省令GCPは補償責任履行確保措置として「保険その他の措置」を講じることを求めていますが、補償の内容や範囲については言及していません。
そこで医法研の補償ガイドラインでは、患者さんを対象とする試験を医薬品副作用被害救済制度に準じることを推奨しています。
本講座では、同制度に準じて健康被害補償を行う上で知っておかなければならない知識、解決しておかなければならない運用上の問題、さらには関連する社会保障制度について解説した上で、補償の実務を行う上でのポイントと留意点についてお話いたします。
又、日本の補償制度の性格と特徴を踏まえて、諸外国における補償制度との違い、特にアジア開発を行う上でのポイントと留意点についてもお話します。
第1部 同意取得時、健康被害発生時の説明資料等の作成方法
- 同意取得時の健康被害補償に関する情報提供
- 健康人を対象とする治験
- 患者さんを対象とする治験
- 製造販売後臨床試験
- 健康被害発生時の説明資料等の作成方法
- 医療費支払についての説明文書・申請書
- 医療費支払の手続きにつきまして」及び「医療費等請求書」の記載内容
- 「医療費等振込通知書」の送付
- 障害補償金支払に関する各種文書作成法
- 「医療費支払の手続きにつきまして」に追記すべき内容
- 患者様ご家族へ「障害補償金申請手続きのご案内」の送付
- 「障害補償金申請手続きにつきまして」及び「障害補償金請求書」の記載内容
- 症状固定の際に転院先主治医へ提出する「診断書作成依頼書」の内容と依頼方法
- 治験責任医師による「症状固定報告書」の記載内容
- 「障害補償金振込通知書」の送付
- 遺族補償金支払に関する各種文書作成法
- 「遺族補償金支払の手続きにつきまして」に記載すべき内容
- 「生計維持関係の判定結果につきまして」の作成方法
- 「遺族補償金振込通知書」の送付
- 「ご面談の件につきまして」及び「補償金が支払われる場合につきまして」の送付
- 「補償金等受領証」の送付と受領
- 保険会社への保険金請求時の書類と留意点
第2部 医薬品副作用被害救済制度等に準じて補償を行う場合のポイントと留意点
- 日本と諸外国の補償制度の違い
- 日本の補償制度の性格と特徴
- 医法研ガイドラインとABPIガイドラインの主な相違点
- 諸外国における治験補償の実態
- 海外治験で保険を手配する場合のポイントと留意点
- 医薬品副作用被害救済制度に準じて医療費支払及び補償金支払を行う場合のポイントと留意点
- 医療費等の支払のポイントと留意点
- 医療費支払に関しての現状と問題点
- 医療費支払のパターンとそれぞれのメリット・デメリット
- 限度額適用認定証の利用方法とメリット
- 原疾患の治療費と健康被害の治療費の切り分け
- 知っておかなければならない知識
- 公費負担医療制度
- 保険外併用療養費制度
- 高額医療費等貸付事業と高額療養費委任払い制度
- 健康保険使用の問題
- 「患者を対象とする試験」の補償金支払のポイントと留意点
- 知っておかなければならない知識
- 医薬品副作用被害救済制度設立当時の「救済給付の種類と水準設定」の考え方
- 何故、救済制度では、後遺障害を1級、2級に限定したか
- 救済制度・補償における1級、2級は政府労災の第何級までカバーしているか
- 解決しておかなければならない運用上の問題
- 後遺障害の認定基準
- 生計維持者/非生計維持者の判断基準
- 抗がん剤の治験における補償の内容・範囲