評価ポイント
  3. 薬物代謝と毒性評価
    1. 活性と毒性
    2. 代謝と毒性
    3. 化学構造と毒性
  4. 薬物代謝酵素誘導と阻害
    1. 代謝酵素と毒性
  5. 薬物代謝における遺伝子多型と毒性
    1. 非臨床毒性試験成績とヒトにおけるリスクアセスメント
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 『開発スケジュール・申請データを意識したヒト代謝物の構造解析・同定ノウハウ』

(2014年1月27日 13:50〜16:30)

 講師は2013年度薬物動態学会での創薬貢献北川賞の受賞に繋がるセフィキシム (経口抗生物質) 、ソマゾン (成長ホルモン) 、タクロリムス (免疫抑制剤) 、ミカファンギン (抗カビ抗生物質) 、アイソダック (制癌抗生物質) の代謝物の構造解析と定量分析での難題を解決し創薬に貢献した。LC-MSの改良や構造解析ソフトの改良にも貢献した。
最近の業績はSafety Testing of Drug Metabolites (MIST) ガイダンスの対策をマイクロドース試験で実施した。また標準物質のない代謝物をLC-MSで定量するMIST対策を確立し論文発表した。
 先ず、LC-MSのプロトン化分子とフラグメンテーションに基づいたヒト代謝物の構造解析の知識、測定技術、演習問題で構造解析の基礎力をつける。ヒト代謝物の構造解析・同定のMIST対策は開発スケジュールに大きく影響し、安全性試験動物の選択、臨床試験でのヒトin vivo代謝物による開発候補品の選択の判断基準、ヒトでの活性代謝物の諸問題の解決対策、申請データまで重要な役割を担っている。
構造解析のスピードを重視する早期での戦略・方法・実施と、申請データの網羅的代謝物の精度、正確を必要とする代謝物の構造解析の戦略・方法・実施をお話し、医薬品も合成低分子医薬品、醗酵や天然物の比較的分子量の大きな医薬品、最近の傾向では蛋白・核酸の高分子医薬品があり、構造解析の方法・戦略・実施が異なる。製薬会社で創薬・医薬品開発の合成研究・薬物動態研究の経験、学生時代から今日まで創薬・医薬品開発研究の経験で培った質量分析の知識・技術のknow-howを若い世代に引き継いでおきたい。

  1. ヒト代謝物の構造解析の質量分析
    1. 理論 (プロトン化分子、フラグメンテーション、マスシフト)
    2. 測定
      1. 特徴 1.2.2 選択 1.2.3 使い方
    3. データ
    4. 演習
  2. 高分解能質量分析装置を用いたヒト代謝物の構造解析
    1. 理論
    2. 測定
      1. 特徴 2.2.2 選択 2.2.3 使い方
    3. データ
    4. 演習
  3. 医薬品開発段階に応じたヒト代謝物の構造解析
    1. 意味
    2. 戦略
    3. 方法論
    4. In vitroヒト代謝試験
      1. 肝ミクロソーム Phase I代謝物
      2. ヘパトサイトPhase I & II代謝物
      3. S9 PhaseI & II代謝物
      4. ロボットを用いた探索代謝
    5. In vivo代謝試験
      1. 代謝ケージ動物試験試料
      2. 安全性試験試料
      3. 臨床試験試料
  4. Safety Testing of Drug Metabolites
    1. 内容
    2. 戦略
    3. 対策
  5. Microdose Clinical Study でのMIST評価の意味・戦略・実際
    1. 内容
    2. 戦略
    3. 対策
  6. 標準物質のない代謝物をLC-MSで定量するMIST対策
    1. 内容
    2. 戦略
    3. 対策
  7. In vivo代謝比較試験と毒性試験動物の選択
    1. 内容
    2. 戦略
    3. 対策
  8. In vitro代謝試験と探索代謝試験でのヒト代謝物の構造解析
    1. 内容
    2. 戦略
    3. 対策
  9. 質量分析によるヒト代謝物の構造解析の実践
    1. 低分子医薬品の質量分析によるヒト代謝物の構造解析の実践
      1. 合成医薬品 9.1.2 醗酵医薬品
    2. 高分子医薬品の質量分析によるヒト代謝物の構造解析の実践
      1. タンパク質 9.2.2 核酸
  10. 活性代謝物と生体成分複合体の質量分析による構造解析の実践
    1. 内容
    2. 戦略
    3. 対策
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 飯島 護丈
    AEIC研究所
    代表 非臨床開発コンサルタント
  • 戸塚 善三郎
    大阪大学 大学院 薬学研究科招聘
    教授

会場

連合会館

4F 401

東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
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主催

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